君の一等星でありたい 木々の生い茂る広い森の中、夜の闇に浮かび上がるパチパチと爆ける焚火の音と賑やかな炎の色彩。
その周りでは炎の色に負けない程に華やかに賑やかに歌い踊り、ソルム王国の自警団とイーリス聖王国の自警団との宴は夜の静寂を感じさせない程の盛り上がりを見せていた。
異界の存在であるなんて、普通ならば出会う事などない世界で生きてきた事など些細事とでも言うかの様に自然に打ち解け各々楽しんでいる様子を見て、宴をしようと声を上げた発起人であるソルム王国の自警団長であり第一王子でもある俺、フォガートは宴の中心からは少し離れた場所にある大きな丸太へと腰掛け、笑顔溢れる皆の姿をひと息ついて眺めていた。
まだ、己の臣下の1人であるボネがこの世界へと喚ばれていなかったことから宴の料理をどうしようかと悩んでいたが、元の世界でボネから料理を教わっていたゴルドマリーがパネトネから話を聞いたらしくお手伝いしますよ、と声を掛けてくれた。
20185