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    sika_um

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    sika_um

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    ビリグレ ワンドロ お題:オフ

    オフ前夜「は〜、美味しかったネ!グレイ」
    「うんっ、SNSで話題になってる所だから少し混んでたけど、凄く美味しかった…!」
    「価格帯も手頃だったし、味的にも若い子ウケするのカモ〜?」
    「そうかも。…多分、妹とか弟も好きだと思う」
    「そう?なら今度は皆で来ようヨ!」
     藍色の空がビルの隙間から覗く。昼夜関係なく賑わうセントラルスクエアの街中、街頭に照らされた二人は制服ではなく普段着で肩を並べていた。トレーニング終わりに、どちらからともなく声を掛けたのだっけ。
    「ふんふーん♪」
     今にも歌い出しそうなくらい、ご機嫌な友達を見ているとこちらまで嬉しくなる。情報屋の仕事で収穫でもあったのだろうか。気になる。聞いて、みようか。真横を歩いていても、身長差からか彼の顔を覗き込む形になった。
    「…ビリーくん、何かいい事あった?」
    「! …ふっふっふ、流石グレイ!お目が高いネ♡」
     ゴーグル越しににも分かる、キラキラの碧と目が合う。
    「さて、ここでクエスチョン…☆ 明日のオイラ達のスケジュールは何でしょうか!」
    「…休み?」
    「ビンゴ!大大大正解のグレイにはキャンディをあげちゃうっ」
     パチン、と指が鳴る。すると彼の手のひらはカラフルな包みで彩られていた。オレンジ色の包みを貰うと残りはポケットに詰め込まれた。
    「そっか、お休みか」
     グレイのオフと言えば、朝から積んであるゲームや漫画の消化、夕方になれば実家に顔を出しバディの散歩に繰り出すのが定番になりつつある。ビリーの誘いで街へ出かける事も増えたが、それも彼の情報屋の仕事が滞っていない時に限っての話だ。なんだかグレイから仕事の進捗を聞くのは憚られ、自ら誘った事は一度もない。
    「ね、明日はドコにいく?グレイ、好きな作品の原画展やってるって言ってたよネ?」
    「へ、」
    「え?」
    「あ、明日…?」
    「…………………………アレ?!もしかして、何か予定入ってる?!」
    「は、入ってないです!!」
     思ったより大きな声が出たらしく、道行く人々からの視線が刺さった。恥ずかしい。ビリーは余程ショックを受けたのか、眉をハの字に曲げて弁解する。
    「ほら、久々に二人とも同じ日にオフでしょ?だから、一緒に出かけたいな〜、って思ったの。…思ってただけで、グレイに聞くの忘れてたんだケド…」
     唇を尖らせて、どこか不服そうだ。ビリーには珍しい歯切れの悪い言葉尻に思わず笑みがこぼれる。悪いことを子供みたいに視線はどこか違うところに向いていた。
    「あの、ビリーくん」
    「!」
    「いつも、誘ってくれてありがとう。…今日は僕から、…お誘いしてもいいかな?」
    「……っ喜んで!」
     帰路につき、いつもより夜更かしをした。万全を期す為、端末を片手に明日行きたい場所を挙げる。ここも、そこも、全部行きたい。一日じゃ足りないね、なんて言い合って。夜は更けていった。いつの間にか二人して寝こけてしまい、昼過ぎに目が覚め悲鳴をあげるのは、翌朝のことだった。
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    sika_um

    DONE現プロゲーマーに(腕前的な意味で)目付けられてるけどお友達になれて嬉しいグレイくんと気が気じゃなくて年相応が垣間見えるビリーくんのビリグレ。
    Everything to me! ここ最近ビリーの心中は摩擦を起こしヒリついていた。新しく覚えたマジックを見せたくてしょうがないのに、忙しそうにしている父は忙しそうにしていて。遠慮を覚えるような、焦燥に駆られるような。そういった久しい感覚に近いのかもしれない。
     しかし父ではなく恋人相手、素直に本人にぶつけるわけにもいかない為、言葉の矛先がふよふよと彷徨う。如何せん、当の彼に非はない、責めるわけにはいかないのだ。
     とある昼下がり、ビリーはいつもの様にSNSをチェックしていた。いつの時代も炎上は付き物だ、グレイの事も気を付けて見ているようにしているのは火種や厄介事の芽に目を光らせていて損は無いから。決して恋人に粘着するファンを炙り出すわけじゃない。そんな彼の投稿といえば、頻繁に行われる訳ではなく、偶に載せたと思えばゲームの攻略だったり、切り抜いたゲームのプレイ動画だったり。返信等は同業者のみだが、記の動画見たさに登録している人はやや多め。文句なし、円満な公式SNS運営と言えるだろう。
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