約束/前編(サンズ視点)サンズは考えあぐねていた。
フリスクが大人になるまで手は出さないとトリエルと「やくそく」したのだ。
やくそくを交わしたのは、フリスクが成人するまであと2年という時だった。
サンズは付き合うまで何年も待ったのだから、あと2年くらい待つのはなんてことないと、当たり前のように返事をした。
彼にはいつまででも我慢できる自信があった。
しかし1年後
フリスクはそれを強く、強く、望みはじめる─
*
「サンズあそぼ」
玄関を開けると、そこにはフリスクが可愛らしい水色のワンピースを着て立っていた。
サンズの眼窩に浮かぶ光がわずかに縮む。
「…フリスク、今日は用事があるってパピルス達の誘いを断ってなかったか?」
「うん、あるよ用事」
今日、パピルスはアルフィー達と海へ行くと言っていた。フリスクは用事があると言ってその誘いを断った。フリスクが行かないならオイラもやめとくよ、とサンズも誘いを断った。
2313