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    夕月葵(または凌霄花)

    こぎさに/リンぐだ♀小説。R-18。甘々~特殊傾向まで色々。百合、獣化、触手、複数などもあるかもなので閲覧注意。Twitter及びpixiv作品まとめ。

    Twitter:@sakuramauki
    特殊性癖用:@aoinosor

    pixiv:https://www.pixiv.net/users/2372566
    特殊性癖用:https://www.pixiv.net/users/59247182

    ※当創作を元にして創作をされたいというような方がいらっしゃいましたら絵でも文でも必ずご一報ください。喜びます(事後報告も可ですが無断はご遠慮ください)。

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    POIPOI 35

    こぎさに。甘いちゃ。ほぼキスしてるだけのお話。リハビリ用。

    #こぎさに
    oldTreeSapling
    #女審神者
    femaleInquisitors

    溺れるほどに ゆるりゆるりと甘くあまく……
    撫でる手のひらが審神者の肌を滑り落ちて、くすぐるような動きをする指が離れたかと思えば、またと触れる手がその小さな身体を抱き寄せる。
     そうして審神者の首筋に小狐丸の唇が触れれば軽く吸い付いて、ちゅっちゅっと優しく何度もと吸っては離れていく。そしてもう一度……と。ぺろりと這う小狐丸の熱い舌の感触に審神者が思わず小さな声をあげてしまえば、笑う気配とともに身体の向きが変えられた。
    「いつまで我慢をするおつもりですか?」
     審神者に覆い被さる大きな身体は彼女を逃がさないようにしているようで、けれど体重などかけてはこない。元々その囲いから抜け出すことなど容易でありながら触れる小狐丸を拒まず好きにさせてしまうのは、審神者のほうもそれを望んでしまっているからだ。
     ゆるゆるとした甘い戯れは長く長く、審神者と小狐丸が褥の上にいる限りはいつまでも続く。触れるだけ、撫でるだけ、それでも心地好くて、審神者はふわりとした小狐丸の柔らかな白い髪に触れる。
     そんなふうにしてただ穏やかに触れ合っていれば、次第に眠気のようなものに襲われて、でもそれを口にするのは恥ずかしいから黙ったまま審神者は目の前にある彼の顔を見つめていた。
     この部屋にはふたりきり。お互いしか見ていない。だからこんなにも無防備で安心しきっていて、それにより、いつもより少し甘えたいような気持ちになっているのだ。
     審神者はそっと手を伸ばして、自分の上にいる小狐丸の首の後ろに回した。それからゆっくりと引き寄せるようにすれば、彼は素直に従ってくれて、やがてそのままの距離がゼロになる。
     唇が触れ合い、抱き締められて、審神者はそれに身を任せたまま、ずっとこのまま時を過ごしていければ良いと思った。しかしそれは叶わない願いである事を彼女は知っている。何故ならここは本丸であり、刀剣男士たちは主のために戦ってくれている。その事を忘れてはならないのだと己を律する心も持ち合わせているつもりだった。
    「ぬしさまっ」
     突然、慌てた様子の小狐丸の声が聞こえたかと思うと、強く抱き寄せられて彼女の視界には天井が広がっていた。何が起こったのか分からないままに視線を動かせば、そこには自分を見下ろす彼がいる。
    「……んっ……」
     先程よりも深く口付けられて、呼吸すら奪われてしまいそうな感覚に陥ってしまう。息苦しさに僅かに口を開けば、それを待っていたかのように小狐丸の舌が入り込んできた。
     舌先で上顎や歯列までもなぞられ、絡め取られて吸い上げられ、また絡む舌先が水音を立てる。そんなことを繰り返されていれば自然と身体からは力が抜けていき、何も考えられなくなってしまう。
    「んぅ……ふぁっ……あっ……ん」
     審神者を抱きしめながら離すまいとする腕の力強さに反して、与えられる口付けはとても優しいものだった。
     ちゅっちゅっと繰り返されるリップ音が耳の奥に響いて、脳裏にまで染み込んでいくような気がして、思考まで麻痺していく。蕩けるほどに優しく愛されて、幸せすぎて胸が苦しいくらいだ。
     小狐丸の唇はそのまま首筋へと下りていく。何度か軽いキスを繰り返してから舌を這わせ、軽く吸い付くようにして紅い痕を残していった。
     そうしながら片手は審神者の服の中に入り込み肌を直接撫でる。直接触れられることにあまり慣れていないためか、審神者が小さく震えれば宥めるように脇腹を撫でられる。そして再び審神者の頬に、目尻に、額に、鼻先に、瞼に、小狐丸の唇が降りてきて、最後にもう一度、今度は唇へ。
     唇が離れると審神者が小狐丸の顔を見上げる。するとすぐにまた口づけられた。
     啄むように何度も何度も、角度を変えながら、小狐丸の唇が審神者のそれに触れる。時折、小狐丸の指が悪戯するように動いて、審神者が身体を震わせると楽しげに微笑んでまた口付けられる。
    「ぬしさま、私を見てください」
     言われて、ぼんやりとした頭のまま小狐丸を見る。そして、次の瞬間、ぞくりと背筋が粟立った。その瞳に浮かぶのは情欲の色。隠そうともしないままに真っ直ぐに見つめられれば、身体の奥底から何かがこみ上げてくる。それが羞恥なのか期待なのかわからずに戸惑ううちにも、小狐丸の手は止まらない。
     大きな手が、熱を持った手のひらが、審神者の体を這い回る。その度に、ぴくりと体が跳ねた。彼の手はどんどん大胆になってくる。服の中に入り込んだ手に下着越しに柔らかな膨らみを包まれて、ゆっくりと揉まれる。
    「んっ……あ……っ」
     声を抑えたくても抑えきれない。恥ずかしくてたまらなくて、顔を逸らす。そんな審神者を見て、小狐丸は嬉しそうに笑った。
    「あまり見ないで……」
     あまい、あまい瞳が映す自分の姿に耐えられずに、両手で顔を覆う。
    「何故です?こんなにも可愛らしいというのに」
    「かわいくなんか、無いもん」
    「いいえ、可愛いですよ。私のぬしさまといえば、どんな些細なことでも、何をしていても、私はかわいいと思ってしまいます」
    「もうっ……そういうこと言わないで」
    「本当の事なのですが、お気に召しませんか?」
     少し困り顔になりながらも、小狐丸は審神者の体に触れ続ける。あるいは髪に、あるいは肩に、あるいは腕に、手のひらに――触れて、口付けて、舐めて、吸い付いて、甘く噛みついて、審神者から零れる吐息さえも飲み込むようにして深く口付ける。
    「んっ……ふっ……んんっ」
     熱い舌先が絡み合うたびに、頭の中まで蕩けてしまいそうになる。時々思い出したかのように柔らかな胸の先端を摘ままれて、軽く引っ張られて、そのたびに身を捩らせてしまう。
     小狐丸に与えられる刺激全てが気持ちよくて仕方がない。けれど、まだ駄目とその腕を掴めば、小狐丸は不思議そうな表情を浮かべながら動きを止めてくれた。
    「如何されましたか?」
    「あのね、今日はゆっくりするって決めたの」
     そう言って審神者が小狐丸の首筋に抱きつく。そんな審神者をしっかりと抱きしめながら、小狐丸は優しく頭を撫でてくれる。
    「申し訳ございませぬ。つい夢中に……。ぬしさまが嫌だというのならすぐにでもやめる所存ゆえ、どうか許してくださいませ」
     小狐丸の言葉は本心だ。本当に反省しているのだろう。ふわりとした長い髪に触れていき、審神者は小狐丸の獣の耳に触れる。審神者にはあまり見せたくはないと言うその姿は、けれど審神者にとっては愛おしくて仕方がないもの。
     極となってからは、小狐丸との距離が更に近くなった。抱き締めるときも、口付けるときも、とてつもない甘さを持って触れてこられて、恥ずかしくて、でも嬉しくて、審神者ももっと触れたいなんて思ってしまっていて。だからこうして言葉を交わして気遣いを見せられるとどうしようもなく胸がきゅっと苦しくなる。
    「そうじゃないの小狐丸。私だってもっと触れたいの。もっと私が知らない小狐丸を……知りたいの」
    「ぬしさま……」
    「ねぇ、お願い。小狐丸のこと全部教えてほしいの。私にできることがあれば何でもしてあげるから」
     審神者が小狐丸の髪を撫でる。それに心地良さそうに目を細めた後、小狐丸は審神者の手を取ると自分の胸へと当てた。
    「獣の本性など良いものではございませぬ。人の身を得たとはいえ、我らは本来人とは違う生き物。それを恐れることなく受け入れようとしてくださるのは大変嬉しいのですが、ご無理だけはなさらぬように」
    「小狐丸。私は小狐丸のことが大好きなんだよ? 好きで好きで、だいすきで……
    ずっと一緒にいたいって思ってるから……」
    「なりませんよ、ぬしさま。それ以上はどうか。私が止められなくなってしまいます。……ああ、これを、ここにある『獣(本性)』は、ぬしさまを愛するためにあるのですから……」
     その想いで審神者を傷付けたくはない。それは審神者と出会って小狐丸が初めて知った感情だ。彼女を大切にしたいと思いながらも、存在する『獣』の本能を抑えることができない己の不甲斐無さに、小狐丸は思わず苦笑いを浮かべてしまった。
    「止められなくなるのです。ぬしさまのことが、ほしくてほしくて……この身体も、心も、全て私のものにしてしまいたいと、そんなことを思ってしまう」
    「私のことを好きにするのは……嫌?」
    「そのようなわけがありませぬ! ですが……いえ、もう何も言いませぬ。ただ今は、ぬしさまを感じさせていただきたく思いまする」
     小狐丸の手が審神者の体をなぞっていく。その指先一つ一つが、熱をもっていく。触れる度に漏れ出てしまう吐息をすべて飲み込むように、重なる唇はとても甘くて深い。
    「ん……っ、ふ……っ」
    「ゆっくり、するのでしょう?」
    「ん……っ」
    「これ以上は、もちませぬ……」
    「ふ、ぁ……っ、こぎつね、まる……っ」
     絡まる舌に応えて、審神者がぎゅっと小狐丸に抱きつく。自分からと拙いながらも舌を一生懸命に絡ませてくる健気さに、小狐丸の理性はゆっくりと溶けていく。
    「あ……ぅ、はぁ、はー、はぁ……」
     長い口付けのあと、離れていった舌先が名残惜しくて、審神者は無意識のうちに口を開けていた。まるで餌を待つ雛鳥のような姿に、小狐丸が笑みを深める。
    「可愛らしいお方ですね……。私だけに見せてくださるそのお姿が、たまらなく愛い」
    「ん……っ、ふ……っ」
     もう一度重ねられた唇は柔らかくて熱い。
    「ふふ、ぬしさまとの口吸いは気持ちが良いもの。何度しても飽きることなどありませぬな……」
    「わ、私だって、同じだよ……」
     何度もしているはずなのに、未だ慣れない。小狐丸に触れられるだけで体がどんどん火照って、恥ずかしくなる。それでも小狐丸に触れたいと、触れてほしいと思うのだから不思議だ。
    「小狐丸……、もっと触ってほしい……」
    「えぇ、もちろん。ぬしさまのお望みのままに……」
    「あっ……」
     小狐丸の唇が首筋に触れる。軽く吸われて、小狐丸の頭が動くたびにぞわりとした感覚に審神者の身体が震える。ちゅっと音を立てて離れたあと、また強く吸われれば、そこには赤い痕が残る。
    「あ、待っ、そこじゃなくて……っ」
    「ではこちらですか?」
    「ひゃう!」
     反対側の首筋にも同じように印をつけられ、小狐丸の唇はそのまま下へと向かっていく。唇が触れるたびに審神者から甘い声が零れて、真っ赤に頬を染め上げながら潤む瞳が小狐丸を見つめる。
    「ん、ん、ちが、そっちじゃないのぉ……」
    「ふふ、わかっておりますよ。ですからこうして……」
     小狐丸の頭が再び審神者の下腹部へと降りていき、今度はそこへ唇を落とした。そしてそのまま、審神者を味わっていく。ゆっくりすると、その言葉の通りにじっくりと時間をかけて丹念に舐めあげて、時に噛みつき強弱をつける動きに審神者の腰が揺れてしまう。
    「これ以上は、おあずけですよ、ぬしさま」
    「は……ぅ……」
     ぺろりと唇を舐めて、力の抜けきった審神者の赤い頬を小狐丸が包み込む。
    「かわいいかわいい、私だけのぬしさま……」
     ちゅっと唇に触れれば、それはまたすぐに深く。甘く蕩けるような口付けを交わしているうちに二人の体は自然と重なり合う。ゆっくりとした動作で、お互いの熱を感じるように抱きしめ合って、そして、甘えるように身を預ける審神者に優しく微笑んで、小狐丸は彼女の身体中に唇を落とした。
    「ん、ん……っ」
    「ふふ、くすぐったいですか? ですが我慢してくだされ」
     あまく、あまく――
    「ああ、申し訳ございません。今のは間違いにごさいます。ぬしさま、まだ……」
    ――我慢できますか……?
     あまい、声が響いて。
    「ふぁ……、こぎつねまるぅ……」
     蕩けた声に、小狐丸はまた審神者に唇を重ねる。
     かわいいかわいい、私だけの――
    「愛しております。ぬしさま……」
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    TRAINING小狐丸は自分の「ぬしさま」以外にはどこか冷たくて、自分の「ぬしさま」にはとてもとても甘くて優しいのです。小狐丸はとても冷たい。
     いや、正確には『こちら』にいる小狐丸ではなく、よその――まだ主を持たなかった小狐丸であるが。
     初めて逢った時こそ表面的には物腰柔らかで紳士的ではあったにせよ、触れるはおろか近付くことすら許さないような、審神者を見るあの冷めた瞳の中にあったのは――……


     あの日見たのは月夜に舞う美しき獣。月の光を受けて輝く白銀がとてもきれいで――、ふわりと長い髪をなびかせ舞い降りた彼は、そこに現れた溯行軍を素早い動きで一掃した。
     その場にいた動けぬ人の娘を助けたのか、それとも単に目の前にいたアレ等が邪魔であったのか――後者かもしれないなと審神者は思いながらも、今ではあの小狐丸が認めた者に対する瞳を見れば、それもまた揺らぐ。
    「いかがされましたか、ぬしさま?」
    「……っ」
     優しい瞳を向けるのは『わたしの小狐丸』であり、そこに愛しさと甘さを宿すのも、この小狐丸だけで。
     あの野生の獣がそれを向けるのは、自身の唯一だけだ。
     そう、宿るものの違いに審神者が気付いたのは、あの小狐丸と度々山で遭遇していたから。主を持たぬ狐と思えば、いつの間にやら気に入りの者を見つけていたのか。 1048

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