Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    しんした

    @amz2bk
    主に七灰。
    文字のみです。
    原稿進捗とかただの小ネタ、書き上げられるかわからなさそうなものをあげたりします。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 69

    しんした

    ☆quiet follow

    たぬきつね七灰メモ

    とあるお稲荷様の眷属である狐の七海と妖狸の灰原くん。
    ぼろぼろの姿で人間に襲われ神社の敷地内で行き倒れてた妖狸の灰原くんを拾い、療養させていくうちに灰原くんのことを好きになり、種族を越えて(神の眷属と妖)灰原くんと一緒になるネタとその後のネタとざっくり設定。

    *出会いから一緒になるまで



    お社の中はあやかしである灰原くんには神聖過ぎるので、七海は敷地内にある木のうろに灰原くんを匿ってお世話をしていた。
    ただし、お稲荷様(神様)は妖狸のことを良く思ってはおらず(狐と狸は不仲なので)、七海から妖狸の匂いがすることを訝しげに思っている。
    七海も妖狸については狐より下と見ていて然程良い印象を抱いていなかったが、行き倒れていた灰原くんを助けたのは神社の敷地内で殺生が発生することを避けたかったから。助けた当初、灰原くんが意識を取り戻せば追い出すつもりだった。
    けれど、灰原くんは聞いていた妖狸とは違い素直で明るくて、七海は灰原くんのことが気になり始める。
    ずっとお社や神社の敷地内にいる自分とは違い、外のことをたくさん知ってる灰原くんの話を聞くのは新鮮で、次第に灰原くんと時間を共にすることが楽しみになっていく。そして、灰原くんを知るうちにどんどん惹かれていく七海。
    灰原くんと一緒になりたいと思う七海だが、それは神様の眷属であることをやめることになる。そして、眷属であった時はなかった寿命(通常の狐と同じ)が発生してしまう(お社がある限り眷属の七海は不死)。
    それを聞いた灰原くんは、今のまま眷属でいた方が人間に襲われることもなく社がある限りずっと祭られて大切にされるから、絶対その方がいいと七海を説得した。
    ある程度動けるようになった灰原くんは、さよならを言わず神社を離れようとする。けれど、木のうろから出たところでお稲荷様に見つかってしまい、灰原くんは消し飛ばされそうになる。その時、七海が灰原くんの前に立ちはだかり、お稲荷様の一撃をなんとかかき消した。
    ただの眷属の力では神様の力を消すことはできないけれど、忘れるくらい長い間神様の側にいた七海は、ただの眷属から少しだけ神様に近い存在になっていた。同じ場所に神の力を持つものがいることはよくないので、お稲荷様は七海にここを去るように告げる。
    その瞬間眷属としての契りは解釈されたけれど、少し神様に近い存在になった七海は通常の狐より何百倍も長い寿命を持つことになった。
    灰原くんと神社の外へ出た七海は「きみの隣で世界を見たい。ずっと一緒にいてくれないか」と告げて灰原くんの手を握る。



    *ざっくり設定


    時代:明治〜大正くらい(ざっくり)


    狐と狸の関係:
    昔から仲はよくない。
    狐の方が奉られていることも多く、狐は狸を下に見ていた。
    狸も狐全体に高慢な印象を抱いていた。



    お稲荷様について:
    小さな社の主。その地域の五穀豊穣を司る。人がたをしているが、顔は隠していて見えない。



    きつね七海について:
    数百年前にお稲荷様に拾われて眷属になった。なので、元は普通の狐。
    全体的に色素薄め。白い狩衣姿。
    眷属の時は不老不死なので外見は12〜13歳で止まっていた。眷属で無くなってからはほんのちょっとずつ外見が成長している。美丈夫になる。
    神様が眷属を七海しか置いていなかった為、長い間一人で仕事をこなしていた影響で次第に眷属以上に力をつけていた。(ただし、力が蓄積されていただけで使い方も知らず、使う機会もなかったので、神様も気がついていなかった。←もうちょっと設定考えなおしたい)
    眷属としての主な仕事は、お参りに来る人間の祈りを聞いて神様に告げることと、神様からの言葉を人間に伝えること。
    基本的に神社の敷地内からは出ない。神社にやってくる人間の話はよく聞いていたので知識として知っている事柄は多いが、基本俗世には疎い。お金の概念は知っているが、買い物なんてしたことない。人間や動物のあれこれ(生殖行為的な)はもちろん知っているが、そこに伴う感情についてはいまいち理解できていない。
    狸のことはよく知らなかったけれど、当たり前のように下に見ていた。
    神社の敷地内で倒れていた灰原くんを助けたのは、敷地内での殺生を避けたかったから。(それまでも人間や動物を助けたことはあった)
    木のうろに隠したのは、神様が狸のことをよく思ってないと知っていたから。
    それに灰原くんが妖狸だと気付いたので、弱った状態で神聖な場所に入れると余計弱ってしまうと思ったから。

    灰原くんと一緒になってからの七海.
    明るくて素直で優しい灰原くんのことが大好き。頑張り屋さんなところはちょっと心配。
    自分の知らない世界を知っている灰原くんに憧れを抱いている。
    もっと俗世のことを知って、灰原くんを養えるようになりたいと奮闘中。



    たぬき灰原くんについて:
    妖狸。まだ百年くらいしか生きてない。若い。妖狸の寿命はまちまち。大体数百年くらいかな。
    外見は12〜13歳。人間に化けるのは同じ年代くらいの外見が一番上手で、年上になるとボロが出やすい。化けている時の通常の服装は袴姿。
    七海に助けられた時は本来の獣の姿。
    人間に襲われた経緯は、他の妖狸の悪戯を灰原くんがやったと勘違いされボロボロになりながら神社の敷地へ逃げてきた。
    実は、灰原くんは七海のことを知っていて、お稲荷様の眷属として祭りの時に遠くから見たことがあった。
    狐に対しては、周りは良く言っていなかったけれど、灰原くんはそこまで狐と関わったことがなかったから良くも悪くも思っていなかった。祭りで七海を見た時は、びっくりするくらい綺麗な白狐だと思って見惚れていた。
    木のうろの中で目覚めた灰原くんは、最初ぶっきら棒な態度の七海に、やっぱり仲間が言っていた通り、狐とは相容れないのかなと思った。でも、ボロボロだった自分を手当てしてくれたし、いつもむすっとした顔しているけど時々尻尾が揺れてることに気がついてからは、七海は優しいんだなと嬉しくなった。
    最初は眷属として神秘的な七海に惹かれていたが、交流していくうちに俗世を知らないどこか天然なところや案外感情を表に出す(灰原くんが聡いから気がつけるだけ)七海と一緒にいることが楽しくなっていく。自分と一緒になりたいと言われた時はとても嬉しかったが、七海は神様の眷属として奉られ、半永久的に生きることができるからそんなことはいけないと拒む。
    でも、お稲荷様から身を挺して自分を助けてくれた七海を見て、やっぱり一緒にいたいと思ってしまう。
    七海の「きみの隣で世界を見たい。ずっと一緒にいてくれないか」という言葉に「七海と一緒ならどこへでも行ける気がするんだ。二人でいろんなものを見てみよう」と返す。

    山と街を行き来していたので、俗世にも詳しい。人を化かして金品を奪うことは好きではなく、人間の子供に化けて日雇いの仕事でお金を稼いだりもしていた。でも妖狸なので悪戯は好き。愛想が良くはつらつとしているので、日雇いでなく住み込みで働かないかとお金持ちから言われたことが多々ある。



    神社を出てからのふたり:
    ふたりきりの時は獣耳、人耳、尻尾の見た目でいる。
    灰原くんはめちゃくちゃ弱ると完全にけものになってしまう。
    七海は妖というよりも神に近いのでけものにはならない。




    *一緒に各地を転々とするようになったきつね七海とたぬき灰原くんのネタ



    俗世のことを少しずつ知り、一人でも街へ出掛けられるようになった(灰原くんからお許しが出た)七海。
    夜、ふらりと歩いていたら花街へと辿り着いてしまい、めちゃくちゃ見目が良いので(外見は16〜17歳)声をかけまくられる。
    もちろん人間の女に興味はなく適当にあしらっていると、誰か心に決めた人がいるのかと問われて「そうだ」と即答する。
    素直な返答をした七海を可愛く思ったお姐様方は、その人を悦ばせるなら知識が必要だと七海を誘う。灰原くんとそういうことはしたいと思っていたし、床を共にしない条件で七海は店へ通うようになる。(この頃になると一人でお金を稼げるようになってる七海)
    最近よく夜出歩くなと灰原くんも不思議に思い始めた矢先、昼間七海と街を歩いていた時にお店のお姐さんに声をかけられる。
    親しそうに話をしている二人を見て、胸の奥が苦しくなる灰原くん。でも、七海だって綺麗な人といたい時だってあるだろうし、別に僕らそういう関係にはなってないし、と自分に言い聞かせようとする。
    二人の会話は耳に入ってこず「じゃあ、またおいでよ。みんな待ってるからさ(その後の展開が気になるから)」とお姐さんが七海へ言い、こっちににもニコリと笑いかけられてなんとか笑い返す灰原くん。
    七海に聞きたいことはたくさんあるのに、はっきりと言葉にされることが怖くて間借りしている部屋へ帰っても何も口を開くことができない。そんな灰原くんを不思議に思った七海がいつものように日課の毛繕いをしようと灰原くんの腰を引き寄せた時、灰原くんは咄嗟に七海の手を払い除けてしまう。
    呆気にとられている七海を見て「ごめん……」と小さく謝って俯いた灰原くん。でも、次の瞬間には七海に腕を引っ張られきつく抱き締められてしまう。
    びっくりして七海の名前を呼ぶ灰原くんだけど、七海は黙ったまま。背中に回る腕が少し苦しくて、でも自分に縋り付くような七海の様子に灰原くんも七海のことを抱きしめ返すと、少し腕の力が緩んだ。
    「ごめん急に……どうしたらいいのか分からなくて」
    「それは僕もだよ」
    あの人誰?と意を決して聞いた灰原くんに、七海は口籠る(灰原くんを悦ばせたいから花街に通っていたと言うのが恥ずかしい)。
    何も言わない七海に「七海のいいひと?」と聞く。
    「いいひと?」
    「その……好きなひと、ってこと」
    絞り出すような声で言った灰原くんをよそに、七海はキョトンとしている。
    「好きなひとなんて、きみ以外にいるわけないだろう」
    当たり前のようにそう言い切る七海に、今度は灰原くんが固まってしまう。
    「灰原以外なんて、正直どうでもいい。きみがいるから、今の私がある」
    「じゃあ、なんであの人と」
    「灰原を、よろこばせたくて……そういったことは然程知らないから、色々と教わってたんだ」
    「寝たの?」
    「寝てない。指一本触れてもいないし触れさせてもいない」
    それを聞いて心底安堵した灰原くん。そして、その時改めて自分はこんなに七海のことが好きだったのだと気がついて恥ずかしくなる。
    ざりっ、といつもの毛繕いのように耳を舐めてくる七海。けど、いつもは獣耳しか舐めないのに、人の耳も舐められて驚く灰原くん。(咄嗟に人間の言葉も聞き取れるよう、人の耳も出しっぱなし)
    「知らなかったこと、色々とわかったよ。灰原も、どこがいいかとか教えて欲しい」
    「……うん。じゃあ、七海も教えてね」
    そう言って灰原くんも七海の尻尾を撫でる。

    そして初夜へ……。
    みたいなのが書きたい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖😍👏👍💖👏❤😍💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗③です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。

    七海の独白ターン最終話の半分くらいを抜粋しました。
    次の章で再会するので早くいちゃいちゃさせたいです。

    ※推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗③四.拝啓



    二つ折りにした便箋を名前しか書いていない封筒へ入れる。
    きっちりと糊付けで封をしたら、同じ封筒だけが入った引き出しへと仕舞う。
    机の浅い引き出しの中には、出す宛てのない手紙が増えていくばかりだ。
    それでも。
    私は、筆を執ってしまうのだ。





    帳が上がると、七海の頭上に青空が広がった。
    砂埃を払うように呪具を軽く振る。そこそこの呪霊だったが、想定していたよりも早く祓えたようだ。古びた雑居ビルの階段を降りると補助監督は少し驚いた表情で出迎えてくれたが、七海は「お待たせしました」といつも通りに声をかけた。
    呪術師へ出戻って一年。
    あのパン屋を出て五条へ連絡を取ってからの日々はとにかく慌ただしかった。卒業ぶりに顔を合わせた五条に「いつかこうなると思ってたよ」と笑われながら、呪術師へ復帰する手続きを済ませた。勤め先へ退職届を出した時は上司から随分と引き留められたが、もう決めたことなのでと押し通した。(入ったばかりの新人には悪いとは思ったが、かなり細かく引き継ぎをしておいたので大目に見てもらいたい)
    4058

    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗①です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
    でも七海がひとりなので書いていて辛いので進捗upしました。

    推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗①一.Re:Re:Re:Re:無題



    二年の夏。
    残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
    灰原が、死んだ。





    開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
    今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
    文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
    どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
    5639