Let me know ――バチが当たったんだと、思う。
分不相応なことを望んだから。
己の立場を弁えなかったから。
「最悪だ……」
言葉と共に吐き出された息は白く、夜に溶ける。視界の隅にチカチカと点滅している明かりが入るのは、クリスマスのイルミネーションだろう。
街は人通りが多かった。小さな子供連れの家族、仕事帰りのビジネスマンたち、そして楽しそうに笑って腕を組むカップル。
今夜は、特別な夜だ。
クリスマスイブ。聖夜。
宗教的な理由なんて必要ともせず、人々が浮かれる夜。
平日とはいえ、年に一度のこの夜を楽しむ者は多いらしい。あちらこちらの店から流れるクリスマスソングが、寒い夜を彩っている。
そんな中で新一は一人、コートのポケットに手を入れたまま佇んでいた。
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