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    #渉英

    s.e.

    Sion

    DONE紅茶部と渉

    「飽きたら捨てますよ」を(英智が)飽きたら捨てますよ、だと思って書いてます。
    画像だと枚数多くなっちゃったのでこっちにも
    ガーデンテラスに現れた英智は真っ青だった。
     普段から決して血色が良いとは言えないけれど、陶器のような肌は血の気が失せてしまって蝋人形のよう。いつも優し気に細められている瞳は虚ろで、ガラス張りの扉に寄りかかってようやく立っているような様子だった。
     「! 危ないっ」
     ついにぐらりと傾いた英智を凛月が抱き留めた。凛月の腕の中でぐったりとした英智の表情は前髪の陰になっていて伺えない。咄嗟の出来事に創は口を覆うばかりで動くことができなかった。


     「は~くん、毛布持ってこられる?」
     呆然と立ち尽くす創に凛月が優しく呼びかけた。見れば英智は凛月が愛用しているカウチに横たわっている、凛月が運んだようだった。
     「は、はいっ」
     カップや茶葉の缶がしまってあるマホガニーの棚の一番下の段を急いで開け、クリーム色の毛布を取り出すと英智の上にそっとかけた。長い前髪をはらうと少しだけ顔色が戻っていてほっとする。貧血だったのだろうか。でもそれなら佐賀美先生を呼んでこなくては、だって保健室まで英智を運べる部員は紅茶部にはいない。でも、それならどうしてテラスに?体調不良で欠席することは珍しくないし、そん 4900

    しおん

    MAIKINGシネマスターとスパイの渉英〜〜〜の進捗(終わるのか?)かつん、かつんと踵を鳴らしながら一人の男が廊下を進んでいる。
    高い天井と長さも相まって音は反響し、廊下の奥から帰ってきた音は男の耳を楽しませた。
    男に同調するように歩く度にホルスターのベルトも音を鳴らす。恐らくベルトが緩んでしまっているのだろう。通常時なら直ぐに直すところだが、自身を追いかけるように鳴るベルトに気分がいい。男はベルトをそのままに、より複雑な音を鳴らしながら廊下を進んでいく。

    質の良い絨毯の端、大理石が剥き出しになっている部分をこうして歩くのは、この広い屋敷を探してもこの男しか居ないだろう。そもそも、ただの廊下をさながらブロードウェイの大舞台の上のようにステップを踏みながら歩く人間はこの広い街でもなかなかいないかもしれない。
    度々男の上司や同僚には落ち着きを持つようにと呆れられていたが、元来じっとしていられない質のためまともに聞き入れたことは未だなかった。


    時折絨毯の上へ舞い降りたり、気まぐれにターンをしてみたりしながら廊下を移動─いや、もはやショウを行っていた男だが、廊下の終着にたどり着きついにショウはフィナーレを迎えた。
    ガラス張りの廊下を抜けて、 899