リナリアの本音衝突なことだった。喉から異物が迫り上がってくる感覚。
——きもちわるい。
「ぅ、ゔぇえ…ッ、」
咄嗟に吐き出すまいと嘔吐くも口を抑える。部屋を汚さないようゴミ箱を足で挟んで引き寄せ、その中に迫り上がってきたものを嘔吐した。そして、吐き出されたものを横目に見ると、
「花…?」
それは、薄紫で、中心になるに連れてその色は色濃くなっている、どこか神秘的な美しさを持った花だった。なんとなく、その色はオレの中で類を彷彿とさせた。
類なら、この花の名前が分かるだろうか。
緑化委員で、カモノハシやらムカデやら生物に詳しい類ならば。
単なる好奇心で、スマホを取り出した。己から吐き出されたものということは伏せて、類に画像を送り、メッセージを送信する。
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