Luli
DONE【ドルあんDデート SSまとめ】・2023.06.01〜30に開催した企画参加作品
└凪あん、零あん、トリスタあん&まこあん、奏あん、宗あん
・2023.07 Twitter相互さんのお誕生日祝いに捧げたもの
└レオあん『Heartful Music Journey』 32
Luli
MAIKINGTwitter企画『ドルあんず姫』の参加作品🎀西洋ファンタジーパロの宗あんです。
政略結婚させられることから始まる、小国の姫・あんずと大国の第二王子・宗によるお話。
いろいろとご都合主義なのでゆるっとご覧ください。
ふたりの出会いのシーンを書きました。続きも構想はあるので、投稿期間内に書き上げられたら頑張りたい……!
2023.02.01
リボンの姫と薔薇の君 いつかの時代、どこかの地に、自然と歴史が共存する美しく小さな王国がありました。
その国の王様とお后様の間にはお姫様がひとりだけいました。名を『あんず』といい、実に純真で愛らしい姫でした。
あんず姫は長い髪をリボンで結うのがお好きでしたので、両陛下は世界中からさまざまな色や模様のリボンを取り寄せては姫に贈りました。姫はこれを大層気に入り、とても大切にしていました。そのため城の者や国の民からは『リボンの姫』と呼ばれることもありました。
あんず姫は両陛下に愛情を注がれ健やかに成長していきましたが、両陛下が跡継ぎとなる男子に長らく恵まれなかったため、後継者として隣に位置する大国の王子を迎え入れ、姫と結婚させようという運びになりました。あんず姫はまだ結婚をするつもりはありませんでしたが、国の民と平和のため、そしてほかならぬ御両親のためとすんなり受け入れられました。
5653その国の王様とお后様の間にはお姫様がひとりだけいました。名を『あんず』といい、実に純真で愛らしい姫でした。
あんず姫は長い髪をリボンで結うのがお好きでしたので、両陛下は世界中からさまざまな色や模様のリボンを取り寄せては姫に贈りました。姫はこれを大層気に入り、とても大切にしていました。そのため城の者や国の民からは『リボンの姫』と呼ばれることもありました。
あんず姫は両陛下に愛情を注がれ健やかに成長していきましたが、両陛下が跡継ぎとなる男子に長らく恵まれなかったため、後継者として隣に位置する大国の王子を迎え入れ、姫と結婚させようという運びになりました。あんず姫はまだ結婚をするつもりはありませんでしたが、国の民と平和のため、そしてほかならぬ御両親のためとすんなり受け入れられました。
Luli
PROGRESSあんず島3で展示予定小説の冒頭。こんな感じで始まる宗あんちゃんの結婚の話を書きます! 頑張ります!
(表現は変更になる場合があります)
しんと静まり返る天高き陰の下。互いの呼吸まで聞こえてくる静寂はかすかな音でさえ逃さず吸収し、やがて消えてなくなる。等間隔でつるされるシャンデリアは、ともるささやかな明かりを火のようにちりちりと揺らめかせている。
厳かな空気がつつむ中、中央にまっすぐ敷かれた赤い絨毯の上をしずしずと奥へ進みゆくふたつの姿。腕を組んで歩くふたりはどちらも真白い衣装を身に纏い、片方はブーケを手にし、片方はジャケットの胸ポケットにブートニアを差している。それはともに淡いピンク色をした薔薇の花。
やがて歩みを止めたふたりを照らしだすは、四方の天井高くまでほどこされた見事なステンドグラスからそそぐ光。青や赤を基調としたそれは、何百年も昔に作られたとは思えないくらい繊細な作りをしている。聖書にちなんだイエス・キリストの物語を描く壮大な連作は、背から差しこむ天からの光を受け、あざやかな色を地上にもたらす。息を飲むほどに美しいその情景は『聖なる宝石箱』と呼ばれる所以にふさわしい。
993厳かな空気がつつむ中、中央にまっすぐ敷かれた赤い絨毯の上をしずしずと奥へ進みゆくふたつの姿。腕を組んで歩くふたりはどちらも真白い衣装を身に纏い、片方はブーケを手にし、片方はジャケットの胸ポケットにブートニアを差している。それはともに淡いピンク色をした薔薇の花。
やがて歩みを止めたふたりを照らしだすは、四方の天井高くまでほどこされた見事なステンドグラスからそそぐ光。青や赤を基調としたそれは、何百年も昔に作られたとは思えないくらい繊細な作りをしている。聖書にちなんだイエス・キリストの物語を描く壮大な連作は、背から差しこむ天からの光を受け、あざやかな色を地上にもたらす。息を飲むほどに美しいその情景は『聖なる宝石箱』と呼ばれる所以にふさわしい。
Luli
PROGRESS夏までに上げたい宗あん。宗さんのフィーチャーストの後日談を想像しました。
ずっと書きたかったので頑張ります。
※モブが出ます。めちゃくちゃ会話します。
※英語は訳に合わせてぐーぐる先生頼み
2022.04.21 追記更新
→完成しました! 完成品は支部にて
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18216395
(こちら表現を一部修正しています)
一度目にした瞬間から、その心はあっという間もなく容易に奪われた。
歴史の長さと精巧さを兼ねる建物が立ち並ぶ街が、雲の中を抜けて眼下に広がる。その中央にそびえ立つ塔──エッフェル塔がこの街のシンボル。古きよき伝統と、夢の未来への革新を同時に発信していく世界最先端の芸術の都・フランスのパリに、遥か遠く東の海の向こうから一機の旅客機が降り立った。
ひとあし地につければ、澄み渡る鮮やかな青天に迎えられ、初夏の乾いた風が爽やかに頬をかすめていく。おそるおそる踏み入る街は、視界に映るものすべてに興味を引かれるほど芸術美にあふれている。駅から始まり、通りに面する店の看板、ショーウィンドウ、街灯、アパルトマン、通りの反対側や少し遠くに見える美術館、公園、寺院、教会……。それらに施される装飾や彫刻に目を奪われ、心のシャッターが間に合わない。これほどの西洋文化を東の国で体感するのはなかなか難しい。この街全体がひとつの大きな美術館のようだ。想像していたのより規模の違いに圧倒される。
5801歴史の長さと精巧さを兼ねる建物が立ち並ぶ街が、雲の中を抜けて眼下に広がる。その中央にそびえ立つ塔──エッフェル塔がこの街のシンボル。古きよき伝統と、夢の未来への革新を同時に発信していく世界最先端の芸術の都・フランスのパリに、遥か遠く東の海の向こうから一機の旅客機が降り立った。
ひとあし地につければ、澄み渡る鮮やかな青天に迎えられ、初夏の乾いた風が爽やかに頬をかすめていく。おそるおそる踏み入る街は、視界に映るものすべてに興味を引かれるほど芸術美にあふれている。駅から始まり、通りに面する店の看板、ショーウィンドウ、街灯、アパルトマン、通りの反対側や少し遠くに見える美術館、公園、寺院、教会……。それらに施される装飾や彫刻に目を奪われ、心のシャッターが間に合わない。これほどの西洋文化を東の国で体感するのはなかなか難しい。この街全体がひとつの大きな美術館のようだ。想像していたのより規模の違いに圧倒される。
Luli
MAIKING『!』時空、卒業に向けての宗あんの話。季節ものなので春が来るまでは完成させます……!
(2022.2.12更新)
→完成しました! 完全版はこちら(支部にて)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17116922
(2022.3.2追記)
何事も始まりは突然で、終わりも突然。目まぐるしく過ぎてゆく時間の流れに置いていかれぬよう必死に追いかけていたら、その時はすでに目の前へと訪れていた。
「……嘘だ」
ぽつりとつぶやく声が、人の少ない放課後の職員室に雫の音を落とす。かろうじて動いた口以外微動だにできないほど、あんずは手渡された紙面から目を離せないまま呆然と立ち尽くした。
「おや、本人から聞いていないんですか? 彼は二年次から変わらず志望しているんですよ」
季節は秋も半ば、あんずが手にしているのは三年生が記入し提出した進路希望調査書。進路指導教諭である椚章臣に呼び出され、これを参考に彼らの卒業後を見据えたサポートおよびプロデュースを頼みたいとのことだった。
5891「……嘘だ」
ぽつりとつぶやく声が、人の少ない放課後の職員室に雫の音を落とす。かろうじて動いた口以外微動だにできないほど、あんずは手渡された紙面から目を離せないまま呆然と立ち尽くした。
「おや、本人から聞いていないんですか? 彼は二年次から変わらず志望しているんですよ」
季節は秋も半ば、あんずが手にしているのは三年生が記入し提出した進路希望調査書。進路指導教諭である椚章臣に呼び出され、これを参考に彼らの卒業後を見据えたサポートおよびプロデュースを頼みたいとのことだった。