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MOURNINGこちらに上げ損ねていたやつ。今見ると、桃吾の気持ち綾への感情はこんなものじゃないよなぁと思うので供養になりました。
綾が桃吾にとって呪いなのは変わらなさそうですが。
「日本代表」の四文字を背負って、正捕手として尽力し、世界大会で優勝する。それが実現したのにこんなに嬉しくないなんて、デジチャレを受ける前の桃吾は考えてもいなかった。
U12優勝の立役者として華々しく語られるのは突如現れたピッチャーだけで、他の代表選手についてはその他一同扱いだ。たまに、綾瀬川の球を落とさず捕りきった桃吾のことにだけさらっと個別に触れられることはあるが、他の代表選手についてはほぼ語られずという異様な状況。それだけ鮮烈な才能が荒らしていったU12で、桃吾の夢が叶う隙は一切なかった。
そして、単に夢が叶わなかっただけではなく。
『綾瀬川の球速は、U12の枠組みで捕れる捕手はまずいない。同じ年に雛桃吾という捕手がいたことで、彼の投球が世界に届いたのだ』
1381U12優勝の立役者として華々しく語られるのは突如現れたピッチャーだけで、他の代表選手についてはその他一同扱いだ。たまに、綾瀬川の球を落とさず捕りきった桃吾のことにだけさらっと個別に触れられることはあるが、他の代表選手についてはほぼ語られずという異様な状況。それだけ鮮烈な才能が荒らしていったU12で、桃吾の夢が叶う隙は一切なかった。
そして、単に夢が叶わなかっただけではなく。
『綾瀬川の球速は、U12の枠組みで捕れる捕手はまずいない。同じ年に雛桃吾という捕手がいたことで、彼の投球が世界に届いたのだ』
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MAIKINGhttps://poipiku.com/7684227/8580741.html と同軸の円桃。円と桃吾それぞれが意識し始めた瞬間の話。
551歴代限定フレーバーの中なら2020年のプリンが二人とも食べたがる味かなと思って書き始めたら、途中で桃吾の眼の色が黄色と判明しました。
助けてください。
ささやかな失恋円が一番大切な人を自覚するとほぼ同時にささやかな失恋をしたのは、桃吾と久々に数日間ずっと一緒にいた中一のゴールデンウィーク最終日、夕焼けの練習の帰り道だった。
「限定フレーバー出とる」
「プリンうまそうじゃのー」
「アカン、フルーツにするつもりやったのにプリンは気になる……」
邪魔にならないようアイスキャンデーを売る店頭のカウンターから少し離れたところで、期間限定フレーバーのプリンにするかもともと食べようと思っていた果肉がたっぷり入ったフルーツにするか、桃吾は真剣に悩んでいた。中学生の懐事情では、一人で二本食べる選択肢はない。去年一昨年の限定フレーバーには見向きもしなかった桃吾が今年は本気で迷っていて、プリン味が気になるということはよくわかった。
4572「限定フレーバー出とる」
「プリンうまそうじゃのー」
「アカン、フルーツにするつもりやったのにプリンは気になる……」
邪魔にならないようアイスキャンデーを売る店頭のカウンターから少し離れたところで、期間限定フレーバーのプリンにするかもともと食べようと思っていた果肉がたっぷり入ったフルーツにするか、桃吾は真剣に悩んでいた。中学生の懐事情では、一人で二本食べる選択肢はない。去年一昨年の限定フレーバーには見向きもしなかった桃吾が今年は本気で迷っていて、プリン味が気になるということはよくわかった。
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MAIKING中一の円桃桃吾が恋心を認める日の話です。小学校一緒で中学が別設定。
桃吾は想定外の相手を好きになってしまったら、その人のことが好きだと認めるのに理由が必要そうだなと思っています。
そして指先は触れ合ったタブレットに表示された動画を巻き戻そうとして、同じく操作しようとした円の指に触れそうになり、桃吾は慌てて手を引っ込めた。
二人が好きな野球選手が夜に行われるネット配信の生放送番組に出る。それを知って一緒に見るため、今日は円が桃吾の家に泊まって二人で見ることにしたのだ。
普段の生活にフォーカスされた人となりに迫る番組は、一流の選手がどのような生活をしているか知るいい機会でもある。二人でくっついてタブレットを見ながら、これやってみんけ、チームにも伝えんとな、などと話し合うのは、とても有意義な時間だった。
特に視聴者からのコメントを拾って答えてくれるコーナーで円の質問が拾われたのは嬉しかったことで、かの選手が中学時代にどんな風に時間を使って生活しトレーニングしていたか、中一の今聞けたのは今後参考になるだろう。
4710二人が好きな野球選手が夜に行われるネット配信の生放送番組に出る。それを知って一緒に見るため、今日は円が桃吾の家に泊まって二人で見ることにしたのだ。
普段の生活にフォーカスされた人となりに迫る番組は、一流の選手がどのような生活をしているか知るいい機会でもある。二人でくっついてタブレットを見ながら、これやってみんけ、チームにも伝えんとな、などと話し合うのは、とても有意義な時間だった。
特に視聴者からのコメントを拾って答えてくれるコーナーで円の質問が拾われたのは嬉しかったことで、かの選手が中学時代にどんな風に時間を使って生活しトレーニングしていたか、中一の今聞けたのは今後参考になるだろう。
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MAIKING13話時点での解釈で書いた枚方ベアーズ戦終了後の話( https://poipiku.com/7684227/8573133.html)です。共通点もあるもののかなり別物になりました
綾の才能が強すぎて……。
信頼は表裏一体U12国内最後の練習試合は、点の動かなさとは裏腹に、各選手の心境に大きな影響を落とすものだった。
格上相手を当然のように抑えたエースピッチャーに対し、ある人は球威の凄さに圧倒され、ある人はそのコントロールの正確さに魅了され、またある人は安定した守備に魅了され。とにかく鮮烈だったのだ。綾瀬川次郎という才能は。
無邪気な笑みを湛えながらアウトを積み重ねていく様は、これまで巴円と雛桃吾が見ていた世界を、すべて過去のものにしてしまった。
一巡目をストレートだけで打ち取り、二順目は解禁した変化球を織り混ぜながら、打者を塁に出さずアウトだけを積み重ねていく。コントロールも精密で、捕る前に桃吾のミットが動くことはなく、打ちにくい低めに球が集められていた。
2856格上相手を当然のように抑えたエースピッチャーに対し、ある人は球威の凄さに圧倒され、ある人はそのコントロールの正確さに魅了され、またある人は安定した守備に魅了され。とにかく鮮烈だったのだ。綾瀬川次郎という才能は。
無邪気な笑みを湛えながらアウトを積み重ねていく様は、これまで巴円と雛桃吾が見ていた世界を、すべて過去のものにしてしまった。
一巡目をストレートだけで打ち取り、二順目は解禁した変化球を織り混ぜながら、打者を塁に出さずアウトだけを積み重ねていく。コントロールも精密で、捕る前に桃吾のミットが動くことはなく、打ちにくい低めに球が集められていた。
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MAIKINGhttps://poipiku.com/7684227/8580741.html と同軸の告白させてもらえなかった中学時代のお話お互い好きだけど、少しすれ違ってます。
10話更新直前にこれ考えてたので大変なことになりました助けてください。
中学時代の円桃練習が終わった後一緒に帰ろうというところで、桃吾に寄りたいところがあると伝えられた。言われた場所はそこで告白すると別れないと最近噂になっている場所で、それを円に伝える桃吾は見るからにそわそわワクワクしていた。
どうやら最近どこかで円の気持ちが桃吾にバレたらしいと、円はすぐに気がついた。
桃吾が円のことを好きなのは円本人にはとても分かりやすく、だから円は気づかれないように気をつけていたのだ。
片思いだと思っているうちは何も行動しなくとも、両想いだとはっきりしたら自分からさっさと行動に移す。雛桃吾はそういう存在だ。
移動中の桃吾は、すごく落ち着きがないのにキラキラきらめいて見えて、円の心を落ち着かせなくさせる。付き合いはじめたら、きっと楽しいだろう。それはとても魅力的な未来で、けれど円は自分の気持ちを桃吾に隠すのを決めた時に、綾瀬川に勝つまでは付き合わないと決めていた。
2070どうやら最近どこかで円の気持ちが桃吾にバレたらしいと、円はすぐに気がついた。
桃吾が円のことを好きなのは円本人にはとても分かりやすく、だから円は気づかれないように気をつけていたのだ。
片思いだと思っているうちは何も行動しなくとも、両想いだとはっきりしたら自分からさっさと行動に移す。雛桃吾はそういう存在だ。
移動中の桃吾は、すごく落ち着きがないのにキラキラきらめいて見えて、円の心を落ち着かせなくさせる。付き合いはじめたら、きっと楽しいだろう。それはとても魅力的な未来で、けれど円は自分の気持ちを桃吾に隠すのを決めた時に、綾瀬川に勝つまでは付き合わないと決めていた。
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MAIKING書きたいところだけ先に書いたもの可視光線の軸をたどって、最後の甲子園決勝が終わった後の円桃です
書いてないけれど、園大和が綾からホームラン3本打って金煌が勝った世界線
そういうことに言及するので、ワンクッションにしています 2903
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MOURNING話が進んで解釈変わる度に書き直される円桃。枚方シニア戦が終わったら完成します。たぶん。
5/13追記
13話で解釈が変わったので、この流れのままで書き換えるのはここで終了です
今後はこちらで→https://poipiku.com/7684227/8748586.html
枚方シニア戦の夜の円桃構えたところでピタリと静止し、そこに吸い込まれるかのように、豪速球が投げ込まれる。ミットにボールが納まる音だけが繰り返されて、U12と枚方ベアーズの試合は終了した。
格上相手を当然のことのように抑えたエースピッチャーに対し、ある人は球威の凄さに圧倒され、ある人は球種の豊富さに目を奪われ、またある人はそのコントロールの正確さに魅了されていた。
とにかく鮮烈だったのだ。綾瀬川次郎という才能は。
だから、綾瀬川の活躍の裏で当然のことのように行われていた異常なことに気づいたのは一握りのよく見ていた人だけで、円が気づいたのも桃吾と常日頃から組んでいて、彼のことをよく知っていたからだ。
枚方ベアーズ戦の桃吾のリードは、これまで円に対して行われたものより、ずっと厳しい要求がなされていた。ストライクギリギリの下半分に集められる投球は、打者にも打ちづらいが投手にだって投げにくい厳しいリードだ。
1982格上相手を当然のことのように抑えたエースピッチャーに対し、ある人は球威の凄さに圧倒され、ある人は球種の豊富さに目を奪われ、またある人はそのコントロールの正確さに魅了されていた。
とにかく鮮烈だったのだ。綾瀬川次郎という才能は。
だから、綾瀬川の活躍の裏で当然のことのように行われていた異常なことに気づいたのは一握りのよく見ていた人だけで、円が気づいたのも桃吾と常日頃から組んでいて、彼のことをよく知っていたからだ。
枚方ベアーズ戦の桃吾のリードは、これまで円に対して行われたものより、ずっと厳しい要求がなされていた。ストライクギリギリの下半分に集められる投球は、打者にも打ちづらいが投手にだって投げにくい厳しいリードだ。