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    あまみ

    忘バ/圭藤(智将含む)
    今のところアニメ進行
    女体化がすきです

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    あまみ

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    圭藤
    葵ちゃんお誕生日おめでとうのやつです

    #圭藤

    圭藤午前0時まで、起きている。
    妹をはやばやと寝かしつけ、姉を叩くように寝室へ押しやり、サンタにゴマを擦るように布団に潜りこんで数時間。
    午前0時まで、起きている。
    スマホを開き、やることもないのでそのまま伏せ、寝返りをうち、やっぱり元の体勢に戻り、またスマホを眺める。
    今日も練習だったから、体はどんどん沈んでく。
    今日も練習だったから、いつもより五倍増しで顔面を溶かした君にも会えて、
    今日も練習だったから、『葵っち明日いっしょに帰ろうね』って見え透いたたくらみにも気づいてしまった。
    午前0時まで、起きている。
    勝手に要の泳ぐ瞳に期待して、勝手に“おやすみ“のスタンプがこないことに胸をふくらませ、勝手に『葵っち』というやわらかな声を思い出しながら。


    知らんぷりすればするほどデジタル時計と目が合って、とうとう一分前まできてしまった。
    いやいやいや、とおあずけするみたいに距離を取る。いっそのこと、とここであえて目を瞑る。
    我慢なんてできっこねえよ。
    スポットライトに照らされたみたいにぴかーっとまぶたの外が輝いて、かじりつくようにスマートフォンのロックを外した。

    きっとさぞテンションの高い『お誕生日おめでとう!!!!!』が飛び込んでくるものと予想していたのに、送られてきたのはなにやら暗い画像だった。
    室内、それも天井だろうか。電気を消した部屋の中の、特に何でもない部分が写っている。ホラー映画のワンシーンみたいで、ぶっちゃけちょっと気味悪い。
    え?これ、要からきたんだよな?なんて送信先を確認していたものだから、その恐怖画像が動画であることに、俺はしばらく気づかなかった。
    「えっ?あっ、ああ、」
    なんてひとりでぶつくさ呟きながら、なんとなく恐る恐る再生する。

    天井だった画角は、ぐらぐらとすぐにインカメへ。
    相変わらず真っ暗な部屋の中で、ブルーライトに照らされた男の顔がヌッと映る。

    要だ。
    妙に真面目な面持ちで、まっすぐカメラを見つめてる。

    マジで怪談話でも始まりそうな様相に固唾を飲んで見守っていると、
    『……葵っち、お誕生日おめでとう』
    そのまま、世にも小さなハッピーバースデーが響く。
    「えっ!?なんだって!?」、己のツッコミのほうがデカいくらいだ。やべ、夜夜、と口もとを覆いながら、ぽこんと続く通知へ目をやる。


    動画みた?

    見たよ
    なんでヒソヒソ声なんだよ

    夜だから、おっきい声出せなくて

    せめて電気つけろよ

    ギリギリで思いついて、時間なくて

    ギリギリすぎだろ
    準備しとけよ
    でも、ありがとう

    (知らねえキャラのスタンプ)
    ねえあおいっち



    あおいっち、明日帰りコンビニ寄ろ

    おう

    あ、今日か
    ケーキあるかなー
    シュークリームでもいいよ
    アイスでも

    食いすぎ
    全部要のおごりだよな

    (!?ってスタンプ)
    (やれやれ感あるスタンプ)
    あおいっち誕生日だもんね!


    誕生日じゃなくてもいつでも大歓迎なんだけど、と指先を滑らせて、ふ、と自然に笑ってしまった。ここではないどこかにいる君のリアクションが、手を伸ばせば抱きしめられそうなくらい、ありありと浮かんでしまったのだ。
    午前0時まで、起きている。
    もうとっくの昔に寝息を立てている時間だから、お互い“電話する?“とは言い出さないまま。
    午前0時まで、起きている。
    明日も、明後日も、振り返れば今日も昨日もいっしょにいた君と、まだまだ離れることを惜しむように。


    ***


    「おはよう、藤堂」
    出会った瞬間、全細胞がフリーズしてしまったのはいたしかたない。
    きっとさぞテンションの高い『葵っちおはよお!!!!!』が降り注いでくるものとグラウンドに踏み入れたのに、向けられたのはずいぶん冷静なまなざしだった。
    「え、ち、智将?要は?」とあからさまにうろたえる俺にもなんのその、「大丈夫だ、すぐ起こすから」、“要圭“は、ふふ、とニヤリと笑んでみせる。サプライズ大成功、その反応を待っていました、はいはい目論見通りです、そんなフレーズが飛来するような表情で。

    「藤堂、主人はしっかりケーキで誕生日を祝いたいらしい。シュークリームとかアイスとか並べていたが、ケーキがあったらそれとなく誘導してやってくれ」
    「お、おお、」
    「それと、コンビニスイーツの他にも、ちゃんとプレゼントを用意しているから。大げさなくらいよろこんでやってくれよ、結構がんばって作っていたからな」
    「お、おお…………、作ってた?」
    「動画だよ、ショート動画。主人、いろいろ撮って残してるだろ?お前の写真、楽しそうに選んでたぞ」
    「お、おお、もう全部智将がバラすじゃん……」

    心からの感嘆は、ふふ、とまた含みのある笑みに受け流される。なんなんだよ、リアクションのハードル上がるだろ。こちらの反論は許さないまま、む、と彼は押し黙る。
    「あ、葵っちおはよお〜」
    とろん、と先ほどまで涼やかだったまなざしが、目玉焼きみたいにやわやわとろける。
    そんなとこだろうなと思ってたよと、「おはよー、要、寝不足だろ」、俺は彼に手を伸ばす。わしゃわしゃいつも通りに撫で回してやれば、ふにゃふにゃいつも通り身をよじられた。

    そういえば、智将は“おめでとう“って言ってくれねーのな、なんて気持ちをすみっこに置きながら、

    「葵っちだって眠そうじゃん!」
    「んんー、まあ要が寝かしてくんなかったし?」
    「……!?」
    「スタンプと同じ顔すんな」

    うりゃうりゃと、要の頭をかき回した。




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