ltochiri
DONE #星とあんずの幻想曲2fine×あんず『英智デー』プチオンリー「あんずの休日」展示作品です
花火のように※渉あんです!
スケジュールの都合で、今回の『英智デー』は夜の八時から開始される。あんずが衣装の材料を見るために市外へ出ているためだった。
日がずいぶん長くなったので、夜の七時でもまだ少し明るい。渉は一足先に会場へ到着していた。
「少し早かったみたいですねぇ……けれど準備をしていればみなさんいらっしゃるでしょう」
そうひとりごちると、持ってきた荷物をベンチに置いた。そして青いバケツを手に、水道の通っているところへ向かって歩いていく。おそらく台車はなくても大丈夫な距離だ。
蛇口を捻ろうとした時、向かってくる人影があった。その人影が、今日のスケジュールを夜にした張本人であることに気づいた渉は、彼女を盛大に出迎えた。
2157スケジュールの都合で、今回の『英智デー』は夜の八時から開始される。あんずが衣装の材料を見るために市外へ出ているためだった。
日がずいぶん長くなったので、夜の七時でもまだ少し明るい。渉は一足先に会場へ到着していた。
「少し早かったみたいですねぇ……けれど準備をしていればみなさんいらっしゃるでしょう」
そうひとりごちると、持ってきた荷物をベンチに置いた。そして青いバケツを手に、水道の通っているところへ向かって歩いていく。おそらく台車はなくても大丈夫な距離だ。
蛇口を捻ろうとした時、向かってくる人影があった。その人影が、今日のスケジュールを夜にした張本人であることに気づいた渉は、彼女を盛大に出迎えた。
ltochiri
DONE #星とあんずの幻想曲2fine×あんず『英智デー』プチオンリー「あんずの休日」展示作品です
※遅くなってしまってすみません!
神様のいうとおり※桃あんです!
今日はいちだんと暑い日だった。遅れて『英智デー』に合流したあんずは、パラソルの下で涼んでいる英智に挨拶をする。
「お疲れさまです!」
「やあ、あんずちゃん。来て早々で悪いのだけど、見てごらん。桃李が懸命に作っているよ」
「あれって……」
英智の指さした先に、かき氷機があった。レトロな手回し式で、今どきお店でしかお目にかかれないものだ。削っている氷も、氷屋さんが作っているような、四角くて透明度の高いものだった。
「かき氷ですね! なんでまた」
「冷夏の影響で氷が余りそうだっていう話を聞いたから、買い取ってきたんだ」
英智の背後を見ると、製氷された氷が入っているらしい業務用冷蔵庫が鎮座していた。いったいこんな大きなもの、電源はどこからもってきているのだろう。あんずは思わず苦笑した。
1965今日はいちだんと暑い日だった。遅れて『英智デー』に合流したあんずは、パラソルの下で涼んでいる英智に挨拶をする。
「お疲れさまです!」
「やあ、あんずちゃん。来て早々で悪いのだけど、見てごらん。桃李が懸命に作っているよ」
「あれって……」
英智の指さした先に、かき氷機があった。レトロな手回し式で、今どきお店でしかお目にかかれないものだ。削っている氷も、氷屋さんが作っているような、四角くて透明度の高いものだった。
「かき氷ですね! なんでまた」
「冷夏の影響で氷が余りそうだっていう話を聞いたから、買い取ってきたんだ」
英智の背後を見ると、製氷された氷が入っているらしい業務用冷蔵庫が鎮座していた。いったいこんな大きなもの、電源はどこからもってきているのだろう。あんずは思わず苦笑した。
ltochiri
DONE #星とあんずの幻想曲2fine×あんず『英智デー』プチオンリー「あんずの休日」展示作品です
※遅くなってしまい、すみません!
キューピッドの恋煩い※弓+あん+英のつもりですがfineあん足し算かもしれません
初夏の夕暮れに、とある催しが行われていた。
その名も『英智デー』。
多忙を極める天祥院英智を休ませるために考案された、憩いの時間である。
メンバーはfineの渉、桃李、弓弦、そしてプロデューサーであるあんずの5人だった。
彼女が加わる理由として、同じく多忙であるあんずも休ませる必要があった。けれどそれだけでなく、そんな風に彼女も休暇をとっているのだから、見習って英智にも休むように、と、言い聞かせることができるのだ。
『英智デー』は、ともに家族のように過ごそう、というのがコンセプトで、毎回の内容はとくに定まっていない。
紅茶を飲む時もあれば、読書をする時もある。
6833初夏の夕暮れに、とある催しが行われていた。
その名も『英智デー』。
多忙を極める天祥院英智を休ませるために考案された、憩いの時間である。
メンバーはfineの渉、桃李、弓弦、そしてプロデューサーであるあんずの5人だった。
彼女が加わる理由として、同じく多忙であるあんずも休ませる必要があった。けれどそれだけでなく、そんな風に彼女も休暇をとっているのだから、見習って英智にも休むように、と、言い聞かせることができるのだ。
『英智デー』は、ともに家族のように過ごそう、というのがコンセプトで、毎回の内容はとくに定まっていない。
紅茶を飲む時もあれば、読書をする時もある。
ltochiri
INFO2021年12月25〜26日 #星とあんずの幻想曲2A島き1【米の丘】にて斑あん小説本頒布開始します。
これは特別の『好き』を胸に抱いた、戦いだ。
文庫サイズ 112ページ 帯付き 通頒価格600円
斑とあんずのほか、こはく、千秋、奏汰、紅郎、椚先生、Ra*bits、英智が登場します。
シリアス傾向です。何でも許せる方向け。よろしくお願いします。
恋する乙女は無敵です!【サンプル】 1 たとえ届かぬ想いでも
話し合いの場に、三毛縞斑が現れることはなかった。
約束の時間は、とうに過ぎている。残念だが、予想されたことだ、と、公園の木の下であんずはため息を吐いた。
ここ最近、彼は仕事の打ち合わせにも来ないことがあった。一対一の話し合いなど、ますます来ないだろうと思う。
それでも、もう少しだけ待つつもりだった。
来る気配がない彼のことを思い浮かべながら、あんずはスマホの時計表示をオフにして、そして辺りを見た。待ち合わせ場所である公園に到着した時と比べて、人の数は少なくなっていた。
あんずが立っている木の正面には砂場があり、子どもたちが遊んだあとがある。現に、先ほどまでそこには子どもたちが数人いたはずだ。
11140話し合いの場に、三毛縞斑が現れることはなかった。
約束の時間は、とうに過ぎている。残念だが、予想されたことだ、と、公園の木の下であんずはため息を吐いた。
ここ最近、彼は仕事の打ち合わせにも来ないことがあった。一対一の話し合いなど、ますます来ないだろうと思う。
それでも、もう少しだけ待つつもりだった。
来る気配がない彼のことを思い浮かべながら、あんずはスマホの時計表示をオフにして、そして辺りを見た。待ち合わせ場所である公園に到着した時と比べて、人の数は少なくなっていた。
あんずが立っている木の正面には砂場があり、子どもたちが遊んだあとがある。現に、先ほどまでそこには子どもたちが数人いたはずだ。
ltochiri
INFO2021年12月25〜26日 #星とあんずの幻想曲2 にて頒布開始予定の、ドルあんジューンブライドアンソロジー「君と手をつないで」に寄稿しました作品より、担当しました英あん小説のサンプルを公開します。
テーマは、結婚式・白タキシードです。
告知アカウントにて詳細ご確認ください→@IdolxAnzu_bride
【サンプル】幸せの息吹 早いと言われることは、予想していた。あんずも内心、まだ早いかも、と、そう思っていたから。ならばなおのこと、他人からそのように指摘されても、おかしくない出来事だったと思う。
「う〜ん。これじゃない……」
事務所の一角にあるデスクの前で、あんずは頭を悩ませていた。デスク上には複数の雑誌がところ狭しと並べられている。
それらの雑誌には共通点があった。表紙を飾っているモデルはみな、ウエディングドレスを着ていた。それぞれブーケを持ったり、踊るようにしたりしてポーズを決め、花びらのように幾重にも広がる純白に身を包みながら、幸せそうに笑っていた。
それはいわゆる結婚情報誌と呼ばれるものだった。さまざまな結婚式の形を紹介する誌面には、主役のひとりである花嫁のため、役立つ情報が載せられている。
3160「う〜ん。これじゃない……」
事務所の一角にあるデスクの前で、あんずは頭を悩ませていた。デスク上には複数の雑誌がところ狭しと並べられている。
それらの雑誌には共通点があった。表紙を飾っているモデルはみな、ウエディングドレスを着ていた。それぞれブーケを持ったり、踊るようにしたりしてポーズを決め、花びらのように幾重にも広がる純白に身を包みながら、幸せそうに笑っていた。
それはいわゆる結婚情報誌と呼ばれるものだった。さまざまな結婚式の形を紹介する誌面には、主役のひとりである花嫁のため、役立つ情報が載せられている。