ru_za18
DONE桑さに青空でのお題提出作品
あることから本丸を逃げ出そうとした主と見つけた桑名のお話
捏造設定あり
暗めのお話
エゴだとしても 物音一つしない、丑三つ刻。今日は生憎の曇りで、本来ならば見えたであろう満月も今は姿を隠している。
そんな中を小さい鞄一つを抱えて、出来るだけ足音を立てないように廊下をゆっくりと歩く。部屋から出て少し進んだところに、『風通しのためだ』と開けてもらっていた雨戸が見える。そこに辿り着いては息を潜めて辺りを見渡し、誰もいないことを念入りに確認した。
――見つかるわけにはいかない。
緊張感から息をすることすら忘れて、確認出来たと同時に人が通れる程だった雨戸から庭へと下りた。素足のまま下りたものだから、庭に転がる小石たちが『自分はここだ』と存在を主張してくる。痛みを伴うそれを無視しながら、歩く速度はどんどん早まっていき、前へ前へと足を出す。終にはとうとう走り出して、目指す先は本丸の門だ。春には桜の花弁を浮かべた池の横を通り、近くに向日葵が咲いていた畑を横切り、可愛い色だと埋めたチョコレートコスモスの花壇を越え、冬には雪の帽子を被っていた椿の垣根を抜ければ、辿り着いたのは目的地。しんと静まり返る中に佇むそれは、私の最後の覚悟を問うているように思えた。
2445そんな中を小さい鞄一つを抱えて、出来るだけ足音を立てないように廊下をゆっくりと歩く。部屋から出て少し進んだところに、『風通しのためだ』と開けてもらっていた雨戸が見える。そこに辿り着いては息を潜めて辺りを見渡し、誰もいないことを念入りに確認した。
――見つかるわけにはいかない。
緊張感から息をすることすら忘れて、確認出来たと同時に人が通れる程だった雨戸から庭へと下りた。素足のまま下りたものだから、庭に転がる小石たちが『自分はここだ』と存在を主張してくる。痛みを伴うそれを無視しながら、歩く速度はどんどん早まっていき、前へ前へと足を出す。終にはとうとう走り出して、目指す先は本丸の門だ。春には桜の花弁を浮かべた池の横を通り、近くに向日葵が咲いていた畑を横切り、可愛い色だと埋めたチョコレートコスモスの花壇を越え、冬には雪の帽子を被っていた椿の垣根を抜ければ、辿り着いたのは目的地。しんと静まり返る中に佇むそれは、私の最後の覚悟を問うているように思えた。
こまつ
DONE桑さに🚜朝露恋し新しい賽子もないのに特命に出した部隊の様子をつい見に行ってしまうので。
特命、部隊名だけじゃなく具体的な状況やボスの名前とかもあっていろいろ苦しくなっちゃうね。簡単に「敵」とは書けないというか。 4
こまつ
DONE桑さに🚜桑名さんの肩ロース(注:情事後)おせちのやつやって食べたくなったので
診断メーカー「おせちできるかな」
https://shindanmaker.com/chart/1103499-0345ad7b56e243f2c44a26314d67c037e4e8a82c 2
藤(ふじ)
DONE #夏という言葉を使わずに夏を一人一個表現する物書きは見たらやるタグ をお借りして書いた夏、秋、冬、春のSS桑さに4作品をひとつにまとめた短編集。Kaleidoscope濡れて、見つめて、それから「うわぁ! 綺麗だねぇ!」
桑名江に誘われて畑を見てみれば、青々とした胡瓜が畑一面に実を付けていた。厳しい陽射しを一身に受けてキラキラと輝く様は、とても美しい。
「新しくした肥料が合ってたみたいだねぇ」
隣でしゃがむ桑名は、自身が丹精込めて育てたそれに指先でそっと触れながら言う。前髪と帽子で隠れているはずの彼の目は、きっとこの野菜たちと同じように爛々としているのだろう。
「主に一番に見せたくてね」
こちらを向いてにこりと笑う彼は本当に嬉しそうで、桑名のこういう顔を見るのが私は大好きだった。そして見る度に『ああ、好きだなぁ』と思ってしまう。
「ふふっ、桑名お世話頑張ってたもんね」
8352桑名江に誘われて畑を見てみれば、青々とした胡瓜が畑一面に実を付けていた。厳しい陽射しを一身に受けてキラキラと輝く様は、とても美しい。
「新しくした肥料が合ってたみたいだねぇ」
隣でしゃがむ桑名は、自身が丹精込めて育てたそれに指先でそっと触れながら言う。前髪と帽子で隠れているはずの彼の目は、きっとこの野菜たちと同じように爛々としているのだろう。
「主に一番に見せたくてね」
こちらを向いてにこりと笑う彼は本当に嬉しそうで、桑名のこういう顔を見るのが私は大好きだった。そして見る度に『ああ、好きだなぁ』と思ってしまう。
「ふふっ、桑名お世話頑張ってたもんね」