Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 👏 💚 🎉 💯
    POIPOI 46

    summeralley

    ☆quiet follow

    JKマジュニアもうひとつ書いた。可愛いねJK

    タイトル変えました。キーロックの件りをまるまる削除したの忘れてタイトルにだけ残してた🙄意味不明🙄

    #二次創作BL
    secondaryCreationBl
    #腐女子向け
    #飯P

    【飯マジュ】空っ風とダッフルコート コンビニから出ると、真冬の風が吹きつけ思わず肩を竦めた。コートを着ている僕でさえ寒くて仕方ないのに、マジュニアさんは制服だけで平気なんだろうか?
     駐輪スペースが混んでいて、自転車をずいぶん隅へ停めてしまった。駐車場を横切る途中、前を歩いていたマジュニアさんが不意に足を止める。
     「どうしました?」
    「自転車に何かついてる」
     慌てて足を早めると、二人で乗ってきた僕の自転車に、ワイヤーロックがかけられていた。
     「えーっ、いたずらかなぁ?」
     マジュニアさんをちらと見遣ると、困ったような、憤慨したような表情で黙り込んでいる。時間はそう遅くなかったが、日が暮れるのが早い季節だ。夕焼けさえも失せかけて、空の端にはもう夜が顔を覗かせていた。
     「走れないな……」
    「うん、どうしましょうか」
     二人してしゃがみこんでよく見てみると、華奢なワイヤーを小指ほどの太さに束ねたもので、いかにも安物といった感じだ。これは、ちょっと頑張れば千切れるかもしれない。手を出しかけて、同じく反対側から手を出しかけたマジュニアさんと目が合った。
     「……これ、鍵がないと外せないものだよな?」
    「そう……うん、そうです。困ったな」
     僕は慌てて手を引っ込め、マジュニアさんも出しかけた手を僕と同じように引いた。危なかった。マジュニアさんは僕のことを、勉強ばかりしている穏やかな男と思っているのだ。そんなところを見せては、怖がらせてしまうかもしれない。
     「マジュニアさん、僕これどうにかしますから、今日は歩いて先に帰って」
    「いや……ネイルの家が近いから、切る道具でも持って来てもらおう」
     ちょっと戸惑ったが、ありがたい提案だった。僕はあまりネイルさんとは交流はないが……薄暗い中、マジュニアさん一人で歩いて帰らせるのも気が進まない。大人しく、甘えることにする。
     立ち上がって電話をかけはじめるマジュニアさんを何気なく見上げたら、危うくスカートの中が見えそうになり、僕も慌てて立ち上がる。わざとじゃないんです、見えてません、と胸中で言い訳をするが、マジュニアさんは全く気付いていない。
     「……そう、ワイヤーの束で……小指くらいだ。え? 出来ると思うけど嫌だ、悟飯がいるのに……なんだよ、笑うなよ! 頼んだからな!」
     ちょっと声を荒げて、マジュニアさんは電話を切る。僕がいるとしたくないこととは、何だろう。生じた疑問を深く考える間もなく、マジュニアさんはため息をついて僕を振り返った。
     「15分くらいで来る」
    「すみません、マジュニアさんだけでなくネイルさんにまで迷惑かけて」
    「いや、オレは……それにあいつも面白がってる……」
     僕らは揃って、すぐそばの金網に凭れ掛かった。コンビニの駐車場は、入っては出て行く車たちでひとときも落ち着きがない。
     ダッフルコートの首元を、北風が吹き抜けていく。空は瞬く間に暗くなって、街のあちこちにある看板にも明かりが灯りはじめた。マジュニアさんはじっと押し黙ったまま、夜に変わりはじめる景色を睨みつけている。その首筋が、短いスカートから伸びる脚が、寒そうに見えて仕方がない。
     「マジュニアさん、僕のコート着てください。風邪ひいちゃいます」
     ボタンを外しながら話しかけると、マジュニアさんははっとしたようにこちらを見た。
     「いい。お前が寒くなるだろ」
    「僕は大丈夫ですから」
    「オレだって大丈夫だ!」
     脱いだコートを肩にかけようとすると、全身で拒否されてしまう。マジュニアさん相手にあまり力ずくにもなれず、僕は狼狽える。とうとう、逆に元通りにコートを着せられてしまった。ここまで拒否されると、何だかショックだ……僕が着ていたものなんか、羽織りたくないということなのか? 暗澹とした気持になりかけていると、険しい目をしていたマジュニアさんがふと瞼を伏せた。
     「きっと、オレのせいなんだ……」
    「何がですか?」
    「いたずらされたの……オレのこと、嫌ってる奴は多いし……お前を巻き込んだ上に寒い思いまでさせられない」
     マジュニアさんは珍しく弱気な口調で、僕に目を合わせようともしない。普段とあまりに違うその様子がどうにも痛ましくて、僕は今すぐ犯人を捕まえて一発殴ってやりたい気分になった。自分の自転車にいたずらをされたことよりも、マジュニアさんにこんな顔をさせていることが、許せなかった。
     「悪かったな、オレのせいで」
    「マジュニアさんのせいじゃない!」
     思わず大声を上げてしまい、マジュニアさんが目を見開く。
     「もしマジュニアさんを困らせようとした誰かがやったんだとしても、直接言わず、卑怯なことする人が悪いに決まってます。マジュニアさんのせいじゃないです、絶対」
    「……怒ってないのか?」
    「怒ってなんか……いや、怒ってますよ、コート着てくれないから。貸すから、着てください、風邪ひいちゃう」
     しばし沈黙があった。
     金網から身体を起こしていたマジュニアさんが、じっと僕を見つめている。思案と戸惑いの風情だったが、とてもとても小さく、ありがとう、と聞こえた。何か返事をしようと口を開きかけたそのとき不意に、するりと、マジュニアさんの身体が僕のコートへ滑り込んでくる。
     「ちょっと! 脱いで貸しますから!」
    「でも……こうしたら二人とも寒くない」
     僕に背中を預けて、何でもないことのように言う。背丈はほとんど同じだが、マジュニアさんは脚を前に投げ出すように僕に凭れていたため、少し見下ろすような角度だった。尖った耳の先が、俯けば噛んでしまえるほどの位置にある。
     多分こういう時、腕を回したりするのが正解なんだろう。けれど僕は、固まるばかりで何も出来なかった。手袋を着けた手をポケットに突っ込んで、マジュニアさんが僕へ凭れるに任せていて情けないことこのうえなかった。マジュニアさんは自分でコートの前をかき合わせて、往来を眺めている。
     車道も歩道もすっかり夜に満ちて、時おり吹く北風が、街路樹に辛うじて残っている枯葉を散らしていた。コンビニの灯りはますます眩しく、吸い寄せられる冬の装いの人々は手に手にあたたかいコーヒーを持って自動ドアから吐き出されてくる。
     コートの中にある身体は確かに温かいのに、生き物の匂いがしなくって、まるで植物を抱えているようだ。ここからだと顔もよく見えないから、尚更そう感じる。僕に怒ったり、反発したり、叱ったり、憤慨したり……考えてみれば、思い出されるマジュニアさんの表情は不機嫌なものばかりだ。けれどそれで良いと思えた。先程の、こちらを窺うように遠慮がちなさまは新鮮で可愛らしくも思えたが、やっぱりいつもの強気なマジュニアさんの方がいい。
     どれくらいそうしていただろう。
     僕も段々と落ち着いてきて、一瞥して通りすぎる人たちも既に気にならなくなった。
     「……オレの親族はみんな背が高いから、きっと大人になったら、こんな風にはできないな……」
     誰にともなく、マジュニアさんが溢す。
     「……大人になっても、僕とこんな風にしてくれるんですか?」
     途端、マジュニアさんが身体を起こして振り向く。あまりに近くで交わったまなざしに息を呑むと、一瞬の沈黙のあと、ネイルが来た、と短く告げた。顔を上げてみれば、駐車場の向こうに、ニッパーだけを片手に提げたネイルさんが見えた。
     「早すぎるな、あいつ」
     呟いて、入ってきた時と同じくらい自然に、僕のコートから出ていってしまう。
     呆然としている僕を置き去りに、マジュニアさんは自転車を指差しながら何やら説明している。僕も漸くのことで身体を起こし、二人の方へ歩きだした。マジュニアさんが、早く! と急かす。急に呼び出されたにも関わらず、ネイルさんは心底面白そうに笑っている。
     僕は頭を下げ、二人の会話に加わった。ほんの一瞬だけ、ひどく近くでかち合い、ロックされたように動かせなかった視線を思い出しながら。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺💗💗💗🙏🙏🙏🙏💖👏😭😭😭😭😭💘💘💘💘💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    summeralley

    INFO6/15 星に願いを
    ゆ 28b Summer alley

    新刊『廃墟の灯』
    A5サイズ10章68ページ成人向け。

    廃墟となった無人の街に暮らす飯Pのお話の試し読みです。
    03章を途中まで載せます。NAVIOの方には別の章を載せてますので、興味があって見れる方はそちらもどうぞ~
    【飯P】廃墟の灯/試し読み03.廃墟の街

     砂の散ったアスファルトに、錆びた鉄骨とひしゃげた鉄パイプが転がっている。
     山々のように聳える工場群は今やその役割を終え、徐々に朽ち果てつつあるのが、この距離から振り仰いでも明らかだった。
     ひび割れた舗道には雑草が繁り、道の両端に並ぶ建物の外壁にも蔦が這いまわっている。ガラスはどれも汚れており、庇はことごとく破れて垂れ下がっていた。看板やシャッターの文字はほとんど消え失せ、赤茶けた錆だけが無闇と存在を主張している。
     ピッコロが姿を眩ませたのは、両刃の剣を二人で見た直後だった。
     はじめ数日は、悟飯もデンデたちも、どこかで修業に打ち込んでいるのだろう、と考えた。しかし一週間経ち、十日経ち……それでも戻る様子がない。流石に、こんなに長い期間を留守にするのに一言も告げていないのはおかしい。気が全く感じられず、意図的に身を隠していることは明らかだった。
    2764

    summeralley

    DONEこの人の内面はじめて書いた
    って思ったけどピアニスト飯Pの時に書いてました。あの時はネイPではなかっただけで。

    客🍚とマスター💅のバーテンダーぴ取り合い。ネイP描写多めで書きますがラストは飯P予定。
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/12ラストワード テーブル席にウイスキーを出すピッコロを、カウンターの中から見ていた。一気に入った注文があれで片付くから、暫くは落ち着くだろう。
     コリンズグラスに、切ったばかりのライムとスペアミントを入れる。バースプーンで軽く潰すと、やや窄まったグラスの口から、涼やかな香りがここまで上がってくる。
     ライムは、通常のレシピよりも少し多く入れる。それがピッコロの好みだと、分かっているからだ。砂糖は入れない。氷を入れ炭酸水を注ぎ、手早く混ぜる。ちょうどカウンターへ戻ってきたピッコロに差し出すと、両手で受け取って笑った。
     「ありがとう、ネイル。足りないものはないか?」
    「今はない。何かあれば声をかけるよ」
     頷いて、カウンター客の前へ戻っていく。読んだ本の内容について、尋ねているらしい。それを受けた彼は身を乗り出すように研究を語り、ピッコロも微笑みながら聞いている。
    4025

    related works