「お願いします…いえに、帰らせて下さい」
部屋に入ってきた紅い騎士の足元に這いずり無様な土下座をし懇願する
右腕と左足が無いためかなり不格好な姿だが、今の旬に出来る行動はこれしか無かった。
「妹が、1人で待ってるんです…おねがいします…」
欠損し、まともに歩けない旬はこの紅い騎士に頼る他無い、葵の元に帰れるならプライドなんて捨てられる
どれくらいそうしていただろうか
不意に紅い手が頬に添えられる、驚き顔を上げると
騎士が旬の前にしゃがみ込み見つめていた
「あ、の…」
するすると何度も撫でる手に困惑するが、おずおずと撫でる手に擦り寄ると紅い騎士の目がわらっていた
満足したのか、纏っていた紅いマントを外すと、旬に掛け直し片腕で簡単に抱き上げられる
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