甘え上手への構い方 面倒見がいい彼は意外なことに、甘え慣れている態度を取ることがある。勝負を仕掛けてくるのも、自身の腕試しと構ってもらえることを期待しての甘えと言えるものだろう。
(甘えてる自覚はないんだろうけどね……)
自覚がないものをとやかく言っても仕方がないのはわかっているが、無自覚なまま私以外にもそうして甘えているのだと思うと面白くはない。
「たまに面倒を見てる野良猫が私以外に懐かないようにするにはどうしたらいいと思う?」
「野良猫など世話を出来る者が面倒を見ればいいでしょう」
「陣左、どう思う?」
悩み相談に乗る気がない陣内は素っ気なく話を切り捨ててしまったため、陣左へ話を振ると彼らしく真剣に考え込み、真面目な顔をして口を開いた。
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