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    china_bba

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    china_bba

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    スペサカキ様お誕生日おめでとうございます!
    ナツメがサカキ様に誕生日プレゼントを渡す話です。第一章。

    太陽と月 季節は、夏。
     照りつける灼熱の太陽のごとき情熱を、確かに胸に抱いているあなたに。あなたなしでは決して輝けない、月のような私から。
     
     扉をノックした。
    「入れ」
    「失礼します」
     アジトの最深部の、小さな部屋。サカキ様は椅子に腰掛け、研究室の資料に目を通している。
    「ナツメか。どうした」
     資料から目を離さずに、サカキ様は私の名を呟いた。
    「……今、お時間よろしいでしょうか?」
    「構わん」
     サカキ様が資料を机に置いて、こちらを向く。にわかに、緊張が走る。……ええい、大した用事ではない。すぐに終わりにすればよい。
     左手を、ぎゅっと握りしめた。
    「サカキ様。お誕生日、おめでとうございます。
     こちら、大したものではありませんが、受け取って頂けると幸いです」
    「……」
     サカキ様は、驚いている様子だった。唐突だったかしら。まあ、でも、誕生日祝いなんてそんなものだし。
    「……そうか。そうだったな。この年になると、あまり人に何かを言われる事も無い。すっかり忘れていた。ありがとう」
    「はい」
     良かった。受け取ってもらえた。
    「中身を、開けてもいいか」
    「どうぞ」
     サカキ様が箱を開ける。中に入れているのは、濃いグリーンのハンカチ。
    「ふむ。悪くないセンスだ」
    「それから、……これを」
     小さな包みを差し出した。サカキ様は、それもすぐに開ける。
    「これは?」
    「お守りです。我らの大願成就を祈って」
    「フッ。意外だな。お前はこういうものには、頼らないと思っていた」
     小さく笑われてしまった。面白いものを見るような目が、こちらに向けられる。やや恥ずかしい。
    「部下の好みすら分からんようでは、俺もまだまだかもしれないな」
    「いえ。そんな事は……」
    「お前さえよければ、今晩、食事に行かないか。もっとお前の事を教えてくれ」
    「!」
     突然のお誘いに、返事が出来ない。言葉が紡げないまま、口がぱくぱくと動いてしまう。いつの間にか、私が驚かされている――
    「フフフ」
     サカキ様は楽しそうだ。さっきより、もっと、面白いものを見るような目をしている。
    「い、行きます。行かせてください」
    「決まりだな」
     ふんわりと、優しく笑う。ああ。いつまでも見ていたい笑顔だ。プレゼントを渡せてよかった。渡してよかった。願わくば、ずっとこのお方に仕えていたい。
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