Raiku
DONE月鯉月 すでにお亡くなりになっているふたりの往復書簡。あなたのお馬 シャクシャクと霜を踏みしめる音が、まだ藍色の空のしたに響く。少年は足元に残る雪を踏みしめ、祖父が歩く道をつくってやる。澄み切った春の空でも、北海道ではまだ雪が深い。重たいスコップを祖父の代わりに持ってやり、少年は大きく足を鳴らして雪を踏んだ。
「坊は今年でいっつになったんやな?」
「とぉ」
「おお、もうそげん年か。ふてねえ」
冬に膝を痛めたという祖父は、孫の名前を覚えない。男の子はみな坊で、女の子はオコジョである。ついでに年も覚えない。去年も似たような質問をされた。きつい薩摩訛が残る祖父の言うことは、少年には半分も理解できてはいないが、穏やかな慈愛がともる瞳で見下されるのは悪くない。父には怖い人だから怒らせるな、と度々言い聞かされてはいたが、膝をすりすり時々立ち止まらなければならない老人を恐れるというのも難しい。
6799「坊は今年でいっつになったんやな?」
「とぉ」
「おお、もうそげん年か。ふてねえ」
冬に膝を痛めたという祖父は、孫の名前を覚えない。男の子はみな坊で、女の子はオコジョである。ついでに年も覚えない。去年も似たような質問をされた。きつい薩摩訛が残る祖父の言うことは、少年には半分も理解できてはいないが、穏やかな慈愛がともる瞳で見下されるのは悪くない。父には怖い人だから怒らせるな、と度々言い聞かされてはいたが、膝をすりすり時々立ち止まらなければならない老人を恐れるというのも難しい。
森海月
DONE2025年2月22日開催【ゆるおつきばれんたいん】に公開しました非公式金カム短編小説(尾月)です。全年齢向け。しっとりシリアス。
良ければイメージイラストの方も宜しくお願いいたします。
争奪戦前、二月の雪降る夜に偶然二人きりになった尾形と月島の小話です。
その水の味は。 如月。衣更着(きさらぎ)とも書く時期に相応しい凍てついた風雪が頬や耳の皮膚を刺す。駐屯所の門前は、所々に残った雪が幾度とない人の行き来によって踏まれ、固まって氷へと変貌してしまっている。手を抜いたな…。と、尾形は除雪当直へ苛立ちを感じつつ 「はぁ。」と、白い溜め息は一瞬にして空へ舞い消えていった。
「尾形か」
午後十一時過ぎ。夜勤以外の兵が寝静まった頃に屯所へ戻った尾形は、北海道の厳しい寒夜で凍え切った身体を温めるべく白湯を一杯貰おうと食堂へ足を運ぶと、思いもよらぬ人物に声をかけられた。
「ただいま戻りました。月島軍曹殿」
尾形は食堂のドア越しに、自分へ声をかけてきた人物に対し敬礼した。薄暗い中、尾形の上官である月島は一つの小さなランプが灯されている卓へ腰を落ち着けていた。
4151「尾形か」
午後十一時過ぎ。夜勤以外の兵が寝静まった頃に屯所へ戻った尾形は、北海道の厳しい寒夜で凍え切った身体を温めるべく白湯を一杯貰おうと食堂へ足を運ぶと、思いもよらぬ人物に声をかけられた。
「ただいま戻りました。月島軍曹殿」
尾形は食堂のドア越しに、自分へ声をかけてきた人物に対し敬礼した。薄暗い中、尾形の上官である月島は一つの小さなランプが灯されている卓へ腰を落ち着けていた。
cheese27cheese
DONEバレンタインのお話第2弾( *´艸`)♡♡しまもこくろさん(@ririn_san97 )の📮からコラボお願いして実現したDK🌙🎏のお話です💚💜
ふたりが💋してるのでワンクッション置いてます( ̄∇ ̄*)ゞ 2130
cheese27cheese
DONEはいゆーぱろの🌙🎏です☺️相互さま素敵な作品前夜祭して下さってたので私も……と思い投下してしまいました( ̄∇ ̄*)ゞ
ふたりが💋してるのでワンクッション置いてます☺️ 1955
こなみ
DONE(フォロワーさん向け)次回新刊予定の
「お互いの好きなところを10個言わないと出られない部屋」のsgoの本です
※追記※
まとめ本に収録しようか検討中です。
その際描き下ろしはこちらに掲載します。 15
Amon
DONE尾白SS5本、診断メーカーお題。①『甘えることを教えたのは、貴方だから』現パロ、尾形視点
②『待て、は得意じゃない』現パロ、白石視点
③『いずれまた、どこかで』尾形+白石、原作軸、白石視点
④『その色は誰の色?』現パロ、杉リパ(明日子)+尾白
⑤『ごめんね、諦めて』現パロ、白石視点 12
taka_gk3100
DONE10/27の無配ハガキのSSの中身(ほんの少し追記)です。だんだん寒くなって、sgoがくっついてくれる嬉しい季節ですね☺️💓タオルケットと秋の訪れ 俺は疲れ切っていた。
ここのところずっと手こずっていた案件にようやく目処がついたと思ったら、今日に限って別案件のトラブルが舞い込んできた。なぜこんな日にとイライラが募っても、不可抗力で発生したものだから、恨む先すら見当たらない。
ふらふらになりながら退社しようとドアを開けると、びゅうっと冷たい風が吹き込んだ。朝はうっすら汗ばむくらいだったのに……。
朝の日差しの中ワイシャツで来てしまったので、辛うじて会社に置いていた薄手のジャケットを取りに戻って前を閉めた。まだまだ全然寒かった。
「おかえり〜。今日もお疲れ」
半分凍えながら帰った俺を、輝かしい笑顔で出迎えたのは、一緒に住んでいる杉元だ。なんと、まさかの半袖でいやがる……。
1836ここのところずっと手こずっていた案件にようやく目処がついたと思ったら、今日に限って別案件のトラブルが舞い込んできた。なぜこんな日にとイライラが募っても、不可抗力で発生したものだから、恨む先すら見当たらない。
ふらふらになりながら退社しようとドアを開けると、びゅうっと冷たい風が吹き込んだ。朝はうっすら汗ばむくらいだったのに……。
朝の日差しの中ワイシャツで来てしまったので、辛うじて会社に置いていた薄手のジャケットを取りに戻って前を閉めた。まだまだ全然寒かった。
「おかえり〜。今日もお疲れ」
半分凍えながら帰った俺を、輝かしい笑顔で出迎えたのは、一緒に住んでいる杉元だ。なんと、まさかの半袖でいやがる……。