タイトル未定 仙乱最近、乱太郎には心を休める暇がなかった。大体乱太郎がいる所にトラブル・不運ありと言われていてなにかに巻き込まれたり、はたまた自分の不運で穴に落ちたり、コケたりしていたのだが、そんなことではない。
乱太郎が心を休める暇がない原因を作っているのは、先日乱太郎と晴れて恋仲になった六年い組の作法委員会委員長である立花仙蔵である。
立花仙蔵がどういう人物か？と質問されたとしたら、火薬を自主制作するほどの優秀ない組の生徒だと言う人もいれば、自他ともに厳しい人であり完璧主義者ではないかという人もいるし、全ての動作が美しい人だという人もいる。乱太郎だって、恋仲になる以前にそう聞かれたら上記のどれかをインタビュアーの人に返していたかもしれない。だけど、仙蔵と恋仲になった乱太郎からみれば誰かに立花仙蔵とはどういう人物か？と聞かれたら乱太郎はこう答えるだろう。
─とても、とても意地悪な人です！と。
仙蔵に、自分の胸のドキドキと胸の奥のソワソワが恋だと教えて貰って恋仲になってからというもの乱太郎はほぼほぼ毎日、仙蔵のスキンシップの多さに茹でダコになっていた。
六年生という最高学年で、過酷な実習や就職活動、そして委員会活動などで忙しいはずなのに時間を見つけては乱太郎の傍に来てくれるだ。傍に来てくれるのは乱太郎としても嬉しいし、仙蔵の顔を見られるだけで幸せになってしまうのだが、毎回と言っていいほど乱太郎に致死量以上の好きだとか、愛しいなどの言葉責めと頭を撫でたり、頬を撫でたり、終いには隙あり。と言って口吸いまでもしてくるものだから、乱太郎の頭は毎日キャパオーバーになって茹でダコになったところでスキンシップ攻撃が止み、愛いなあ。と意地悪な顔で笑ってくるものだから、乱太郎は意地悪な年上の恋人になにか一矢を報いたい！と奮闘しているところなのである。