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    kisaragi_hotaru

    ガンマトとポプ受けの文章があります。

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    kisaragi_hotaru

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    ガンマト(+巻き込まれポプ要素含む)
    ガンガさんの眼鏡とか耳とかがあれなことになるの書いてみたかっただけの超絶短文です。ガンガさんの視力が悪い設定です。

    #ガンマト
    cyprinid
    #腐向け
    Rot

     「……これはオレが悪いのか……?」
     ポツリと呟かれた声は不機嫌なもの。あいにくと顔はぼやけて見えないのでガンガディアは相手――大魔道士マトリフの心身の状態をその声色のみで判断するしかない。
     ほんの少しだけ痛む顔はそのままにガンガディアはむしろ自分の痛みなどよりもよほど気にするべき相手の様子に、困惑した別の感情的な意味を持って眉間に皺を寄せた。
     マトリフの手にはガンガディアのかけていた眼鏡がある。ガンガディアにとっては小さいがマトリフにとってはけっこうな大きさの眼鏡。ただし、それはレンズが割れてしまっていた。つい先程のことだ。マトリフの放ったバギマがガンガディアの顔面に見事にクリティカルヒットした。故の眼鏡の末路である。
     眼鏡の破損とは相反してガンガディアの怪我は大した事はない。さすがデストロール。眼鏡と違って頑丈である。
     「いや、やっぱりお前が悪い。アイツがいる前でキスしてきたお前が悪い」
     アイツ――マトリフの愛弟子であるポップだ。彼はよくマトリフの住処である海沿いの洞窟へと訪ねてくる。今はガンガディアも共に暮らしており三人は頻繁に顔を合わせていた。先程までもポップは二人と一緒に此処にいた。ガンガディアがマトリフに前触れもなく突然キスをするまでは。
     急用ができたとかお邪魔しましたとか馬に蹴られたくないとか矢継ぎ早にのたまって顔を真っ赤にして走り去ってしまってルーラの魔法力を感じて、逃げ足の速さはさすがの一言に尽きた。
     「すまない」
     「完全にバレたな。さすがに誤魔化せねえか。……珍しいじゃねえか。お前があんな……」
     まるで周りを気にせず、マトリフしか見えていなかったかのようなキスを、第三者がいるにも関わらず仕掛けてきたガンガディア。
     常に理性的であろうとするガンガディアにしては珍しい。尤も二人きりの時にはその限りではなくキスすること自体は珍しくはないのでマトリフは続く言葉を呑み込んだ。キス以上のこともする間柄なのだ。公言してはいないが。
     「そうでもない。私は常に君に触れたいと思っているのだよ。……だが確かに配慮が欠けてしまっていた。君は嫌だったのだろう。本当にすまなかった。二代目にも驚かせてしまったことを謝らなくてはな」
     ガンガディアは俯いて項垂れながらそう言った。同時に特徴的な長い耳がへたりと垂れ下がる。反省しているのだろう。
     うぐっ、とマトリフは息を詰めて、そして顔を顰めた。ガンガディアには見えていないが、それはなんとも複雑そうな表情だ。
     マトリフの脳裏にギャップ萌えというワードが一瞬浮かんだがそれを即座に消滅させた。
     「……嫌とかじゃなくて……あ〜~っ!!」
     「どうしたね? 大魔道士」
     「……っ、別にキスされたことが嫌だったわけじゃねえからな! 面倒くせえ勘違いすんじゃねえぞ!」
     しばしの沈黙。
     ガンガディアがその言葉の意味を察した瞬間、しょぼくれて力無く垂れていた長い耳の尖った先端がピンッと勢いよく上に跳ね上がった。金属製の二つのピアスが擦れる音がした。
     しかしガンガディアが顔を上げた時には、すでにマトリフの姿は消えていた。寸前で耳に届いたのはリリルーラの呪文。おそらく愛弟子の所へと向かったのだろう。
     行使された魔法力の名残だけを感じ取ってガンガディアはその場に立ち尽くしていた。
     しばらく逡巡してから、スペアの眼鏡を取りに行くため、ガンガディアは自室まで足取り危うく歩いていった。あの言葉をいったいどんな顔をしながら言ったのか、見れなかったことが残念だと心底思いながら。
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    kisaragi_hotaru

    DONEガンマト前提で破邪の洞窟内でわちゃわちゃしてるポプとラーとヒムちゃんのお話です。ネタバレ捏造妄想満載なのでご容赦くださいm(_ _)m
     ズドォン、と相当な重量音を轟かせて巨大なモンスターが地に沈んだ。
     完全に動かなくなったモンスターの側でたった今決め手の一撃を食らわせた人型の金属生命体が銀色の拳を振り翳して声を上げた。
     「よっしゃあ!!」
     「ナイスだぜヒム!!」
     少し離れたところからポップが嬉々として声をかければヒムが振り返って鼻を指先で擦りながら「へへっ」と笑う。
     「おめえのサポートのおかげだぜ。ありがとよポップ」
     「確かに。あのままではオレもコイツもこのモンスターに手傷を負わされていたところだった」
     ヒムの側で魔槍を携えて軽く息を吐き出しながらそう言ったのはラーハルトだ。その目線は屍と化したモンスターを見下ろしている。
     ここは破邪の洞窟。その最下層近くまでポップたちは来ていた。大魔王との決戦からすでに20年の年月が経っていた。行方知れずになっていた小さな勇者が魔界から地上に帰還してからしばらくは慌ただしい日々を過ごしていたが、今は至って平穏な日常が繰り返される世界となっている。
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    MAIKING【ふっさこ】珍しく真面目でシリアス寄りな伏犠→←左近。
    おぼろげな記憶とイメージで書いたら時間軸はOROCHI2だけど、古志城ステージは無印という代物に。実際はこんな場面無いです。この後エロ付けてpixivに出す予定。
    【ふっさこ】別れは直ぐ側に 思った以上に戦況が悪い。
     黒く不気味にそびえる古志城を見上げながら、左近は無意識に顔を歪め舌打ちしていた。
    「どうしたんじゃ? お主らしくもなく苛立っておるのう」
     左近の隣で、伏犠がいつものように余裕のある口調で言う。だが、その表情はいつになく硬かった。

     左近と伏犠の二人は、呉軍を主とする一軍を率いて古志城東側の攻略に当たっていた。
     広大な戦場は見通しも悪く、西、南、北門にそれぞれ布陣している友軍の状況は目視できない。しかし、時折やってくる伝令の報を総合すれば、どこも似たりよったりの苦戦ぶりのようだった。
     特に東側には敵の戦力が一際厚く配置されていたようで、最初に斥候を放ってから、左近は攻めあぐねていた。力技で押し切るには予想される犠牲が大きすぎる。かといって、いつまでも手をこまねいているわけにもいかない。策を巡らせて散発的に仕掛けてみるものの、あまり大きな戦果は得られなかった。それもそうだろう。軍略を巡らせ戦術を駆使しても、大きすぎる戦力差はそれだけでは埋まらない。
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