それを初恋と人は言う「肩慣らしに、夜狩の引率をするって事か?」
「いいえ、私一人でしばらくは夜狩をしてこようかと」
「いくら何でも急すぎやしないか?」
閉関を解いた藍曦臣は、藍染された旅装束を着て蓮花塢の江晩吟の執務室でお茶を啜っている。
「一人だと言っても、簡単なモノばかりですよ」と言いつつ、乾申袖から取り出したのはいろんな書簡だった。
それを見てもいいのか、促してくきた。
「どこが簡単だ?」
「簡単でしょう」
「貴方は、閉関を解いたばかりだろう!!これも!これも!!!一人で対処するようなもんじゃないだろ!」
中には確かに簡単なモノがあるけれど、選別すれば数人門弟を率いて出なければ退治できないような案件もある。
本来の沢蕪君であれば、一人で退治できないわけではない。
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