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    ahelioslover

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    ahelioslover

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    例のツイートの妄想
    読みたいので書きました、冒頭ちょっと

    「もしもしキース?…ん?あああっ!今日こっちで足りないからって使ったかも。…うん、ちょっと聞いてみる、……うん、オッケー!また連絡する!」
    上司のディノが当直明けとは思えないテンションで電話の応答をしているのを横目でぼーっと眺めていると、大きな青い目がこっちへ向いた。
    「申し訳ないんだけどフェイス今車出せる?島の方から一人入院患者が来るんだけど、そのための病院の車朝がた救急で使っちゃったからその車持っていってほしいんだ。」
    「…港に行けばいいの?」
    「そう!もう着いてるらしいから。当直明けなのにほんとごめんな〜俺今から外来出なきゃいけなくてさ。」
    「了解〜。」
    「キースっていう俺の同期が患者さんと一緒にいるから指示聞いてくれれば大丈夫!ブラッドくらいの背の癖毛!多分すぐわかるからよろしくな。」
    手元の残り少ない缶のカフェラテを一気に流し込み立ち上がる。スクラブの上にパーカーを羽織り、ロッカーから靴とキーを取り出す。

    男と患者はすぐに見つかった。車椅子に乗った朗らかに笑う老人と紺のリネンシャツをラフに着た癖毛の男。船着場に近い駐車場に車を置いてそちらへ向かうとむこうも気付いたようでこちらへ向かってきた。
    「わざわざすまねぇな、フェイス、であってるか?」
    「うん、キースさん?でいいんでしょ」
    「キースでいい。早速だけど車どこ?オレ運転すっから。当直明けなんだろ?」
    「あっち。」
    「じいちゃん、動かすぜ〜。」
    男は静かに車椅子を滑らせた。ディノの同期ならブラッドの同期でもあって、そうならもちろん若手を抜けた中堅の医者なんだろうけど、伏せられた左目とふわりと漂う煙草のにおいに白衣のイメージはわかない。それでも車椅子に乗った老人の会話の中の『先生』という言葉にははっきりとした信用と信頼と慈愛がのせられている。後部座席に一切の無駄な動作無く車椅子と老人を乗せ、自身は運転席に乗りこむ。あまりのスムーズさに呆気に取られていたものの「お前後ろな」という声に慌てて老人の隣に座った。
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    ahelioslover

    DONE20210926
    フェイキスwebオンリー 眠れない夜に口付けを
    展示小説です
    special breakfastなんだか早く起きた朝は、気分が軽い。寝る時間はいつもと変わらないから睡眠時間で言うと短いはずなのに、これが終わったらあれもしようかな、この後これもできるな、みたいな気分になる。昨夜小腹がすいたのをおして寝てしまったこともあり、俺の今日最初の行動は朝食づくりと決まった。ジュニアとディノは朝からランニングに行ったらしく食器立てには既に二枚皿が並べられていた。俺の早起きは、彼らにとっては早起きではないらしい。そのうちキースも起きてくるだろうと、その半乾きの皿を取り出してクロスで拭いた。
    まずはバケットを適当な厚さに切る。食べ応えはほしいけどあえて分厚すぎないように。前のオフに、話題になっていたベーカリーで買った全粒粉のバケットは、カットするだけでいいにおいがした。二切れをトースターの中に突っ込んでとりあえず放置、食べる直前に焼き上げたいからまだつまみは回さないでおく。そうしたら冷蔵庫からアボカドを取り出して縦にナイフを入れる。アボカドって不思議な切り方するよなあ、なんてとりとめのないことを考えながら、種の周りにナイフを添わせて実をぐるりと一周し。左右それぞれを手でぐりぐりとずらせば鮮やかなグリーンのお出ましだ。種も皮も取り除いたら、斜めに薄くスライスしていく。
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    ahelioslover

    PROGRESS例のツイートの妄想
    読みたいので書きました、冒頭ちょっと
    「もしもしキース?…ん?あああっ!今日こっちで足りないからって使ったかも。…うん、ちょっと聞いてみる、……うん、オッケー!また連絡する!」
    上司のディノが当直明けとは思えないテンションで電話の応答をしているのを横目でぼーっと眺めていると、大きな青い目がこっちへ向いた。
    「申し訳ないんだけどフェイス今車出せる?島の方から一人入院患者が来るんだけど、そのための病院の車朝がた救急で使っちゃったからその車持っていってほしいんだ。」
    「…港に行けばいいの?」
    「そう!もう着いてるらしいから。当直明けなのにほんとごめんな〜俺今から外来出なきゃいけなくてさ。」
    「了解〜。」
    「キースっていう俺の同期が患者さんと一緒にいるから指示聞いてくれれば大丈夫!ブラッドくらいの背の癖毛!多分すぐわかるからよろしくな。」
    手元の残り少ない缶のカフェラテを一気に流し込み立ち上がる。スクラブの上にパーカーを羽織り、ロッカーから靴とキーを取り出す。

    男と患者はすぐに見つかった。車椅子に乗った朗らかに笑う老人と紺のリネンシャツをラフに着た癖毛の男。船着場に近い駐車場に車を置いてそちらへ向かうとむこうも気付いたようでこち 846

    ahelioslover

    MOURNING力尽きて触ってない書きかけあったので供養
    フェイキスになる予定だったフリージャズピアニストやってるキースの過去的ななにか、フェイスは全く出てこない
    モブも出てくるしキースが可哀想
    落ち着いた照明、淡く光を受けるボトル、艶やかに磨かれたグラス、滑らかな革張りのスツール。その中でビンテージのピアノに向き合うくたびれた風貌の男にフェイスは見覚えがあった。

    気がついた時には家をとび出ていた。母親が消えてからその分まで暴力はキースに向かってきた。齢10にも満たない子供には、逃げるしか方法が無かった。
    走り続けて十数分、夜でも鍵の管理の甘い教会があった。最近は父親が昼間に家にいる時間が増えたため、昼も夜も世話になる羽目になった。世話と言ってもここにあるのは古いアップライトピアノと硬い木のベンチだけだが。キースは寝付けない時、マフラーペダルを踏みつけてさらにホコリ避けのフェルトカバーの上から鍵盤をならす。最初は一音一音確かめるように、慣れると街で流れる流行のポップス、公園のベンチにずっと座っているじいさんが持ってるラジオから流れるジャズ、教会でたまに開催されるピアノリサイタルのクラシックまでなんでも弾いた。運もお金もなかったが才能はあったようで一度聴けばだいたい何でも弾けた。楽しいわけではなかったが、何かから逃れるための手段としてピアノはピッタリだった。
    しばらくすると孤 1439