訪問者「ん~……異界帰りのせいだけじゃないみたいだね」
ビールを飲み干した後、マダムは自分の荷物から取り出したゆったりしたワンピースに着替えた。下ろしていた髪を兎のマスコットのついたシュシュで束ね、スタイリッシュな老眼鏡を装備し、ソファのギョンフンの定位置に座り込んで、渋い顔でそう言った。
どうやらさっきまでの服装はパーティに参加するためだけのものだったらしい。
「元々の体質ってことですか」
「うん。あたしがわざわざ会いに来る気になるっていうのも珍しいし、サンウォンさんは元々、運が相当いい方だろう?思うに、父娘とも追い詰められると『呼ぶ』んだろうね」
「イナも?」
夕方にはイナが戻るが、向こうの親御さんが送り届けてくれるそうだ。急に知らない人間がいて驚かないようにメッセージを送った。
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