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    yudu_630p

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    yudu_630p

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    今月中に形になったらいいな(願望)
    ここから回想ターンが長々入ります

    DOS テド王(めっちゃ書きかけ)知らない宛先から見知った筆跡で綴られた手紙が届くと、一番最初に思うのは「相変わらず律儀だ」ということ。生まれ故郷を出る際『必ず手紙を書く』と言った所、『お前に割く時間があればペンを取る』と返ってきた。出した手紙には必ず返事が届くから、オレの仕える“王様”はそれなりにオレに時間を割く気があるらしい。
    私立探偵として新天地に居を構えて以降、見たもの、聞いた事、知ったもの。そして、お互いの目的の為に必要な手がかりになりそうなこと。写真や少々のプレゼントを添えて、何度も手紙のやり取りをしてきた。今回の手紙は果たしてあいつにどんな風に映ったのか。自室の肘掛椅子に座って、届いたばかりの手紙を開く。窓の外は、既に暗い闇が落ちている。生まれ故郷の、光の差さない街のことを思い出させる景色だった。


    ──お前の無茶や無謀は、この目で散々見てきたつもりだ。前回の手紙でも、大立ち回りをして怪我を負ったと言っていなかったか。一体、いくつ傷を作れば気が済むんだ。お前が街を出る際、私に誓ったことを忘れたか──。

    王は、随分とご立腹な様子だった。体が資本でやっている職業柄、傷を作ることはよくある話だ。それに、生まれ故郷──今はあいつが統べる街・ファンタスマゴリーに住んでいた時の方が、よっぽど命の危険と隣り合わせだったように思う。あいつが王として率いる組織だって、元々はそういう危険から身を守る為に作られたストリートチルドレンの集まりだった。今は『ダスクの騎士』なんて名の下街を統治する大組織になったものの、力を持たない人間は蹂躙され、奪われるばかり。オレ達が力を欲した結果、成り立った居場所のようなものだ。
    王と名乗るあいつも、元々はスラム街の出。何の力も持たなかった子供の頃のオレが知識と戦い方を学び、あの暗闇の中でたったひとつ『この街にいつか光を灯す』という、無謀な大望を抱くきっかけになったのは、あいつとの出会いだった。腕っぷしではオレが一番で、知恵と戦略はあいつが一番。生きる為に必死だったあの頃から、随分遠くへ来た。だけど、根本は今でも変わっていない。街を出て、ここに来る時あいつに立てた誓いもそうだ。
    「場所も、やり方も、これからは変わっていく。でもオレの望みは何一つ変わらない。外の世界で見たものを、知識を、ここに持ち帰る。そしていつか、この街を明るく照らしてみせる。──それから、おまえの騎士として、これからも生きていく。おまえがオレを呼んでくれたなら、世界中どこからだって駆けつけてみせる」
    いつだったか、ふざけてあいつの前で膝を折ったことがある。『ダスクの騎士の王』を名乗った時だっただろうか。あれを思い出して、膝を折り、帽子を脱いで、右手を取って口付けた。視線を上げると、あいつはふと笑ってみせていた。ランプの光で陰影の付いた表情が、どうにも綺麗で目が離せなかったのを覚えている。
    王は、オレの言葉にこう返した。
    「ならば、お前が死ぬ時も私の傍にいろ。黙って消えることは私が許さない。最期だけはここに戻ってこい」
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    yudu_630p

    MOURNING先月(だっけ)の寸劇やばかったですねって話をしようとして書き出したけどなんか脱線して終わった話
    初恋みたいな(てるかお)(諸々中途半端)例えばオフの日の朝、近くの店の焼きたてパンを買ってお気に入りの豆を挽いたコーヒーと一緒に頂くとか、お互いの蔵書を交換して時間の許す限り読むとか。映画を観に行くのも良いし、ちょっと贅沢なランチやディナーを楽しむのも良い。あいつのイメージではないけど、羽目を外してゲーセンなんかに行ったって良い。その手の中にあるのがクロワッサンだろうが文庫本だろうが、あるいはゲームで使う物騒な銃だろうが、あいつの中で『楽しい』とか『悪くない』とか、そういう感情が生まれていればそれで良い。丁寧に時間を重ねていった先に、蓄積されて出来た愛だの恋だのがあれば万々歳だ。
    ──とか何とか、そういった類の妄想を最近よくしてしまう。今日もついさっき、本屋で出くわした桜庭の顔を見て貴重なワンシーンを見られたことを有難く思ったばっかりだ。影響はそれだけではなく、あいつの買おうとしていたミステリー小説のタイトルがどうも気になって、元々買おうとしていた本のラインナップに追加してしまったりしていた。
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