【宗遙】とろり、とろけて。狼さんと黒猫の熱い夜宗遙ハロウィン
とろり、とろけて。狼さんと黒猫の熱い夜
「んじゃ、まったなー!」
「「お邪魔しました」」
旭の明るく元気な声と、郁弥、遠野二人の挨拶は見事にハモって笑いながらウチをあとにする。
「俺達も帰ろうか、凛」
「おー、これだけ片付けちまうよ」
「凛、あとは俺と宗介でやる。終電近いだろ?」
三人を見送ってリビングに戻れば、片付けてくれていた凛と真琴が帰り支度をしていた。
「わ! 凛、走らないとマズいかも!」
「マジか! パーティー楽しかった! またな!」
「ああ、また」
「凛、転ぶなよ?」
ハルの横を慌ただしく通る凛に忠告すれば「転ばねぇよ!!!」と言いながらも満面の笑みで帰って行った。
みんなを見送って、二人並んでソファに座っていると、ハルが甘えるようにすり寄ってきた。
「……楽しかったな、ハロウィンパーティー」
目を細めて笑うハルの頭にはネコ耳カチューシャがつけられている。俺は狼男ってことで狼耳の被り物を身につけた。
「そうだな。凛は凝りすぎだったけどな?」
「真琴のも、凛が用意しただけあったな」
凛は吸血鬼、真琴はフランケンシュタインだったんだが、うちに来るなり着替えとメイクまでバッチリでなんかのイベントに参加でもしたらキャアキャア言われていたに違いない。
郁弥たちは、俺やハルのように簡単な被り物で魔法使いの帽子に死神やカボチャのお面だったからな。
そういや、途中郁弥がハルと揃いでネコ耳着けて写真撮ってたからあとで貰おうなんて思っているとクイと服の裾を引っ張られる。
「どうした?」
「宗介、トリックオアトリート」
突然言われて目を丸くしちまった。こてん、と小首を傾げて言う仕草が可愛いなチクショウ。
「もう菓子はないから、トリックで」
そう言うと、ハルは何やら意味ありげににんまりと笑う。なんか企んでやがるな?
すると、どこに隠し持っていたのか飴玉にしては大きめの包みを取り出してくるくると開き、中身を差し出してきた。
「あーん」
いや、意外とデカいぞ? と思いながらも一口で食べる。チョコだったようで、口の中で溶け出して何やら甘ったるい液体が溢れる。
「何だこれ? すげぇ甘いんだけど……」
俺がそう言っている目の前でハルも同じものを頬張る。
「本当だな……甘い」
眉間に皺を寄せながらもゴクリと飲み込んで、ジッと見つめられる。パーティーで飲んだ酒のせいなのか、少し顔が赤くなっている気がした。
「なぁ、これのどこがトリック何だ??」
聞いてみれば、何か言う前に首に腕を回され、唇を塞がれる。熱を保った唇は熱く、少し開いていた隙間から舌が差し入れられる。その舌を絡め取って吸い上げてやればくぐもった声が微かに漏れる。
「ッ、ふ……ん、ぁ」
これはきっと誘われているんだろうな、と思いながら服の中に手を入れて腰を撫でれば、ゆっくりと唇が離される。
ペロリ、と口の端を舐めるハルが何とも妖艶な雰囲気で「毒です」ってどっかの小説の主人公みたいなことを言い出しそうだなんて思ってしまった。
「さっきのチョコ、媚薬入りなんだ……」
「そんなもの食わせて、黒猫ちゃんはどうするつもりなんだ?」
意地悪く笑いながら腰を撫で続けていると、もどかしいのか腰が揺れている。
「……狼さんに、トロットロになるまで喰べられたい、ニャァ♡」
っていうスケベを書き上げたいですねぇ!!!(原稿しろ)