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    セトセノ
    がっつりキスをしているのでご注意⚠

    キスのおかえし事件の調査をするため、二人は知恵の殿堂で文献を読んでいた。時間を忘れて調査に没頭した結果、空はすっかりと暗くなってしまっていたようだ。時計を見て初めて時間の経過に気づいたセノは、隣で本に齧り付くセトスに声をかける。
    「セトス、もう遅いから今日のところは止めに…
    おい、聞こえているか?」
    じっと本に集中していて、振り向く様子はない。手を振ってアピールしてみても一切反応はなかった。よほど興味深い本なのだろうか。普段見せる朗らかな笑顔とは違う真剣な面持ちに目を奪われた。
    肩を叩けば気づいてもらえるとは思うが、ここまで集中しているのであれば少しいじわるをしても気づかないだろう。
    セノは距離を詰め、セトスの頬に軽く口づけをする。

    セトスは手に持っていた本をぱたと落とし、目を見開いたまま勢いよく振り向いた。
    「い…いま僕のほっぺに、キス、した?」
    「ああ、隙だらけだったぞ」
    セトスの頬がみるみるうちに赤く染まってゆく。いくら兄弟と呼び合う仲とはいえ、キスはやりすぎだったか。後悔はしていないが、だんだんと理性を取り戻し恥ずかしさがこみ上げてきた。二人はしばし見つめ合う。

    「本当にずるいなぁ…もう我慢出来ないから、許してね」
    セトスは顔の前に先ほどまで読んでいた本を立てると、セノの顔をぐいっと引き寄せ、口を塞いだ。隙間から舌が咥内に入ってくる。セノの舌をゆっくりとなぞり、二人の舌が熱く絡まり合う。
    「ん…ふぅ…ッ……」
    甘く艷やかな息が漏れる。舌同士がくっついてとろけそうなほどあつい。

    「やめ…ッ、いき……っがァ……」
    セノはたまらず唇を離し、助けを求める。セトスはいたずらっぽく微笑み、しーっ、と口元に人差し指を立てた。観念したのか、彼の動きが止まる。それを肯定と捉え、もう一度口づけを交わした。柔らかい唇の感触を味わうように角度を変えながら何度も何度も重ね合う。薄く開いたセノの口にセトスは再び舌を差し入れた。歯の一本一本をなぞり、咥内を堪能してゆく。傷つけないよう大切に、愛おしむようにゆっくりと味わう。
    「はふぅ…ンッ………」
    鼻にかかる互いの息がくすぐったい。
    セノの舌を引き寄せ、絡みつきながら貪る。

    体の力が抜けてきたところでようやく口を解放した。混ざりあった唾液がつーっと糸を引いて離れる。
    「はぁ…はぁ……や、やりすぎだ………」
    セノは息を絶え絶えにして机に突っ伏した。
    「キスのおかえし♡じゃあ、ご飯食べに行こっか!」
    セトスはウインクを投げる。先程までの全てを食らい尽くす獣のような目はどこへいったのやら。無邪気な子犬のような笑顔でセノの手を引き酒場へと連れ出すのであった。
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