NARUHA
PAST2017年に頒布された鉢尾アンソロジー「なまえをよんで」に寄稿させていただいた小説の再録になります。どこかに置いておきたくて、でも支部はちょっとな……と思ったのでこちらに。当社比甘めの鉢尾です。
空は青くて雲は白い。空は青いし雲は白い。
山は緑で花は柔らかく、のどかな光が視界に満ちる。
「勘右衛門」と呼ぶ声は穏やかで、それでいて優しい。ゆったりとした気候にふと意識を預けそうになって、また名を呼ばれた。どうやら何かしらの用事があるらしい。視線を向ければそいつは少し困ったような、けれどどこか訝しげな顔でこちらを見ていた。
――ああ、ごめん。少しばかり眠くてさ。
だってせっかくこんな暖かな良い天気の日に、わざわざ書き物しなくたっていいじゃない。
「お前な、」
呆れたように指先で額を弾かれる。
何だお前、おれの心を読んだとでも言うのかこの助平。
ひとしきり心の中で文句を言って、尾浜は深く息を吐き出した。おはよう。笑って口だけでそう告げる。どうやらそれがお気に召したらしい彼は、口端を僅かに上げて頭を撫でてきた。音のない声は、彼の気に入るところらしい。
4520山は緑で花は柔らかく、のどかな光が視界に満ちる。
「勘右衛門」と呼ぶ声は穏やかで、それでいて優しい。ゆったりとした気候にふと意識を預けそうになって、また名を呼ばれた。どうやら何かしらの用事があるらしい。視線を向ければそいつは少し困ったような、けれどどこか訝しげな顔でこちらを見ていた。
――ああ、ごめん。少しばかり眠くてさ。
だってせっかくこんな暖かな良い天気の日に、わざわざ書き物しなくたっていいじゃない。
「お前な、」
呆れたように指先で額を弾かれる。
何だお前、おれの心を読んだとでも言うのかこの助平。
ひとしきり心の中で文句を言って、尾浜は深く息を吐き出した。おはよう。笑って口だけでそう告げる。どうやらそれがお気に召したらしい彼は、口端を僅かに上げて頭を撫でてきた。音のない声は、彼の気に入るところらしい。
奈落。
DOODLEスタバで働く鉢屋くんと尾浜先輩の続きの続き。最終章です。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
「おはようございます」
「あ、鉢屋おはよう……ちょっと俺トイレ行くね、」
(相変わらず避けられるな)
先日勢いで告白してしまってから早一週間、悉く避けられ続けている。俺の顔を見ると気まずそうな表情で何処かへ行ってしまうということは、俺が告白したのがまずかった、ということで。尾浜先輩も俺のことを好いてくれていると思ったのだが、どうやら俺の気の所為だったらしい。いや、まだ「かもしれない」くらいではあるが。少なくとも、事態はいいように向いていないことだけは理解できる。
「どうするかな…」
「鉢屋先輩?」
「うわ!?あぁ、田村か…」
後ろから突然声がしたと思い驚きつつ振り返るときょとん、とした顔の後輩が立っていた。
5756「あ、鉢屋おはよう……ちょっと俺トイレ行くね、」
(相変わらず避けられるな)
先日勢いで告白してしまってから早一週間、悉く避けられ続けている。俺の顔を見ると気まずそうな表情で何処かへ行ってしまうということは、俺が告白したのがまずかった、ということで。尾浜先輩も俺のことを好いてくれていると思ったのだが、どうやら俺の気の所為だったらしい。いや、まだ「かもしれない」くらいではあるが。少なくとも、事態はいいように向いていないことだけは理解できる。
「どうするかな…」
「鉢屋先輩?」
「うわ!?あぁ、田村か…」
後ろから突然声がしたと思い驚きつつ振り返るときょとん、とした顔の後輩が立っていた。
奈落。
DONEスタバで働く鉢屋くんと尾浜先輩の続き。まだ続きます。「おはよ〜鉢屋」
「おはようございます。まさか本当に朝から来るとは思ってませんでしたけど」
今日家の場所知れたし明日の9時に迎えに行くよ、と言われて5分前に出てみればもう既に昨日別れた場所に尾浜先輩が来ていた。なんでそんな早いんすか、と聞けば楽しみだったんだもんと返され思わぬ返答に顔が少し赤くなるのを感じた。
「お?鉢屋くん顔が赤いねぇ」
「気の所為っす。で、どこ行くんすか?」
「ん〜ナイショ♪鉢屋は助手席でゆっくりしてて?」
「…わかりました、」
何故か上機嫌な尾浜先輩を横目に欠伸を一つ。昨日楽しみであまり眠れなかった、というのは絶対この人には言わない。
「…昨日なんであんなこと送って来たんすか」
「あんなことって?」
2253「おはようございます。まさか本当に朝から来るとは思ってませんでしたけど」
今日家の場所知れたし明日の9時に迎えに行くよ、と言われて5分前に出てみればもう既に昨日別れた場所に尾浜先輩が来ていた。なんでそんな早いんすか、と聞けば楽しみだったんだもんと返され思わぬ返答に顔が少し赤くなるのを感じた。
「お?鉢屋くん顔が赤いねぇ」
「気の所為っす。で、どこ行くんすか?」
「ん〜ナイショ♪鉢屋は助手席でゆっくりしてて?」
「…わかりました、」
何故か上機嫌な尾浜先輩を横目に欠伸を一つ。昨日楽しみであまり眠れなかった、というのは絶対この人には言わない。
「…昨日なんであんなこと送って来たんすか」
「あんなことって?」
奈落。
DONEスタバで働く鉢屋くんと尾浜先輩のお話。「ありがとうございました!」
にこっと微笑んで商品をもって出て行くお客様に頭を下げる。今のが最後の来客だったからもういいか、と表情筋をふ、と緩める。キッチンで作業していた人がくるりと振り返った。
「お疲れ鉢屋」
「お疲れ様です尾浜先輩。その機械に残ったホイップ食べるのバレたら怒られますよ」
「いーのいーの、どうせバレやしないよ」
「そんなもんですかね」
機械のホイップを掬って食す尾浜先輩の身体をぐい、と退けて手を洗う。こんな時間に二人きりなのはある意味ラッキーだが店じまいの作業はだるい。
「鉢屋って今何年だっけ」
「高2です」
「若いね~」
「先輩が年食ってるだけでしょ」
「つめたーい」
そう、本当に年食ってるだけ。同い年とか、もう少し年が近ければな、と何度思ったことか。
2229にこっと微笑んで商品をもって出て行くお客様に頭を下げる。今のが最後の来客だったからもういいか、と表情筋をふ、と緩める。キッチンで作業していた人がくるりと振り返った。
「お疲れ鉢屋」
「お疲れ様です尾浜先輩。その機械に残ったホイップ食べるのバレたら怒られますよ」
「いーのいーの、どうせバレやしないよ」
「そんなもんですかね」
機械のホイップを掬って食す尾浜先輩の身体をぐい、と退けて手を洗う。こんな時間に二人きりなのはある意味ラッキーだが店じまいの作業はだるい。
「鉢屋って今何年だっけ」
「高2です」
「若いね~」
「先輩が年食ってるだけでしょ」
「つめたーい」
そう、本当に年食ってるだけ。同い年とか、もう少し年が近ければな、と何度思ったことか。
シエ(江森)
MENU2024/06/30 June Bride fes 2024内 狐と狸の化かし愛(鉢尾オンリー)に、江森個人サークル『シエスタの森』で参加します。スペースは東1サ14bです。新刊…というか初めて描いたので鉢尾はこれ一冊しかないんですけど、ご希望の方にはノベルティ落書きまとめ本もお渡しします。ってことで卓上には二冊並びます。よかった。
スパコミの竹くく既刊もすこしだけあります。よろしくどうぞ! 19
シエ(江森)
INFO6/30開催 June Bride fes 内 鉢尾オンリーに参加します。まさかrkrn描き始めて数ヶ月で2回もイベント参加するとは思わなかったんですが(しかも今回は個人)せっかくの祭りだから参加したい気持ちが爆発しました。
今のところカプでは鉢尾がいちばん好きです。表紙デザインがだいたい決まったので載せます。最初なのでかわいい平和な話にします。よろしくどうぞ!! 2
カコ@ポイピク
DOODLE鉢尾/サイバーパンクパロ/タクティカルファッションかっこいい~♡とか思いつつ、描けるかどうかは別の話。でも楽しくお絵描きしたのであった。
兵助メガネあり/なし、ぬりえ用
リプ用に描いたけどタイミング逃しちゃったので中途半端なままのやつも 6
skms_65
DOODLE【鉢尾】【くく竹】
【女体化】
鉢とくくおらん。
勘♀ちゃんとハチ♀ちゃんがイチャイチャしてるだけ。
前の指輪の話の後日談。
鉢に喋ったのがバレたハチ♀ちゃんの髪が犠牲になりました。 2
skms_65
DOODLE先天性にょたの勘♀ちゃんです。なんかもう勢いしかなくて申し訳…。
勘♀ちゃん庇いながら手裏剣どうにかしようとしたけど、勘♀ちゃんに引っ張られて逆に助けられた?鉢。
ラッキースケベ大好きです!!! 5
skms_65
DOODLE甘味処できりちゃんのバイト手伝ってた勘♀ちゃん。様子を見に客として来てた鉢(勘♀ちゃんと両片思い中)とくく(勘♀ちゃんとは幼馴染)が、悪い客に絡まれる勘♀ちゃんを助けて欲しいと思ったら描いてました。
説明が長い。 2
kyoken0916
MOURNING鉢尾 現室R-18 腐向け
2つ前に投稿している漫画(https://poipiku.com/3674689/8764082.html)の続き…というか蛇足的なものです。
注意書きたくさんあります。
お気をつけください🙇♀️
今度こそこの話はこれで終わりにします。 4
ぼた餅
MOURNING尾浜勘右衛門の日ということですが、多分何もできないので過去の練習などをここに埋めます。爽やかで優しくてキレものの君も好きだけど、CDで悪ノリしまくってた君も大好きさ。
⚠️鉢尾 現パロ 6