『落ち着く背中合わせ/君の背中に小さな声で』
今はまだお友だちつらぬくんとあずちゃん。
何かしら意見(多分最初からガーっと勢いで進めたいツラヌと準備段階は慎重に進めるべきだと主張するアズちゃん、内容は御自由に)が対立してヒートアップ、正論でアズちゃんにこてんぱんに言い負かされ「……ちょっと頭冷やしてくる」と別の部屋に一人移動し凹むツラヌ。
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ツラヌキがしばらく経っても戻って来ないので私は様子を見に向かった部屋に入る。案の定ツラヌキがひとり入口に背を向けてスツールに俯き加減で浅く座っている。明らかに私が入ってきたことには気が付いている筈だが反応はない。拗ねているようだ。私は無言で近付き背中を合わせる様に同じスツールに座り、ツラヌキに思いっきり大樹を乗せるようにもたれ掛かった。『ぐぅ』と小さい声がツラヌキからもれるが何も言ってこない。何となく「重い」と言われた様でムカついたが、そこはグっと我慢。話に来たのにまた言い争いになっては本末転倒。
「さっきは、キツい言い方をしたから、それは悪かったなと思ったの。もっと言い方があったわ。それは謝りたくて、ごめんなさい。でもね自分で言ったことは責任を持って喋ってるつもりだし、内容自体は間違っていないと今も思っているから、その事については私は謝れないから」
「……アズサが言ってることがオレ自身を全部否定されたみてぇで、途中から悔しくてムキになってた……でも言ってることはアズサが正しいって、絶対成功させたいんだって、わかってて…………悪かった」
「絶対成功させたいのはツラヌキだって一緒でしょ?と……それじゃあ、その、仲直り、してくれる?」
「(ん″っ!!)………………ヨロシクオネガイシマス」
「なんでカタコトなの?でもよかった。ありがと」
「 」
「ん?ごめん小さくて聞こえなかったわ、何?」
「いやっ!オレも、そのっ、そう!アリガトって言っただけで」
「…ふーん、そ。じゃあそろそろ戻りましょ?(ざんねん。ほんとは聞こえてたけど、まだはっきりとは言ってくれないかぁ)」
両片想いだけどアズちゃんは両想いだって気付いてて、あと一押しでツラヌキの告白が聞けそうなので楽しみにしているところです。でもあんまりモタモタしてたら自分の土俵で逃げられないように告白も同時に計画中です。