《月の裏に隠れた感情を太陽が優しく照らし出す》 ふと、さっきまで休憩室にいたツラヌキの姿が見当たらないことに気付いた。うまく言葉に出来ないが先程どことなくいつもと雰囲気が違ったのが気になり昼休憩に声を掛けようと思っていたのだが、施設内を回るも見付からなかった。今日は朝から雲行きが怪しく昼には雨が降ると予報が出ていたのでまさかとは思ったが、小雨降る屋上で見付けた。手すりに寄り掛かり遠くを見る、そのツラヌキが感情が抜け落ちたような顔だと気づいた途端走り寄っていた。
「おいっツラヌキ、雨の中なんで傘も持たないでこんなところにいるんだ!?風邪をひくだろうっ!」
「あ-、リュウジ」
無表情だったツラヌキは俺の顔を見るとへらりと笑った。
「あ、じゃない!兎に角、部屋に戻るぞ!タオルと、あれば着替えも借りて体を暖めろ」
とりあえず屋内に連れて行かなくては、と掴んだツラヌキの手は芯まで冷えきっていた。
「それで?何で雨の中あそこに居たんだ?」
あんな冷たくなるまで、と睨むと
「ん-『それで?』と言われても……何となく?」
「何も無く雨のなか一人であんなところに居るやつがいると?」
ツラヌキをジッと見つめると『あー、ん-』と小さく溢しながら視線をさ迷わせ此方が折れる気がないと諦めると最後は手元を見て話し始めた。
「言っても大したことじゃねぇよ?……いや-まぁその、ホント何となく?……さっきのハヤト達のやり取りで、ハヤトが親子の会話じゃなく、運転士と指令長代理として真面目に仕事っていうかシンカリオンの話、してんのを見てたら急にオヤジのこと思い出して……いい思い出とか、怒られた記憶とかじゃなくて、ただ単に、オヤジが机仕事してる横顔とか、現場で指揮取りながらオッチャンたちと仕事してる姿っていうだけの、なんて事ない記憶で」
「……っ」
「ダチの家族の楽しい旅行の話とか聞いてもさ『良かったな!』って思うだけで、悲しいとか、羨ましいとか、もう何も、何とも思うことなんてなくなってたのに、それなのに今日は急に」
どこを見るでもなくポツポツと話すツラヌキの話はそのまま自分の事のようで
「……ツラヌキ」
「や-、今回もハヤトに対してそう言った感情が湧いた訳じゃねぇんだよ?でも、なんでだろうな?今は何も、見たくないって思ったら、なんか彼処に立ってたんだ……」
ほら、大したことじゃねぇだろ?そう言って無理に笑ったツラヌキの笑顔は悔やんでいるように見えた。
もっと父親の仕事をする姿が見たかった、自分も同じ道を歩けていたんじゃないか、もっと仕事の話を聞きけばよかった、そんな自分を責めるような表情だ。しかしツラヌキもそして自分もとっくに解っている。別っている。
「お前は、周りの人達をよく見てよく気付く、だが逆に自分の事は芯に近い部分であればあるほど何事もなかった様に隠してしまうな」
「まぁ聞かれりゃ言うけど楽しくねぇ内容だしな、やっぱダチとは楽しく笑っていてぇし」
「だろうな、お前は強い」
今までもそう思っていたが、今はその強さが諸刃の剣のようにも感じる
「リュウジだってそうだろ?」
「いやオレはお前ほど強くなかった、過去を傷だと思っていたし近付く奴は拒絶していた」
知っているだろう?出会った頃のオレを、と態と苦虫を噛み潰した様な顔でいうと。
「あ-、そういやそうだったな」
とツラヌキはやっと自然な笑顔を見せた。
「そっか、そういやリュウジは痛みと向き合って受け入れたんだな。やっぱスゲェよリュウジは」
・・・・・
って感じでハヤ卜との邂逅で痛みを乗り越えた白衣のゴr……天使DYリュウジお兄様がなんかツラヌキ君の心に刺さる言葉かけてツラヌキ君をヨシヨシして幸せにしてあげてママァ( ゜д゜)ノ ヨロシクゥゥゥゥー!!!!!!!!(台無し)
あと「それが俺の、俺なりの流儀だから、な」ってかっこよく(?)〆て!!(むり)