とちゅうのやつとある星があった。
星中に白い花が咲いている花畑。それはかつて滅んだ時代に咲いた花。花々が咲き乱れる星に一つの大きな城がある。
それは、かつての抗いの結果であり、封印の結果であり、現在は、
「松岡、おかえり!」
「ただいま帰りました。島田君」
数人だけが住む場所となっていた。
城に松岡譲が帰ってくると、彼を出迎えたのは左目が赤く、右目が青い少年だった。島田清次郎という。
彼は文庫本を手に持っていた。この城に住んでいるのは松岡と清次郎とあと一人だけだ。
『どうだった?』
少女のような、女性のような声だけがした。この城の主である。出てこないのは出たくないからか、それとも力を使っているからか、
松岡の恩人でもある彼女は松岡に用事を頼んで送り出し、松岡は用事を終えて帰ってきた。
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