我らが世界の産声をここに:番外編 (甲)『Ἐγώ εἰμι τὸ Ἄλφα καὶ τὸ Ὠμέγα,
(わたしは“アルファ”であり、“オメガ”である)
ὁ πρῶτος καὶ ὁ ἔσχατος,
(最初であり、最後である)
ἡ ἀρχὴ καὶ ἡ τέλος.
(初めであり、終わりである)
「ヨハネの黙示録22章13節」』
その出会いは鮮烈だった。
「俺の名は、食満留三郎!」
食満。本来それは劣等種の名のひとつであるはずだ。蔑むべきもの、対等ならざるもの。
「お前、一年い組の潮江文次郎だな」
その本質は、淫乱痴気。他者を惑わす卑しき者。
「この前の実技試験で、一等だったんだって?」
その美しさに惑わされてはならぬ。その声音に惹かれてはならぬ。
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