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    #めぐゆじ

    landOfOnesBirth

    mori

    MAIKINGめぐゆじになるものを書きかけのまま発見されたので…
    当時と今じゃちょっと解釈違う気がする
    無辜 人間性に絶望してはならない。我々は人間なのだからと、かのアインシュタインは言った。だがどうして、人間というものはこんなにも愚かなのかとつくづく思うのだ。
     人間の醜悪さは何度も目にしてきた。もちろん伏黒は自身を清廉潔白だとは微塵も思っていない。だとしても呪いを生み出すのは他でもない人間だ。人間が生み出したものを人の手で祓う。つまるところ最初から破綻している。
     破綻はしているが、祓わなければ呪われる。害を成すものだ。呪いを受けることが因果応報の人間もいれば、中には理不尽に呪われて人生を捻じ曲げられて悲惨な運命を辿るものもいる。

     伏黒恵はどちらかと言えば人間が好きなほうではない。
     周りにいた大人はろくでもないのばかりだったし、それでもまだ力を持たぬ子どもがクソみたいな世の中で生きていくためにはそのろくでなしたちの思惑通りになるしかなかった。そんな折にデリカシーも常識のかけらも感じさせない白髪の男、五条悟が現れた。五条は禅院家のことを帳消しにしてくれた。だがそううまい話があるわけがない。将来伏黒が呪術師として働くことを担保として金銭面の援助をしてくれることになった。馬鹿馬鹿しい。どいつもこいつも反吐が出る。当初はそう思っていた。
    1968

    ぽえうぉ

    MAIKINGめぐゆじのめっちゃ暗ェ話の思いついたとこだけ。肉付けは気が向いたらするかも知れないしもう二度と書かないかも知れないしみたいな何かです。
    物理的には死んでないけど心がめちゃ死んでいます。
    220816追記
    釈迦曼荼羅阿修羅生れ生れ生れ生れて
    生の始めに暗く
    死に死に死に死んで
    死の終りに冥し

            ―――空海「秘蔵宝論」


    第一異生羝羊心の章

    序.

     虎杖悠仁は五月に眠った。
     以来、目を覚まさない。もう、三か月も前のことだ。

     過日。その記憶。思い出話とするにはあまりにも「過去」に満たない。ゆえに、伏黒恵は苦悩している。三か月という時間は月日だろうか、単なる時間の連続性を証明する尺度に過ぎないだろうか。あれを「過去」と呼ぶにはまだあまりにも肌の感覚が生々しいのに、だが昨日のようと言うには、心がはるか昔を彷徨いすぎている。いずれにしろ、伏黒恵は言う。それを認めるなと言う。過去にするなと言う。してはならないと言う。
     伏黒恵は虎杖悠仁と最後に話した日のことを思い出し、そして思い出すたび、「思い出す」という行為そのものの不可逆性、自らの心に知らず知らずのうちに巣食った、緻密な網の目のような「美しい記憶」の、その取り返しようのなさに絶望する。
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