愛の重さ「ねぇ、ソウゲンちゃん。手袋暖かい?」
「えぇ、とても」
待ち合わせ、出会って開口一番尋ねる鈴蘭に、ソウゲンはその贈り物の手袋を、まるで医者が出てくるドラマの様に。今から手術でもするかのように自慢気に見せる。そして、その手で鈴蘭の手を握った。
「ポケットに手を入れなくても暖かいので助かるのです」
手が繋げる。そういう意味だと理解した鈴蘭は、仕事嬉しそうに、大きく頷きながら「うん」とその手を強く握り返す。そして、約束のクリスマスマーケットへと二人で歩を勧めた。
キラキラの電飾。賑わう飲食スペースに、ソウゲンは眩しそうに瞬きを繰り返して、物珍しい物でも見るようにあたりを見回した。人が多すぎて、気をつけなければすぐに逸れてしまいそう。握った手を身体に引き寄せて、鈴蘭の腕をしっかりと掴む。
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