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    #シャムウィル

    siamWill

    かわな

    DONEシャムウィル。10章あと
    夢の種は芽吹かないこぢんまりしてるけど、信じられないぐらいきれいで、あったかい家に住んでいる。ドアは温かみのある木でできていて、玄関にはガーベラって花がでっけえ植木鉢に植えられて飾られている。どういった経緯かは分かんねーけど、教えてもらったんだと思う。知りたいなんて思わねーし、調べようなんて絶対に考えないから、たぶんそう。そして、そういうことを平気でするのはオレの中には一人しかいないから困る。それを嫌だと思わないことも。
    「おかえり。手、洗ったか?」
    「まだ。洗面台に行くのめんどうだからそこ使わせろ」
    「えー。またか? 仕方ないなぁ。今日だけだぞ」
    玄関からまっすぐに歩けばリビングがある。広くはないから、ドアを開けばキッチンもみえる。そこには黄色っぽい電気がくっついていて、部屋をまるで作り物みたいに温かくみせる。そして、いつも同じヤツが立っている。幼いころの記憶にある顔つきよりも、すこし精悍さがあるかもしれない。振り返ったソイツは、今日だけだぞって言いはするけど、怒っているわけじゃねえから明日同じことを言ったとしてもたぶん同じような表情で「仕方ないなぁ」って言うんだと思う。
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