suzugarinnrinn
DONEハンドクリーム無駄遣いすな ぜんぜんえちちではないです そういう話題なだけですハンドクリームハンドクリーム
ぷつ、と血液が指の股を通った。
小さい傷ほど、なかなか痛い。
「深くきれたね」
首元に、やわらかい息がかかった。
常闇は、声の主のもとへ、ゆっくりと振り向く。
「初めてだ」
痛そう。
ホークスは、そう呟いた。
そのなかに、いくらかのつまらなさを含んでいるのを、常闇は察する。突然の至近距離からの声に素直に反応しなくなったことを、歓迎してはいないようだ。
ああ何度も経験すれば誰だって、いやでも慣れると思うのだが。
「こういうのは…絆創膏か」
「はい、これ」
差し出されたそれを、常闇は礼とともに受け取った。急に声をかけられるのと同じように、出来すぎの三分クッキングも、いちいち驚いていては身が持たない。
「最近急に寒くなったからね」
3643ぷつ、と血液が指の股を通った。
小さい傷ほど、なかなか痛い。
「深くきれたね」
首元に、やわらかい息がかかった。
常闇は、声の主のもとへ、ゆっくりと振り向く。
「初めてだ」
痛そう。
ホークスは、そう呟いた。
そのなかに、いくらかのつまらなさを含んでいるのを、常闇は察する。突然の至近距離からの声に素直に反応しなくなったことを、歓迎してはいないようだ。
ああ何度も経験すれば誰だって、いやでも慣れると思うのだが。
「こういうのは…絆創膏か」
「はい、これ」
差し出されたそれを、常闇は礼とともに受け取った。急に声をかけられるのと同じように、出来すぎの三分クッキングも、いちいち驚いていては身が持たない。
「最近急に寒くなったからね」
g_arowana
DOODLE最近鳥師弟の呑気なのを書きすぎなので、これまでちゃんと仕上げる動機に欠けました(それはそれとして上げる)「寝顔の観察って、あんまイイ趣味じゃないと思うけどなぁ」
開いた片目を常闇に向けて、ホークスは寝ぼけ声でぼやいた。常闇は、お早うございます、と一夜を共にした相手に会釈する。
「ご不快だっただろうか」
「君じゃなけりゃね」
ふあぁ、と欠伸をして、ホークスは常闇に向けてゴロリと寝返りを打った。
「縁、というものについて考えていた」
「んー?」
この気配に敏い人が、寝顔を許してくれる幸福について。
こうして一緒に朝を迎える度に、常闇は打たれるような心地を得る。その感動を当たり前とすることもまた、幸福と呼ばれるのかもしれないが。
「俺の幸福なるものの全ては、あなたと共にあるものだった、と。……それが偶然の上にあるのだから、人生というヤツは面白い」
330開いた片目を常闇に向けて、ホークスは寝ぼけ声でぼやいた。常闇は、お早うございます、と一夜を共にした相手に会釈する。
「ご不快だっただろうか」
「君じゃなけりゃね」
ふあぁ、と欠伸をして、ホークスは常闇に向けてゴロリと寝返りを打った。
「縁、というものについて考えていた」
「んー?」
この気配に敏い人が、寝顔を許してくれる幸福について。
こうして一緒に朝を迎える度に、常闇は打たれるような心地を得る。その感動を当たり前とすることもまた、幸福と呼ばれるのかもしれないが。
「俺の幸福なるものの全ては、あなたと共にあるものだった、と。……それが偶然の上にあるのだから、人生というヤツは面白い」
g_arowana
DONE常ホの弟子と緑谷青年。常ホが一緒に住んで数年後。キャラ的にはwithout〜の世界線なんですが、出来事は最近の本誌展開に準拠してるのでちょっと世界線が謎です。
元雄英のメンバーが数名、偶然集まれるとなって、現地に最初に辿り着いたのは常闇だった。
居酒屋の個室で携帯をいじっていると、入り口からヒョイと見知った顔が覗いてくる。
「あれ、みんなまだ?」
「お前が二番乗りだ。案件は大禍なかったようだな、緑谷」
手元の携帯を伏せようとして、常闇は少々逡巡した。周りによく気を配る友人は「途中だったら、気にしないで続けてね」と声をかけてくる。
「……いや、ただの下調べだ。買い物のな。どの道、今すぐ決まるものではない」
「へぇ、なんか大物?」
「寝台だ。とりあえず大きなものがいい。……いやもうこの際、大きければ大きいほどいい」
ぼやく常闇に、緑谷の首がやや傾いだ。眉間あたりに困惑を湛えた悩み顔は「現代版考える人」として後世に残したいような趣がある。
1680居酒屋の個室で携帯をいじっていると、入り口からヒョイと見知った顔が覗いてくる。
「あれ、みんなまだ?」
「お前が二番乗りだ。案件は大禍なかったようだな、緑谷」
手元の携帯を伏せようとして、常闇は少々逡巡した。周りによく気を配る友人は「途中だったら、気にしないで続けてね」と声をかけてくる。
「……いや、ただの下調べだ。買い物のな。どの道、今すぐ決まるものではない」
「へぇ、なんか大物?」
「寝台だ。とりあえず大きなものがいい。……いやもうこの際、大きければ大きいほどいい」
ぼやく常闇に、緑谷の首がやや傾いだ。眉間あたりに困惑を湛えた悩み顔は「現代版考える人」として後世に残したいような趣がある。
g_arowana
DONE常ホ本Without Regrets収録 「Night Drop」の1、2年後? くらいの一幕。上記をご存じない方向けにご説明しますと、常ホが出来上がりました。
……ひと言ですんだな? 944
g_arowana
DONE鳥の弟子が師匠を甘やかします。Without Regretsの世界線。Pardon? から一週間で引っ越してその翌月なので、たぶん常闇青年21歳4月の出来事です。
夜警を終えて師のマンション(もとい、先月からは彼の自宅でもあるのだが)に帰った常闇は、リビングの灯りに目を丸くした。
体が資本の稼業、休めるときに休むのは義務のようなもので、シフトの異なる相手を待って睡眠時間を削ることはお互いしない。実際、向こうも常闇を待っていたわけではないだろう。グラスを片手にホークスは、視線をぼんやり前に投げたままひらりと手を振った。
「お疲れ」
「そちらも。……珍しいこともあるな」
「ん-。ごっめん、ちょっと放っといてくれると助かる」
いつも通りの軽々しい口調に、ひりついた響きが微かに滲む。ふむ、と常闇は逡巡した。
さして問題だと思ったわけではない。この人の、回転数の規格の狂った思考回路に無理矢理足踏みをさせようとなったら、化学物質で物理的に止めるくらいしか手がないのは承知している。「どうせ気分が腐って休めないのだから、徹夜で仕事を片付ければ一石二鳥」などと言われるより余程安心だという話だ。酒精で体をいためるほど自分を甘やかすことなど、良くも悪くもできない人なのだから。
1096体が資本の稼業、休めるときに休むのは義務のようなもので、シフトの異なる相手を待って睡眠時間を削ることはお互いしない。実際、向こうも常闇を待っていたわけではないだろう。グラスを片手にホークスは、視線をぼんやり前に投げたままひらりと手を振った。
「お疲れ」
「そちらも。……珍しいこともあるな」
「ん-。ごっめん、ちょっと放っといてくれると助かる」
いつも通りの軽々しい口調に、ひりついた響きが微かに滲む。ふむ、と常闇は逡巡した。
さして問題だと思ったわけではない。この人の、回転数の規格の狂った思考回路に無理矢理足踏みをさせようとなったら、化学物質で物理的に止めるくらいしか手がないのは承知している。「どうせ気分が腐って休めないのだから、徹夜で仕事を片付ければ一石二鳥」などと言われるより余程安心だという話だ。酒精で体をいためるほど自分を甘やかすことなど、良くも悪くもできない人なのだから。