【曦澄】クリスマスまであと11日【腐向け】「晩吟は、クリスマスの予定ってある?」
歯を磨いていると、洗面台の鏡越しに顔を覗き込んでいる家主にそう聞かれた。
口の中の泡を濯いでから、首を横に振る。
「ない」
「そう、よかった。なら、一緒に過ごさない?」
ものすごく安堵したというような顔で、誘ってくる。
ないとは、言ったけれど一緒に過ごすとは言っていない。
けれど、家主の藍曦臣を無碍にるるわけにもいかないだろう。
「……解った」
どうせ、彼のことだからクリスマスは会食やら何やらで夜遅くに帰ってくるはずだ。
しかし、胸に手を当てて喜んでいる藍曦臣にもしや?とある疑惑が浮かぶ。
「よかった、叔父上に会食を代わってもらった甲斐があったよ」
「断ったらどうするつもりだったんだ」
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