罰ゲームはセーラー服です「……んで、なんのロケだったんです?ずいぶん長丁場でしたよねぇ」
「なんの……ちいうと難しいな。crazy:bが行く秋の修学旅行、みたいなタイトルやったような?」
「修学旅行? ああ、時期はぴったりですねぇ。楽しそうな企画じゃねえっすか」
「わしら誰もまともに修学旅行なんか行ったことあらへんし、なんや正解はようわからんかったけど楽しかったは楽しかったわな」
へえ、と相槌を打ちながら、オレたちEdenも随分奇特な環境で育ってきたメンツだなと思うことはあったが、思い浮かべてみればcrazy:bも大概だなとぼんやり思った。燐音さんや椎名さんたちが高校にすら通っていないことを思えば、彼らの方が「修学旅行」からは縁遠かったのかもしれない。
「全員学ランちゅう学生服が衣装やってんけど、燐音はんが大はしゃぎでうるさくてかなわんかったわ。でもあの服はなんか、ええな。カッコ良ぇしわかりやすいし」
「学ラン、いいっすよね。玲明はブレザーでしたし、ちょっと憧れはありますよぉ。制服って歳じゃねぇけどさ」
「それはまあ、アイドルなら許されるんとちゃう? ジュンはん似合いそうやし。うん、絶対似合うわぁ」
「はは、ありがとうございます。『修学旅行』って言っても、制服着てるだけで普通に観光ロケなんすか?」
「観光はメインちゃメインやけど、行く先々でクイズ出されてご褒美が出る、ちうよくある感じのロケやわ。でも飯のたんびにクイズ出てくるし旅館でもクイズの正答率によって待遇かわるわ罰ゲームあるわで気ぃ休まる暇もあらへん」
「はは、それは大変でしたねぇ。ところで、crazy:bだと誰がクイズ強いんです?」
「うーん、いちばんはHiMERUはんやね。でも食べ物のことやとニキはんが強いし、燐音はんも自然とか歴史とかは案外詳しいし……ああいうクイズやとわしはからきしやわ」
「そうなんですか?なんか意外っすねぇ」
「わしも人間の急所とか出してくれるんやったら答えられるんやけどなぁ」
「どんなクイズっすかそれ……」
「あとHiMERUはん、脳トレ……ちうか謎解き?みたいなパズル解くん異様にはやいんよ。やる気のうなるわ」
「早そうっすねぇ。謎解きとか頭の体操みたいなやつ、うちだと茨は案外苦手なんですよねぇ、ああみえて。頭硬ぇから」
「それこそ意外やわ。そっちやと逆に誰が得意なん?」
「パズルはオレがはやいっすかねぇ。でもおひいさんもナギ先輩もわりとすぐ解きますね。オレも雑学クイズのほうはからきしですけど……」
「はは、なんやお揃いやな」
「そうっすねぇ。不本意ながら」
「そういやオンエアいつです?録画しときますよ」
「……見んで良ぇよ」
「は? なんでですか、こんだけ話してたら気になっちまうでしょうが」
「見んな」
「ええ……? あ、罰ゲーム、すか?」
「……それ以上言うたらお土産やらんで」
「ふは、なにしたんです? お土産は欲しいんで黙りますけど、オンエアは見ますよ、絶対」
「……勝手にし。わしがおらんとこで見ぃや」
「はは、そうします。普通にサクラくんの制服姿見たいですし」
「はぁ……」