その時複数の時間軸、複数の世界線の上空に一瞬、緑の光条が流れた。
決して多数ではないが、何人かが偶然、それを見た。
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「あっほら見てトランクス、悟飯くん。あれ」
と、ブルマが割れ窓から夜空を仰ぐ。
「うわ綺麗、流れ星……だよね? あいつらの色じゃ、ないもんね?」
「ああ」
ならこうしちゃいられない、とトランクスは慌てて組み合わせた手に額を付ける。
「熱心だなトランクス。何をお祈りしたんだい?」
碧い流星は一瞬赤く強く輝き、それきり消えた。
人工衛星の欠片か何かが重力につかまり、大気圏で燃え尽きたのだろうとブルマは思った。
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