最初で最後の誕生日「なんで…、焦凍の誕生日に…、お前がうえっ、げほっ…俺んとこ来てんだよ。ホークス…」
「焦凍くんに頼まれてね。誕生日一緒にご飯食べよって誘ったら、それよりして欲しいことがあるって言われてね」
「はっ…、うえっ、げほっげほっ、ふっ、振られてやんの」
「本日は1月11日。轟燈矢、面会だ。起きれるか」と刑務官に声をかけられ、今日は焦凍の誕生日だからお父さんかなと生命維持装置に繋がれ、ほぼ炭化した体で無理に生かされている燈矢はお目を開けると、そこには思わぬ人物がいた。ホークス。鷹見啓悟。ヒーロー側のヴィラン連合への内偵で、荼毘だった頃の燈矢が一時的に深い関わりを持った人物だった。大戦後、オールフォーワンに個性を奪われたものの、生き残り、公安委員長になった。そんな忙しい男がなぜ自分の前にと生命維持装置に繋がれた燈矢はホークスを睨んだ。その燈矢の瞳にホークスは懐かしさを感じつつ、燈矢の弟の焦凍に頼まれたからとへらへら笑いながら話し、刑務官がいつの間にか準備していた大型テレビの電源を付けた。
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