そこには愛しかないですね【オル相】「……お前、恋人のプレゼントにいくらまで出せる」
マイクが耳馴染みのない密やかな声の質問に横を向けば、そこに座っていた親友の苦虫を噛み潰したような表情が目に入った。
恋人のプレゼントってそんな顔で選ぶもんじゃなくない?と返しかけたところで親友の苦悩の原因に気が付く。
「そうだなあ。何を欲しがってるかにもよるけどじゅうま……ん〜。時と場合によるな!」
幸いにもマイクはそんな高価なものをねだられた経験はないが、季節は冬でクリスマスの一連の流れを思い浮かべればプレゼントにディナーにホテル……と自分の想定の額を指折り加算してみた。一本ずつ折られていく様を見ていた相澤の顔がますます歪んで、マイクは途中で指を解いて白紙に戻すために手を振る。
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