吐く息は甘く「う……？」
ギシギシと痛む関節を動かして、薄く目を開ける。視界は暗いが、それがむしろちょうどいい。棺の蓋を開け、外に出るのに若干苦労しながら原因を探す。
目を開けたのは、鼻先に匂いを感じ取ったからだ。吐息を吐かねば、その匂いを感じ取ることは出来ないはずの鼻先に、人間の気配を感じとったその理由は、他でもなく誰かが呼吸をしているということ。
寝床、というより封印に近い状態の自分がいるこの場所に足を踏み入れる存在などそうそう無いはずなのに、妙だと思いながらぼんやりと考え込む。
（甘い…）
しかし、その匂いは今まで嗅いだことの無い類のものだった。認識できるということは人であることに間違いなさそうだが、そうだとしてもこの匂いはおかしい。

耳环【イヤリング】 松野千冬耳上缀着一只耳环，是最简约常见的款。银色的一抹，在金发和阳光的映衬下偶尔会闪闪发光，格外打眼。

“明明是很普通的，为何会那样让人在意？”

场地圭介并不是一开始就注意到那只小圈儿的，毕竟比起一只普通的银环，夸张的飞机头和少年挑衅的姿态来得惹人注目得多。

是何时开始注意到他/它的？
说不清。

自那一次出手相助后这个叫千冬的少年就开始跟着他了。场地还记得刚见面时千冬桀骜的模样。顶着一头金发十分张扬的宣告了开场白，最后却坐在自己旁边一个个指出错字来。短短一封信，遭了不少指指点点好歹也是进步了。至于之后路见不平，拔刀相助场地到没觉得有什么。

“看他们很不爽啊”他想着，也如此说了。

于是扯下发圈，摘掉眼镜，拳头砸在皮肉上一下下闷响，这是场地圭介。