Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    星奈ありす

    @Alice_hoshi7

    FE風花雪月/クロヒル💛🩷

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💛 💗
    POIPOI 48

    星奈ありす

    ☆quiet follow

    ヒルダちゃんがクロードに告白する話(後編)

    #クロヒル
    blackHill
    #HilClaude
    ##クロヒル
    ##漫画

    Tap to full screen (size:1756x2479).Repost is prohibited

    related works

    recommended works

    111strokes111

    MAIKING何話か進めばクロヒルかつロレマリになる予定です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    1.C-(side:L) ガルグ=マクにはフォドラ中の者が集まる。出身地別に学級は分かれるがそれでも一年間身分に関係なく共に同じ学び舎で学ぶ。礼服に身を包んだローレンツは級長になれなかったことで落胆していた。ただあの胡散臭いクロード=フォン=リーガンを見極める機会は得られたし生涯の伴侶をガルグ=マクで見つけることができるかもしれない。士官学校で見つけられなければ見合いをするようにと言われている。結婚した後で妻を愛せるようになるのだろうと思っていてもローレンツは最初から親を頼るのは嫌だった。

     職員の指示に従い壮麗な聖堂での長い式典の後それぞれの教室で待機することになった。こうして改めて学友たちを眺めてみると金鹿の学級は他の学級と比べて平民の学生の割合が多く逆にグロスタール家の嫡子であるローレンツが気を使わねばならないような名家の出の者は少ない。ゴネリル家、エドマンド家、コーデリア家のご令嬢くらいだろうか。ローレンツは彼女たちとは初対面だが失礼のないように名前と髪の色、瞳の色は先に覚えておいた。
    2049

    111strokes111

    MAIKING何話か進めばクロヒルかつロレマリになる予定です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    4.C(side:H) マリアンヌの鉄筆をすぐに拾ってやれたことからも分かる通りローレンツは気になることがあるとつい目で追ってしまう癖があるようだ。そして自分が見られていることには無頓着らしい。断りきれずに食事を共にした女子学生はさぞ居心地が悪かっただろう、とヒルダは思う。

    「マリアンヌちゃん、何か困っていることはない?」

     先日、マリアンヌに書庫整理の手伝いをしてもらった結果全て自分で作業をする羽目になったヒルダは本格的に彼女が心配になった。マリアンヌには何か根本的な欠落がある。

    「特にないつもりです……」

     養父であるエドマンド辺境伯はマリアンヌとの関係を良好たしたいと考えているのだろう。こまめに手紙や差し入れが届く。だがローレンツから託された手紙をヒルダが渡した時マリアンヌは戸惑っていた。きっと理由を聞いても教えてくれないのだろう。無駄なことはしないに限る。身内になれない他人が踏み込むべきではない領域があるのだ。そう思ってヒルダがマリアンヌに対して引いていた線を数日前、ローレンツはあっさり越えた。
    2090

    111strokes111

    MAIKINGリーガン公の葬儀後てんでばらばらに過ごしていた時期〜アリルの話なのでCP要素は薄いですが続きではあるのでタグはそのまま付けてあります。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    13.A-(side:L) 冬のオグマ山脈の寒さは皆の身体を痛めつけたが修道士の資格を持つマリアンヌとメルセデスの活躍により誰も手足の指を失うことなく帰郷することが出来た。魔道学院に続き士官学校も最後まで通うことが叶わなかったローレンツは暖炉の火に照らされながらグロスタール家が各地方に放っている密偵からの報告書を読んでいる。どうやらファーガスで政変が起きたらしい。ディミトリが亡くなった、逃亡した、と情報がかなり錯綜している。共に冬山を踏破したファーガス出身の者たちのことを思うとローレンツは心が痛んだ。皆ディミトリ王に仕える日を楽しみにしていたのだ。

     ローレンツの掌に円形の魔法陣が浮かぶ。暖炉で燃やせば燃えさしが残る可能性がある。読み終わった報告書を暖炉ではなく掌の上で完全に灰になるまで燃やした。紙は貴重だが仕方ない。近々また円卓会議が開かれる。その際にグロスタール家が本当はどこまで事態を把握しているのか気取られてはならない。ローレンツは幼い子供の頃から物覚えを父から試されながら育っていた。すれ違った者の服装やちらりと見せられた紙に書いてある文章などをよく見て覚えておく遊びだと思っていたが自然と訓練されていたらしい。そんなこともあり灰となった報告書の中身はローレンツの脳内に残っている。ある密偵は従者が命懸けでディミトリを逃したと報告したが他の密偵はディミトリは処断されたと報告した。
    9307

    111strokes111

    MAIKINGクロヒルとロレマリ、ミルディンからグロンダーズまでです。書くことが……書くことが多い……。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    14. A-(side:H) ガルグ=マクからミルディン大橋へ行くにはグロスタール領を通過せねばならない。領内を通過するにあたって父親と戦いたくないローレンツは近頃ため息ばかりついている。

    「ねえクロードくん、本当にローレンツくんのおうちのこと大丈夫なの?」

     育てている薬草の様子を見るため温室にやってきたクロードにヒルダは話しかけた。一応見合いした仲ではあるし親友の好きな人でもある。酷い目にあってほしくない。

    「もう手配は済ませたからグロスタール伯は領地の北側に兵を集中せざるを得ない。俺たちの通り道はがら空きの予定だ」

     近頃は詳細が分からず不安に苛まれているローレンツをマリアンヌが心配そうに見ていた。瓦礫だらけの聖堂で祈りを捧げる時も食事の時も傍にいる。だが彼女は無言で何もローレンツに語りかけない。マリアンヌが口籠るのは何を言うべきか分からないから、ではなく何を言うべきではないのか分からないから、ということをヒルダは知っている。彼女の中には沢山の言葉が詰まっているのだ。
    9288

    111strokes111

    MAIKINGほぼロレマリしかないのですがマリアンヌ外伝とネメシス戦の辺りです。

     書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    17.anecdote(side:L) 修道院が帝国軍に襲撃された際にローレンツも白きものを目撃した。セイロス教の瑞獣は自らの意志で人間の形を保つが人間は時と場合によって人間の形を保てなくなる。コナン塔でもルミール村でも目撃したし幾度となく撃退した帝国の魔獣のことを考えると流石にローレンツと言えども精神が揺らぐ。ローレンツはマリアンヌから借りた本を手に取った。この本は修道院の書庫にもかつて置いてあったようだが二十年ほど前の大火で失われている。借りたものはかなり古びているのでおそらく元の持ち主はエドマンド辺境伯なのだろう。この詩篇の解説書は実に興味深く感銘を受けた部分はこっそり詩を綴っている帳面に書き留めてしまったほどだ。

     貴重な本を貸してくれた礼としてお茶に誘うとマリアンヌはローレンツのために時間を作ってくれた。領地から取り寄せた焼き菓子や茶葉のうちマリアンヌが好きそうなものを考えるだけでもローレンツは楽しくなってしまう。近頃、彼女は何だか塞ぎがちなので気晴らしになってくれたらと思った。
    6923

    111strokes111

    MAIKINGクロヒル&ロレマリの話、クロヒル後日談の話です。クロヒルパートはこれでおしまい。この話も残り1話です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    18.sequel:C&H ヒルダはパルミラ王国の公文書に独自の視点を持った剃刀のように鋭い王妃であった、と記されている。

    「クロードくん、どうやって帰るの?」

     クロードは新生軍の中でヒルダにだけは真の身分を告げていた。ガルグ=マクから母国パルミラに帰るにはアミッド大河沿いに東へ進むか北上しデアドラ港もしくはエドマンド港から船で東に向かう二つの道がある。デアドラに戻ってしまえばクロードはナデル以外の家臣たちに囲まれて船に乗るのも一苦労だしエドマンド港に行けば辺境伯の耳に入ってしまう。

    「飛竜かな」

     明日、大司教代理であるベレトの名において新生軍の解散とフォドラの統一それと首都がデアドラであることが宣言される。ようやく帰郷できることもあり皆、浮き足立っていた。残務処理があるのでと言ってベレトとリーガン領から連れてきた兵たちを先にデアドラへ送り出し上空警備が緩やかになったら誰にも告げずそっと単騎で出発するつもりでいる。
    4454