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    karakusa28883

    @karakusa28883

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    karakusa28883

    MOURNINGイライラするとタブレット食べるケントの話

    続きは書くかもしれないし書かないかもしれない
    ミントタブレット カーター・ホールは苛立っていた。
     会議室の大きなスクリーンの向こうには、無愛想な顔の官僚が映し出されている。1時間前からずっと同じ顔の男。たまに秘書らしい女性が資料を差し出してくるのを別にすれば、男は淡々とした様子で堅い言葉を並べ立てている。抑揚の乏しい口調。事務的で目の前の資料を読み上げているだけのように思える。
     これは到底話し合いとは言えないな。ケントは会議室の椅子の中に身を沈めながら思った。会合の前面に立ち、男と話しているカーターの苛立ち様と言ったら。極力冷静に、口調は静かに荒らげず、できるだけ感情的にならず、そう努めているようだったが、普段ならば必殺の戦鎚を振るう肩が小刻みに震え、テーブルを叩く指先が、木製の表面を傷つける。次は特注で作らせた高画質のスクリーンを殴って破壊するのではないかとさえ思えた。カーターはよく耐えている。ケント自身よりもずっと。彼は、上着の内ポケットからタブレットケースを取り出して、中のミントタブレットを一粒指先でつまむと、口の中へと運んだ。
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    karakusa28883

    DONEベッドを出ていく彼を引き止める方法について
    シャワータイムラブストーリー「シャワーを浴びてくるよ」
     ケント・ネルソンはそう言って、もぞもぞと身じろぎした。胸の上に絡みついていた、事後の熱冷めやらぬカーターの腕をするりと押しやり、おざなり程度に裸体を隠していたシーツの中を泳ぐようにしてベッドを出ていこうとする。その腰のラインや足の付根や、乾いた太ももを名残惜しむようになぞってみたけれど、ケントの方はくすぐったそうに笑いながら、そっとカーターの意図を阻止してくる。
    「ケント」
    「すぐに戻るよ」
     一枚しかないシーツをぐいぐいと引っ張られるのを成すすべなく持っていかれる。
     ケントはいつだって、一人先にベッドを出ていく。別に、事後の甘ったるい雰囲気が嫌いだとか、くすぶる熱を探り合う駆け引きが嫌だとか、そういう理由でないことはカーターもよくわかっている。単純に、ケント・ネルソンという男は綺麗好きであり、やや潔癖なところがあるというだけのことだった。つまるところ、激しく求め合い、互いの乾いた肌が汗に濡れて、ぬるついた体液を混ぜあい交わり、緩やかに乾いて冷めるよりも前に、すっかり洗い流したいという、ただそれだけの理由だった。だから、綺麗さっぱり汗と汚れを流し、満足いくまで温かい湯に体を沈めて、まるで一種の儀式のようなシャワータイムが済んでしまえば、彼はこざっぱりした格好でベッドへ戻ってきて、カーターをシャワールームへ押しやる。
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