時刻は六時。今日もまた、朝を迎えた。
ベッドから降りて自室を出る。洗面所で顔を洗って、残った眠気を完全に醒ます。次に専用のスマホを手に取り、通知を見た。
「……ん、良かった」
通知に『異常 』はなく、いつも通りの数値が表示されている。ひとまず朝の懸念はこれで解消された。
ならば先に朝ご飯の準備をしよう。台所に立って、一通りの支度を済ませる頃には一時間が経っており、時刻は七時を迎えていた。
そろそろ明智も待ち飽きている所だろう。コンロの火を止めて、明智の自室へと向かう。ノックをして、返事を待たずに部屋に足を踏み入れた。
「明智、おはよう」
声をかけながら傍まで歩み寄ると介護用の電動ベッドの上に居る明智は、返事をする代わりにこちらを見上げた。
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