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    #忘羨

    WangXian

    小月 輝

    DONEガーデンバース忘羨のタグで花の日のお祭りに参加した時のお話
    花を編む起きた時に感じるのは満たされた幸福感だった。
    ぬるま湯に浸るような心地よい寝床で目を覚まして、一番に目に入るのが美しい夫の寝顔である事にも慣れてしまう程の時間が過ぎた。ゆっくりと藍忘機に体重をかけないように起き上がり、くわりと大きく欠伸をする。半蔀から差し込む光はまだぼやけていて、明朝というにも早い時間に魏無羨が毎日起きているだなんて、この世でただ一人を除いて誰も信じないだろう。藍家の家規で定められている卯の刻起床よりも早い、まだ草木も鳥も寝静まっている時間だ。もちろん時間に正確な魏無羨の美人な夫もまだ寝ている。
    毎晩あんなに激しく魏無羨を苛んでいるとは思えない静謐な寝顔に、思わず頬が緩むのをおっといけないと押さえて、だらしなく寝崩した衣を更に肌蹴る。魏無羨は美しい夫の顔を何刻でも見ていられたが、今はそれよりもすべき事があるのだ。腕や胸、内腿まで、体のあちこちに咲いている花を摘んでいく。紅梅、蝋梅、山茶花、寒椿に芍薬、色とりどりに咲き乱れる花々は魏無羨が花生みである証であると同時に、昨晩藍忘機にたっぷりと水やりをされた証でもある。栄養過多になると、魏無羨の体は花を咲かせる事で消費するのだ。だから、毎朝、一つずつ丁寧に摘んでいく。
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    azusa_mtm

    DONEcql忘羨。
    43話で一夜を共にした後の知己が道侶になって2回目の知己越えをする話。
    ……を書きたかったのですが、冒頭しかできませんでした。
    今後知己越え予定ですが、現時点で全年齢なので制限かけてません。無念。
    後日書き終えた際は上げ直しの予定です。
    2回目が越えられない 藍忘機は人肌を知らぬわけではない。
     しんしんと雪が降り積もる寒い夜、私室である静室で凍える身体を温めるように魏無羨を抱き寄せたのは、記憶に新しい。
     言葉はなかった。ふと、互いの視線が絡み、それを解くことが出来ないまま、気づけば二人の距離が縮まり、唇を重ねていた。魏無羨の唇は、口にしていた天子笑のせいで潤み、芳醇な味わいの残り香が鼻腔をくすぐる。魏無羨が日頃から絶賛しているその味は、確かに甘美に思えたが、結局のところ魏無羨と口づけをしている事実に高揚してそう感じているだけなのかもしれなかった。
    「藍湛」
    「…………魏嬰」
     唇を触れては離して、口づけを繰り返す。そのうちに冷えていた魏無羨の身体は徐々に熱が籠っていく。室内にいた藍忘機の身体はそれ以上に体温が上がり、その身に纏う冷えた檀香とは相反していて、ちぐはぐだった。心臓の鼓動は増していくばかりで、巡る血流も速まっていく。熱く滾る藍忘機の身体に魏無羨は擦り寄って、心地よさに身を預ける。燻ぶる熱を分かち合う行為はとどまることをしらず、そのまま共に寝床になだれ込んだのは自然な流れだった。続く口づけの間、藍忘機のみならず魏無羨までもがその多弁な口が留守になり、時折互いの名前を呼ぶためだけに動いた。身に着けた服は段々煩わしくなり脱がせ合い、露わになった肌に手のひらを滑らせる。
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    りゅうひよこ

    DONEあらすじ
    「一人でするところ見せてよ」魏嬰が言った。
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    「見せてくれるまで待つ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないの態度を取った。藍湛は仕方ないという風にため息をつき、自ら帯を解きにかかる。
    窓から生ぬるい風が、床を這うように吹きこんできたのはその時だった。「もう喚んでくれないのかと思ってたよ、藍湛」
    0721の日・ホラー回「一人でするところ見せてよ」
    魏嬰が言った。
    静室の天井を背景に、彼の夫の顔が間近にあった。結い上げた髪がいくらか乱れている。
    もちろん藍湛の艶やかな黒髪を乱したのは魏嬰だ。文机で書き物をしていた彼に戯れついた結果、組み敷かれてひとしきり口を吸われていた。
    「見てどうする?」
    と藍湛が尋ねた。
    「夫のかわいい姿を眺めて楽しむんだよ」
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    しとやかな夫が恥ずかしがって拒否するのはわかっていたから、魏嬰はさんざん口づけをした後に頼んでみたのだ。魏嬰に噛みつきたくてたまらないという顔をした今の藍湛なら、うっかり披露してくれるかもしれない。
    「見せてくれるまで俺は待つぞ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないという態度を取る。
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