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    Orr_Ebi

    HECHOアラサー沢深が大人になってやっとくっつく話。🏀プロ選手×会社員パロ。深津さんが少し女々しいかもなので注意。沢深ハッピーになあれ🪄

    タイトルは同名の楽曲より。
    Love U like that 「結婚しないんですか?」
     麺をずるずると啜っていた俺は、その言葉に一瞬動きを止めた。結婚。また結婚の話か、と頭の中で反芻して麺を最後まで啜りきった。
     「なんでまた」
    咀嚼して飲み込んでからそう答えると、隣の席で同じ豚骨ラーメンを啜っていた後輩が、うーんと唸る。
     「だって深津さんの歳って、周り結構結婚してません?」
     「してる」
     「なんか焦りません?そういうの」
     三つ下の後輩は、人によっては無神経だと感じらるような発言をなんて事ないように言った。焦るか、と改めて自分に問うて見る。確かに、高校時代の友人たちはほとんど既婚者だ。
     河田は早々に学生時代からの彼女と入籍して3人のパパだし、松本はつい最近結婚したばかりだ。イチノは…、恋人はいるけどまだかなと言っていたような気がする。野辺も確か二年前に結婚式を挙げていたはずだ。そう考えると、学生時代につるんでいた5人の中で半分以上は結婚したことになる。まぁ、それもそうか。もう30を過ぎたのだからそういった選択をするようにもなる。
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    aimai_tarou4

    PROGRESO発行予定新刊:『さよならプリズム』
    B6/価格未定/R18/25000字~30000字くらい
    ―――――――――――――――――――――
    沢北から告白されて付き合ったはいいものの、何か沢北の様子がおかしくない??な王道すれ違い沢深です。深津二年の終わりぐらい〜三年初めくらいまで。
    青春してる沢深の予定です!!
    さよならプリズム 部屋にけたたましいアラームの音が響く。音に共鳴するようにバイブレーションがその身を震わせ、音の正体――目覚まし時計がカカカカカと木の机に当たって細かな音を立てた。
    「あ」
     重なった声は僅かな差ではあったけれど沢北の方が早かった。二人の視線は自然と目覚まし時計に集まっている。
     ――時刻は二十一時五十五分。
    「もう時間ベシ?」
     深津が問うと沢北はこの世の終わりのような絶望感を纏わせ「はい」と頷いた。深津は立ち上がって目覚まし時計を手に取り、振動を止める。振り向くと、いつもなら釣り上がってみえる沢北の眉がぺしゃんとひしゃげた顔をつくっていた。
     沢北は悲しいと訴えるとき、怒られて泣きそうなとき、いつもそういう顔をする。顔の表情筋を器用に使い、百人が沢北の顔を見たら全員が悲しんでいるのだと納得できる顔をつくるのだ。深津の表情筋は悲しかろうが楽しかろうが、誰かに頬を固定されているのかと思うくらい動かないので、沢北の内面が素直に顔面へ照らされる様子を好ましく思っていた。深津みたいな人間は世の中では僅少であることは知っていたけれど、沢北のように考えていることが全て表情に出る人間もまた珍しいと深津は思う。ただでさえ、人の心なんて分かりにくいのだから、沢北のように内心何を考えているのか分かりやすい人間ばかりだったらいいのにと考えることも少なくはなかった。
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