1日1本ワーパレSSS寄宿(not MoN軸)
いくら一緒につるんでいようが他人には知られたくないことの一つや二つあるだろう。
……まぁ、雲雀にそれが通じるのかはわからないけれど。
「奏斗ってさあ」
「ん?」
屋上で昼飯を食べてた時に急に呼びかけられたから、飲みかけの紙パックから口を離す。
「あー、いや、」
「何、気になるじゃん」
「もしかしてだけど……隠したいことでもある?」
パンを齧りながらこちらをじっと見つめる琥珀に見透かされているような気がする。
隠したいこと、なんだ。最近実家から連絡が来たのを思い出してこの身の出自か、と考えてしまう。それはまだほぼ誰も知らないはず。
「…………別に何でもない!もしかしたら今日の6限小テストあったかも!」
「マ?!?!それは早く言ってくれよ奏斗ぉ!」
「知らないよ、もしかしたら違う日かもだし」
「うわぁ四季凪辺り聞いたら教えてくれっかなぁ…………」
慌てふためく雲雀に言えるのはもうちょっと先かもしれないような、バレているなら今言いたいような不一致な気持ちを抱えたまま屋上に寝転がった。
「……まだ、だよ」