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    nicola731

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    nicola731

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    顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。前回の話
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1112421&TD=4197
    https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。

    #顕道
    keyence

    顕光は表向き、ビル屋の社長で中古車販売も手掛けていて飲食店を小規模ながらチェーン展開している、つまり実業家だった。だからその付き合いでパーティーに呼ばれることもする。人付き合いは疲れるが華やかな場は好きだ。可愛がっている自分の腹心を飾り立て、隣に侍らして来場客全員に自慢できる折角の機会が与えられる。可愛い養い子を自慢できるとなれば顕光も俄然行く気になる。秘書の呆れた視線を気にすること無く仕立屋を呼んであれこれと生地を体に当てさせて、それこそ道満が飽きてふて寝するまで注文を付ける。月一でパーティーにお呼ばれしたいくらいだった。
     反面、裏稼業の会合やら商談やらは嫌になる。駆け引きも面倒だし金勘定で一々ケチを付けてくる奴もいるので苛立つ。顕光は自分が賢い人間だとは思わないが馬鹿馬鹿しい話し合いはうんざりする。それに護衛の数は限定されるのでいつも道満を連れて行くのだが、相手方が道満を見て怯えるのもムカつく。


     今夜は嫌いな裏稼業の会合がある。顕光は行く前から嫌だったし、会場に到着してからも気分は底に落ちていた。壁の花を決め込んで、供に連れてきた道満の顔を眺めていないとやっていられない。道満は旨い飯と酒があれば良いらしく笑顔で隣に立っている。「片手に空のシャンパンボトルを持っていても可愛いなぁ」「ラッパ飲みしてても可愛いなぁ」とぼんやりしていれば、格下が話し掛けてきた。一度か二度利用した密輸業者だ。屈強な護衛二人を侍らせている。
     顕光は道満に空き瓶を片付けてくるように言い付けて自分は話し掛けてきた相手とラウンジへと出る。ラウンジの隅にはプライベート用の小部屋がある。中に入ろうとしたところで道満が彼等に追い付いた。
     小部屋の中にはソファセットとローテーブルが置かれている。顕光が上座に腰を下ろせば、気を利かせたウェイターが入室し軽めの赤ワインをボトルクーラー毎、グラスと共にテーブルに載せて去っていった。ワインを二つのグラスに注いだのは密輸業者の護衛だった。警戒されているのか、道満は扉の前まで追い遣られている。道満は見上げるほどの巨躯だが密輸業者の護衛二人は道満と同じくらいに背が高く、筋骨は道満よりも発達していた。顕光の腹心を恐れているのか、護衛達は道満ばかり注視している。それもそうか、と初老の顕光は嘆息する。
     ワインを舐めつつ、一通り目の前に座る若い密輸業者の話を顕光は聞いてみた。聞くに堪えなかった。時間の無駄だった。顕光は彼から業務提携を持ち掛けられた。驚くべき事に利益は「折半だ」と言われた。一度か二度しか使ったことのない格下の雑魚にそんな
    提案をされた。顕光は噴き出さないようにするのが精一杯だった。笑いを堪えている顕光に道満は目配せする。道満は許可を待っている。顕光は片手を振って腹心を待たせる。
     真面目に取り合うつもりのない顕光に密輸業者はカッとなって罵りを零した。
    「ガキ犯して喜んでる尻擬きがよ、落ち目の爺が良い気になりやがって。あのゲロマブに毎晩鳴かされてんだろ」
     それを聞いて顕光は呆れて困ったように笑う。道満は後ろ手に部屋唯一の出入り口に施錠する。顕光は流れるような動作で立ち上がり、ボトルクーラーに入っていたワインの首部分を掴んで引っこ抜いた。そしてそのまま思い切り密輸業者の頭に振り下ろす。瓶というものは案外硬く作られていて、ビール瓶であれば頭蓋骨よりも硬い。若者はそれで脳天を殴られて、見事中身をテーブルにブチ負けた。赤とピンクのマーブル模様が前衛的な文様を描いている。
    「最高に面白かった。もう一度言ってくれよ、なあおい」
     無表情の顕光は革靴の裏で密輸業者の溢れた脳味噌を踏み付け、中身が入っていたはずの頭を床に蹴り落とす。靴底にこびり付いた脳神経付きの脂肪に向かって「おーい聞こえてねぇのか?」と声を掛ける。応答が無いと分かれば密輸業者の死体をドアマット代わりにして靴の汚れを落とした。
     護衛二人は、見た目が小柄で年老いているはずの顕光があっさりと雇い主を殺してしまったので呆然としていた。だから顕光が「道満、よし」という号令を掛けたのに反応出来なかった。その刹那に彼等を襲ったのは道満の掌底で、顔の中央が拉げて死んだ。
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    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)まで行かない現パロ
    元ネタ
    https://twitter.com/nicola731/status/1382088577497001984?s=21
    「現パロ晴明さんの職業を映画監督にするともれなく主演俳優の道満がずっと「何言ってんだコイツ」って顔してるメイキング映像が浮かぶ(テネットのあれ)」
    今後道満は同級生の納言ちゃんに「それは推しだよ」とか教えてもらう。
    夏休みの間に行われる夏期講習は半日で終わってしまった。高校一年生だから今から必死に受験勉強をするのも、と教師はやんわりと生徒達を宥めた。道満もその一人で、真夏の昼過ぎに学校の外へと放り出された。図書室や自習室を使えれば良かったのだが三年生達で一杯だった。仕方なく道満は日陰を渡り歩いて駅まで向かう。
     まだ高校で友人はできていないし、そもそも道満はあまり人付き合いをしなくても平気だったから遡って友人らしい友人がいたことはない。だから一人で図書館にでも行こうと思った。駅まで真っ直ぐ大通りを進んでいく。道の日当たりは良くて、歳の割りにかなり身長の高い道満の頭はじりじりと灼かれた。酷く熱くて参ってしまう。
     涼しいところに行きたいと思った。それでふと駅の近くにある劇場の掲示が目に入った。平時であれば何とも思わないが、暑さのせいで変な気紛れを起こした。財布にはチケット代分の金額が入っている。高校生になったのだから「観劇」を経験してみるのも良いだろうと思った。子供らしい背伸びだった。
     チケット売り場で当日券を買い求めて、フライヤーと共に受け取って席へと向かうと最前列だった。道満は「マズい」と思っ 2331

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。前回の話
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1112421&TD=4197
    https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。
    顕光は表向き、ビル屋の社長で中古車販売も手掛けていて飲食店を小規模ながらチェーン展開している、つまり実業家だった。だからその付き合いでパーティーに呼ばれることもする。人付き合いは疲れるが華やかな場は好きだ。可愛がっている自分の腹心を飾り立て、隣に侍らして来場客全員に自慢できる折角の機会が与えられる。可愛い養い子を自慢できるとなれば顕光も俄然行く気になる。秘書の呆れた視線を気にすること無く仕立屋を呼んであれこれと生地を体に当てさせて、それこそ道満が飽きてふて寝するまで注文を付ける。月一でパーティーにお呼ばれしたいくらいだった。
     反面、裏稼業の会合やら商談やらは嫌になる。駆け引きも面倒だし金勘定で一々ケチを付けてくる奴もいるので苛立つ。顕光は自分が賢い人間だとは思わないが馬鹿馬鹿しい話し合いはうんざりする。それに護衛の数は限定されるのでいつも道満を連れて行くのだが、相手方が道満を見て怯えるのもムカつく。


     今夜は嫌いな裏稼業の会合がある。顕光は行く前から嫌だったし、会場に到着してからも気分は底に落ちていた。壁の花を決め込んで、供に連れてきた道満の顔を眺めていないとやっていられない。道 1746

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。らくがき。https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。
    そろそろ鰆の旨い季節だと思いながら、顕光は夜の執務室で決算書類を処理していた。表稼業の不動産と輸入会社の書類だけで机は一杯になる。なのに裏稼業のほうまで膨大な書類になるのだからうんざりしてしまう。ただサインをするだけなのに朝からやってまだ終わらない。
     万年筆を広い机に放り、顕光は立ち上がった。卓上の電話で隣室にいる秘書に内線を掛ける。
    『はい、橘で御座います。お茶ですか? 旦那様』
    「まだ何も言ってないだろ。今日はもう仕事しないぞ俺は。疲れた、飯食ってくる」
    『お供しましょうか?』
    「いや、お前はもう帰りなさい。道満と寿司食ってくる。あれは今どこにいるんだ?」
     顕光が一番の腹心の居所を聞くと秘書は『地下で作業中です』と答えた。顕光は秘書に礼と労いを言い、電話を切った。上着を羽織って彼は執務室を出る。顕光が所有するこのビルには地下がある。執務室は最上階、道満がいる作業場は地下の一番下にある階だ。エレベーターに乗り、一番下へと下りていく。
     スマートフォンで最寄りの寿司屋を探している内に、エレベーターの箱は地底へと辿り着いた。
    「寿司、寿司屋……舟盛り出してもらえるところが良いな……道 2576

    nicola731

    DOODLE生前の顕光殿と道満の顕道。捏造。息抜き。
    おれのかんがえたさいきょうの顕光殿。
    内裏から帰る道中、顕光はうとうとしながら牛車の揺れに身を任せていた。もう日が暮れ始めていた。牛が一声吼えた。早く帰らなければ、夜はすぐに迫って来る。牛にさえ、夜の都は恐ろしいのだ。外の従者達も不安であろうと主人は案じる。
     顕光は微睡みを振り払おうと頭を振った。その時、揺れる牛車の音に混じって女の啜り泣きが聞こえた。空耳かと思って耳を澄ます。やはり、若い女が啜り泣いている。
    「おい、止めてくれないか」
     顕光が声を掛ければ車は止まる。家令が外から主人を呼んだ。
    「顕光様、何かありましたか?」
    「何処かで娘が泣いておらんか? 声が聞こえる」
    「見当たりませんが。もう黄昏ですよ。この辺りに住まう者であれば疾く帰る時分です」
    「お前、少しその辺を探してみなさい。いなければいないで構わんから」
     家令は主人の言葉に溜息を吐く。それから従者達の中から一人呼んで、二つ先の通りまで見に向かった。
     鬼の出る都で女の啜り泣きが聞こえる。娘を持つ顕光にとっては他人事ではないのだ。心配にもなる。
    「本当に心配だ。聞き間違いであればそれが一番良いのだが」
     誰に聞かすわけでもなくそう呟けば、若い女の声が物見 2814