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    もーとん

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    もーとん

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    ざっけま
    構い方の模索

    #雑食満
    omnivore

    甘え上手への構い方 面倒見がいい彼は意外なことに、甘え慣れている態度を取ることがある。勝負を仕掛けてくるのも、自身の腕試しと構ってもらえることを期待しての甘えと言えるものだろう。

    (甘えてる自覚はないんだろうけどね……)

     自覚がないものをとやかく言っても仕方がないのはわかっているが、無自覚なまま私以外にもそうして甘えているのだと思うと面白くはない。

    「たまに面倒を見てる野良猫が私以外に懐かないようにするにはどうしたらいいと思う?」
    「野良猫など世話を出来る者が面倒を見ればいいでしょう」
    「陣左、どう思う?」

     悩み相談に乗る気がない陣内は素っ気なく話を切り捨ててしまったため、陣左へ話を振ると彼らしく真剣に考え込み、真面目な顔をして口を開いた。

    「他と関わりを持たぬように離してしまえばいいのではないですか?」
    「それはまた随分と大胆なこと言うねぇ……」

     まさか陣左から囲ってしまえと言われるとは思わなかった。確かにそれが最も手っ取り早いが、そんなことをして彼に嫌われたくはない。それに陣内は了承しないだろう。

    「魅力的な提案だけど、陣内の許しが出ないと難しいな」
    「先程申し上げたでしょう、組頭が全て世話をし面倒をしっかり見るのなら構いませんよ」

     他の部下達と殿と忍術学園の教師と生徒の全てを納得させて、円満に連れて来られるのなら構わない。そんな無茶なことをいい笑顔で言うのだから、苦笑してしまう。

    「猫の面倒ならみんなで見ればいいじゃないですか。組頭だけに任せなくても大丈夫ですよ」

     不思議そうに言う尊奈門は、この場で唯一『野良猫』を本当に猫だと思い込んでいる。陣左は呆れたように息を吐くが、尊奈門はこういうところが微笑ましいのだ。

    「みんなで面倒を見たら私以外にも懐いてしまうんじゃないかな?」
    「あ……じゃ、じゃあ、組頭のギニョールを常に持っててもらうとか、組頭の匂いを覚えさせるとか!」

     匂いに関してはもう試している。ただ薬草の匂いなため、伊作くんと同室な彼は気付いていない可能性は高い。つまり現時点では自己満足の範囲内だ。ギニョールは持ち歩いてくれるとは思えない。伊作くんと同室だからこそ、部屋にも置いてくれないだろう。

    「……形さえ変えれば問題ないか。行ってくる」
    「えっ、組頭まだ仕事が──」

     驚いたように声を上げる尊奈門の後ろで『半刻』と手を動かした陣内に『一刻』とだけ返し、反応を見る前に部屋を出る。
     ギニョールを作る過程で様々な試作品が作り出され、その中に確か簡易的なお守りもあったはずだ。手のひらに収まる程度の大きさなら懐に入れても邪魔にはならないだろう。幸いなことに匂いの元となる薬草は痛み止めにも使われるものだから、いざという時の薬とでも言えばいい。

     手早く用意し忍術学園へ向かう途中、彼がよく鍛練をしている場所にいるのを見つけた。学園まで行かずに済むのなら、その方が共にいられる時間は長くなるため好都合だ。

    「今日も鍛練?」
    「っ!」

     背後に立って鉄双節棍を抑え込むように手首を掴み肩を引くと、一瞬強ばった体は素直に引き寄せられ、彼は腕の中に収まったままじろりと睨み上げてくる。そのくせ抱き寄せると完全に体を預けてくるのだから、甘え方が上手いと思わざるを得ない。

    「気配消して背後に立つなよ」
    「すぐに気付いたじゃないか」

     褒めるように言えば一瞬喜びが表情に現れる。忍びとなる者が、こうもわかりやすくていいものか。他人にはそんなにわかりやすく感情を見せないでほしい──なんて言える立場ではないが、思うくらいは許されるだろう。

    「ん……?」
    「何? どうかした?」
    「何かいつもより…………いや、やっぱり何でもない」

     何かを確認するように顔を動かした彼から手を離すと、彼は何かを言いかけてやめる。気にはなるが、それよりも手を離したというのに体を離す気がなさそうな様子がおかしくて、少し笑いながら懐から小さなお守りを取り出した。

    「はいこれ」
    「これは……?」
    「痛み止めにもなる薬草だよ」

     中から薬草を取り出してしげしげと眺める彼は、保健委員長である伊作くんと同室だから何の薬草なのかわかるのかもしれない。そうだとしても、渡されたものを素手で触るのはあまり褒められた行為ではないだろう。しかし私がそれを指摘するのもおかしな話かと思い、黙って見つめていると彼は顔を顰めてこちらを見てきた。

    「あんたいつも使ってんのかよ」
    「……へぇ、気付いてたんだ」

     適度に匂いが残るものとして選んだ薬草の匂いを、気付いた上に覚えていたらしい。つい喜びそうになってしまったが、拗ねた様子の彼は私の心境には気付いていないようだった。

    「どうかした? 気付いてたのは凄いと思ってるよ」
    「……俺が凄いんじゃなくて、俺に気付かれるほど痛み止めを使ってるってことだろ」

     会う度に痛み止めの匂いを纏わせているのだから、そう思っても仕方がないだろう。しかしそれが何故彼をここまで不機嫌にさせているのかがわからず、否定をしないまま彼に言葉の続きを促した。

    「……………………そんな無理して、俺に会う必要ないんじゃないか」

     予想外の言葉に思わず目を瞬かせる。どうやら甘え上手な彼は随分と謙虚だったようだ。

    「そんな無理をしてまで会いたいと思われていると、考えなかったのかな?」
    「は……?」

     何を言われたのかわからないような顔をしている彼を引き寄せ、胸元に仕込んである薬草の香りを嗅がせる。この匂いを感じる度に、私が無理をしてでも会いに来ていたのだと思い出せばいい。僅かな罪悪感は喜びをより際立たせるだろう。

    「どうせならそこまで気付いてほしかったんだけどね」

     揶揄うように囁けば彼は顔を真っ赤にして薬草を握り締め、慌ててお守りの中にしまって私を睨んでくる。
     これで多少は甘やかされている自覚が芽生えることだろう。彼自身に甘えている自覚がないのだから、私に甘やかされている自覚を持ってもらって他人との差別化を図るしかない。
     さて次は何をしようか、と考えながら彼に文句を言われる前に唇を塞いだ。
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