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    FuzzyTheory1625

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    FuzzyTheory1625

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    ジョーク リトルマーメイド見ながら書いたから文書イカれてる

    猫耳が生えたアドラー——研究棟・第3ラボ

    「……は?」

    鏡の中の自分を見つめて、アドラーは絶句していた。

    黒の猫耳がぴんと立ち、ゆらゆらと揺れる黒い尻尾が背後から覗いている。

    「……嘘だろ……」

    ミスった。

    いや、そんな軽い言葉じゃ済まされない。

    「クソが……」

    アドラーはピンと立った猫耳を引っ張った。

    「い、痛っ……!」

    ——ちゃんと痛覚がある。

    どうやら神経まで繋がってるらしい。

    「……バカか、俺は。」

    アドラーは深いため息をついた。

    実験は、神経感応物質の伝達速度を高める新型ポーションの調整だった。

    ……そのはずだったのに。

    「……なんで猫耳と尻尾が生えるんだよ……」

    最悪だ。

    しかも——

    「……なんだ、この……変な感覚。」

    ——全身の感覚が、明らかに鋭敏すぎる。

    皮膚の表面が、まるで微風すら愛撫のように感じるほど過敏になっている。

    「……これ、どんだけ失敗してんだよ。」

    アドラーは尻尾を動かしてみた。

    くねっ……

    「……う、わ。」

    変な感触が、背骨の奥からビリビリと走った。

    ——尻尾の付け根、ヤバい。

    「……やっべ……これ、どうする……」

    アドラーは悩みながら、尻尾をピンと立てたまま鏡の前で固まっていた。

    ——と、その時。

    「……ん?」

    研究室のドアが開いた。

    「キミ……何してるんだい?」

    ——ウルリッヒだ。

    「……!」

    アドラーは、尻尾を隠す間もなく、反射的に振り返った。

    「あ?」
    「……キミ、なんで猫耳つけてるんだい?」

    ウルリッヒは、キラキラと浮遊する磁性流体でじっと俺を見つめた。

    ——やべぇ。

    「……見るな。」
    「いや、見るよ。こんな……興味深いものを見せられたらね。」

    ウルリッヒは、にこりともせずに近づいてきた。

    「……キミ、実験失敗したんだろう?」
    「……黙れ。」

    俺は、顔を背けて壁際に下がった。

    「ふーん……」

    ウルリッヒは、じっ……とアドラーを観察していた。
    その間、アドラーは逃げるタイミングを完全に逃していた。

    「……なるほど。」

    磁性流体の目が、ふわっと形を変えた。

    「……尻尾、動くんだね?」
    「……見るなって言っただろ。」
    「動かしてみたまえ。」
    「は?」
    「興味が湧いた」

    ウルリッヒは、磁性流体を波打たせながら、俺の尻尾に視線を固定していた。

    「……断る。」
    「そんなこと言って、キミ。ボクのお願いを無視できる立場じゃないだろう?」
    「……ッ……」

    ウルリッヒの目が、ゆっくりと細められた。

    「ほら、尻尾。」
    「……っ……」

    俺は、仕方なく尻尾をゆっくりと揺らした。

    ふる……

    「……っ!」

    ——背中がビクッと跳ねた。

    ——ヤバい。

    「……ふーん?」

    ウルリッヒは、じっと尻尾の付け根を見つめていた。

    「……どれ。」
    「……は?」

    ウルリッヒは、何の躊躇もなく俺の尻尾の付け根を掴んだ。

    「ッ……!!?」
    「あ、やっぱり……」

    ——その瞬間だった。

    「……ッッ……ぁ……っ……!」
    「……ん?」
    「ッ……や、やめろ……ッ……ッ……!」

    ——ビリビリと背筋が痺れるような感覚が、一瞬で身体中に駆け巡った。

    「……へぇ?」

    ウルリッヒの磁性流体が、面白そうに揺れる。

    「キミ、今……すごい声出たね?」
    「……出てねぇ……っ……!」
    「……いや、出てたよ?」

    ウルリッヒは、じっと俺の顔を見ながら、再び尻尾の付け根を撫でるように握った。

    「ッ……!?」
    「ふーん、なるほど。」

    ウルリッヒの磁性流体が、ニヤリと細められた。

    「ここ、敏感なんだ?」
    「……ッッ……ちが……っ、んぁ……っ……!!」

    ——また、ビクンと跳ねた。

    「ほら、やっぱり。」

    「や、やめろ、マジで……っ……!」

    アドラーは必死にウルリッヒの手を払いのけようとしたが、義体のウルリッヒには敵うわけもない。

    「キミ、これ……完全に感度が増幅してるね?」

    ——くそ、バレた。

    「……ど、どうでもいいだろ……っ……!」
    「どうでもよくないよ?」

    ウルリッヒの磁性流体が、ゆらゆらと波打っていた。

    ——完全に、面白がってる。

    「落ち着きたまえ、アドラー、これは知的好奇心だよ。」
    「……ッ、ふざ……けんな……ッ……!」

    ——けれど、俺の声は、完全に震えていた。

    「……キミ、可愛い声出すんだね?」

    ウルリッヒの言葉が、耳に突き刺さる。

    「や、やめろ……ッ……!」
    「知識としては知っていたが……なるほど。」

    ウルリッヒは、そっと俺の耳元で囁いた。

    「——この敏感な尻尾、どこまで感じるのかって。」

    ——地獄の時間は、まだ始まったばかりだった。

    ——「ふぅん……?」

    ウルリッヒの声が、すぐ耳元で響いた。

    ——ゾクッとした。

    「ッ……」

    アドラーは反射的に首をすくめた。

    ——おかしい。

    ウルリッヒのいつもの淡々とした口調のはずなのに、今は耳に届くたびに、脳の奥がジンと痺れるような感覚が広がっていく。

    「ねえ、アドラー……」
    「ッ……な、ん……だ……」
    「ボクの声、気持ちいいのかい?」
    「ッッ……!」

    ——ズルい。

    その声が、まるで脳内に直接響いてくるようで、頭の中がトロリと蕩けてしまう。

    「……ッ……違……ッ……う……」
    「ふーん? でも、キミ……ボクが囁くたびに、震えてるよ?」

    ウルリッヒは、明らかに楽しんでいた。

    ——磁性流体の目が、ゆらゆらと波打ちながら、まるで猫が獲物を弄ぶように俺を観察している。

    「……ち、違う……ッ……」

    俺は必死に否定した。

    けれど、耳元で囁かれるたびに、身体がピクンと跳ねてしまうのが止められない。

    「ボクの声、こんなに反応するなんて……可愛いね?」
    「ッ……か、かわ……ッ……」
    「うん、すっごくね。」

    ——ウルリッヒの声は、低く甘く、意図的に俺の耳に囁き込むようだった。

    「や、やめ……ろ……ッ……」

    俺は耳を塞ぎたくて、手を上げた。

    けれど——

    「ダメだよ、アドラー。」

    ——その瞬間。

    ウルリッヒの指先が、そっと俺の耳元に触れた。

    「ッ……!!」

    ——ビリッとした快感が、脳まで駆け抜けた。

    「ほら、キミの耳……敏感になってるね?」
    「ッッ……ッ……」

    ——なんで、こんな……

    耳元で囁かれるだけで、俺の身体は言うことを聞かなくなる。

    「……っ……や、やめろ……ウルリッヒ……」
    「……ダメ。」

    ウルリッヒは、磁性流体の目を細めて、俺の耳元でさらに甘く囁いた。

    「もっと、ボクの声……聞いて?」
    「ッ……!!」

    ——脳が溶ける。

    「キミ……気づいてないの?」
    「……な、に……っ……」
    「ボクの声、もうキミの脳に直接届いてるんだよ?」
    「……は……?」
    「ねえ、アドラー。」

    ウルリッヒは、俺の耳元で、さらに甘い声を落とした。

    「キミの脳、トロトロになっちゃってるんだよ?」

    ——ビリッ。

    「ッッ……!!」

    ——弾けた。

    その瞬間、全身の神経が過剰に反応して、頭の中が真っ白になった。

    「……ッ……ッ……ぁ……ッ……」

    ——脳が、焼かれてる。

    「ほら……可愛い声、もっと聞かせて?」
    「……っ……や、め……ッ……」

    けれど、俺の声はもう途切れがちで、うまく言葉にならない。

    ウルリッヒの指が、耳元を軽く撫でるたびに、ビリビリとした快感が脳の奥まで染み込んでいく。

    「アドラー……ボクの声、もっと聞きたい?」
    「ッ……い、いや……」
    「嘘だね?」

    ——バレてる。

    「キミの身体が、ボクの声を求めてるんだ。」
    「や……ッ……」
    「じゃあ、もっと……囁いてあげるよ?」

    ——脳が……蕩ける。

    「……ッ……ぁ……ッ……」
    「ねえ、アドラー……」

    ——耳元で囁かれるたびに、俺の意識はどんどん深いところに沈んでいった。

    「ほら……もっと気持ちよくなろう?」

    ——もう、抗えなかった。




    §



    「と言う夢を見たんだ。」

    ウルリッヒは怪訝そうな表情でアドラーを睨みつけた。

    「キミ、ついに頭をやられたのか、いいや元からか。」

    ——アドラーの目の前に人工夢遊治療の申請書が差し出された。
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